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教えてくれたのは…
アヴェニュー六本木クリニック 院長
寺島洋一先生
アヴェニュー六本木クリニック院長。VOCEでもおなじみの人気形成外科医。歯に衣着せぬ診察での発言や圧倒的な技術力は美容の世界でも大評判であり、美のプロからもご指名が殺到。
教えてくれたのは…
歯科医・デンタル美顔プロデューサー
是枝伸子先生
歯科医。アクアタウン歯科クリニック副院長。歯科医の立場から、美しい顔を追求し、独自のメソッドを確立するデンタル美顔プロデューサーとしても活躍。著書『美人に見られたければ顔の「下半分」を鍛えなさい! 歯科医が教える整形級美顔術』(講談社刊)が人気。
【口ゴボ】って何? どういう状態を指すの?
是枝先生
顔を横から見たときに、鼻先と唇、あご先を結んだ一直線の線を“Eライン”と言います。Eラインから歯や顎が前に出てしまい、口元がモコッとして見える状態が“口ゴボ”と言われているようです。日本人は欧米人に比べて下顎(かがく/下あごのこと)が劣成長(れつせいちょう/標準よりも小さく成長している状態)の人が多く、横から見たときに下顎の存在感がないため、いわゆる“口ゴボ”になりやすいというのも理由のひとつ。そのほかにも歯並びや嚙み合わせが悪い不正歯列というケースもあります。いずれにしてもあごの骨格が関係しているケースがほとんどです。
寺島先生
“口ゴボ”というのは、上顎と下顎が前突してしまった状態のことを指す言葉だと思われますが、医学用語ではありません。口がゴボッと前に出ているから、そう呼ばれるようになったという説がネットを中心に散見されます。
マスク生活が「口ゴボの悩み」を加速させた?
寺島先生
“口ゴボ”を気にする人が増え、そういったキーワードがネット上で多く見られるようになった理由は、マスク生活が関係しているかもしれません。人の脳は、隠された部分を想像するときに良い方に想像するようにできています。マスクを外す機会が多くなった今、人の口元が「思っていたのと違う」と感じた経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか。マスクをしている間に“美化”された口元と現実の差から「私(あの人)の口元ってこんなに出ていたかしら」と感じる人が増えたということが“口ゴボ”への関心度を高めているのでしょう。
また、「“口ゴボ”は増えているのですか?」と聞かれることがありますが、突然起こることではありませんから、急増したという事実はありません。恐らく、“口ゴボ”というわかりやすい呼び方ができたため、話題にしやすくなったのでは?
是枝先生
マスク生活のときには無表情になりやすく、表情筋が脱力していた時間が増えました。その結果、口元の筋力が衰えたことで口元が突出している“口ゴボ”が目立ちやすくなったということもあるかもしれません。
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口ゴボを放置するとどんな影響が出る?
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