田中碧 選手
1998年9月10日生まれ、神奈川県出身。J1リーグ、川崎フロンターレの下部組織を経て、2018年プロデビュー。『FIFAワールドカップカタール2022』では、得点を決めるなど、日本代表チームの主力として躍動。本年3月末の『キリンチャレンジカップ』の代表メンバーにも選出された。
コムドット やまとさん
1998年5月15日・東京都生まれのYouTubeクリエイター
YouTubeのチャンネル登録者400万人を超えるコムドットのリーダー。
著書『聖域』は42万部、『アイドル2.0』は15万部を突破。著者をはじめ、ブランドモデルなど、YouTubeの枠を超え活動の幅を広げている。
「コムドットやまと×田中碧対談」の収録を無事終えたあとも、別れを惜しむように立ち話を続ける2人。撮影の緊張感がなく、完全にプライベートモードのお二人のトークも余すことなく記事にしました。アフタートークになっても田中碧さんのやまとさんへの質問は止まりません! その碧さんがやまとさんに“ロックオン~!”なところも含めてぜひお楽しみください。
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田中碧選手からオファーが来たと聞いて、とりあえずみんなに自慢しました(笑)
田中碧さん(以下、敬称略)
今日は、僕のオファーに応えてもらって、ホントにありがとうございます。実際にお話をさせてもらったら、やっぱり思っていたとおりの方で、ますます尊敬しました。
コムドット やまとさん(以下、敬称略)
いや、こちらこそありがとうございました。オファーが来たときは、嘘だろ!? 絶対嘘って思いました(笑)。碧さんの存在は、ワールドカップ・カタール大会のときに知って。当時、ニュースやテレビ番組で何度となく特集を組まれているのを見ていたから。同い年として、世界の大舞台に立って日本の代表として戦っている人がいるのか……とすごさを感じていたから、そんな人から「会いたい」と連絡が来たら「嘘だろ」ってなりますよね。とりあえずうちのスタッフに自慢しまくりました(笑)。
日本代表選手ともなると、国を背負って戦っているじゃないですか。それってどんな感覚だろうって思っていました。
碧
もともとは責任とかプレッシャーとか全然なかったのだけれど、気持ちが動いたのはワールドカップ・カタール大会の試合前ですね。全員で円陣を組んだときに、長友佑都選手がサラッと「国を代表するのって、大統領と俺らしかいないからな」って掛け声で気持ちを鼓舞してくれて。そこで、はじめて国を代表した人間だと意識しましたね。
やまとさんの本は印をつけきれないほど学びの宝庫だったんです
やまと
碧さんは、いつくらいから僕を知ってくれているんですか?
碧
一年ちょっとくらい前かな。コムドットのYouTubeチャンネルから知ったのではなく、やまとさんの著書を読んだのが最初ですね。その本で語られたやまとさんの戦術にスゲ~って衝撃を受けて。
やまと
お、本から、だったんですね。それは意外。
碧
本の中で語られていたリーダーとしての資質にも惹かれましたし、すべての行動が緻密な分析の上に成り立っているという戦略的な思考がなによりも興味深かった! たとえ失敗してもなかったことにするのではなく、軌道修正してプラスの力に変えていく。だから、行動のすべてが意味のあることになって、成功の掛け算になっていくような……そんなやまとさん流のシステムなら、そりゃ~人気を獲得できるワケだ、と思いました。YouTubeクリエイターとして日本一になるだけではなく、やまとさんの戦略があれば、きっとなににだってなれるし、成功できるだろうって。
やまと
そうなんですよね。YouTubeクリエイターとして日本一の座を獲ることはあくまでも今の目標。そこがゴールではなく、まだ未来の展望を意識した過程に過ぎないですね。
SMAPさんのような国民的エンターテイナーになることがコムドットの着地地点
碧
コムドットは、学生時代からの仲間ですよね。そこから仕事を一緒にやるようになって難しいことってあるのかな?と気になっていました。今、YouTubeクリエイターとしてお仕事をされていると、スポットライトが当たりやすい人とそうでない人がどうしても出てきて、「あいつ、いいな~」みたいなことにはなりそうだし。
やまと
「いいな~」と仲間の誰かをうらやむ気持ちはあるかもしれない。コムドットは、ファン投票で人気ランキングを明確に出しますから。ただ、うらやんでばかりもいられないんですよ。だって給料も均等に同じだけ手にしているので、それでランキングが低いと「同じ給料で、これはヤバイ」とすごい勢いで突っ込まれますから(笑)。でも、今後に生かすためのファン投票なので、ランキングによってメンバーが脱落するとか、そういうことはない。コムドットは5人で一緒にいたくて始めたのが原点だから、メンバーが揃っていることに意味があるんで。
碧
5人のキャラもイイ感じのバランスでニクイ(笑)。かならず、メンバーの誰かに自分を落とし込んで親近感を持てるというか。だから、つい見たくなるというのがわかる。あれだけ多くの動画をつくっているけれど、ネタはやまとさんが担当しているんですか?
やまと
ネタっていうほど仕込んでいるものはなく、それっぽく見せているだけです。ぶっちゃけ内容はなんでもよくて、それよりも「コレなら見る」「コレはいいや」っていう見る側の興味にバラつきが出ないように、コムドットがやるならなんでも見たいって思われるレベルにならないといけないな、と。こたつで鍋食べている家族が見てくれるような内容にしていかないと、正直、下からの突き上げも厳しいし、入れ替わりも激しい世界なので、誰もが認める国民的なエンターテイナーになるのは難しいと思っています。
碧
そうなると、年齢層の高い世代にもファン層を広げていかなくてはいけなくなりますよね。そのための作戦は?
やまと
お子さん経由で見てもらうのが一番の最短ルートになるでしょうね。これは、うちの母親の経験からヒントを得たこと。アイドルの顔や名前など全然一致しなかった母親がBLACKPINK好きの妹の影響で一人ずつを認識できるようになり、一緒に動画を観て盛り上がるくらいのファンになっていて。それを見て、コムドットのファンにも「コムドットのYouTubeを親と観て」とアピールする作戦にしました。親やそれより上の世代には、YouTubeを日常的に観る習慣がない人がまだまだいますよね。登録者数を増やすには、そういうところを振り向かせる必要があって、そのきっかけとしてお子さんにおすすめされることというのがフックになるな~と。
碧
親世代から「YouTuberでしょ」と肩書だけで拒絶されないために、テレビに出るようになったと本で読みました!
やまと
YouTubeを観ない人にとって“ただのYouTuber”と“テレビに出ている人”の信頼度には大きな隔たりがある。だからこそ、テレビに出るという要素を満たして“テレビ出演者”という箔がつくだけで「一緒に子どもと応援しよう」と思ってもらえるから。あと、幅広い世代に向けたエンターテイナーとして認めてもらうためには一流の企業からのオファーをもらうというのも重要ですよね。そのためにもまずYouTubeで明確な数字を築き、テレビで幅広い世代に人気者として認知される必要がある。そういった土台を築いているのが「今」なんです。
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コムドットが“地元”にこだわる理由
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