卒業してからどんどん美しさが増し、活躍の場を広げてきた真彩希帆さんが、再びVOCEに帰ってきました! 2021年退団直後に取材させていただき、また元雪組男役で同期の綾凰華さんが退団された際には、おなじく元雪組娘役の同期、星南のぞみさんとトリオでの撮影にも駆けつけてくださいました。
退団後の真彩さんは引く手あまた! 『ドン・ジュアン』『笑う男 The Eternal Love-永遠の愛-』『ジキル&ハイド』など、数々の有名ミュージカルに出演を重ねています。そして今回、宝塚歌劇団在団中にもクリスティーヌ・ダーエを演じて超話題となった大作『ファントム』への出演が決まりました! 宝塚時代からのファンにとっても思い入れの深い『ファントム』。真彩さんが臨む新しいクリスティーヌ像について、そして最新の“真彩希帆事情”もたっぷり伺いました!
再挑戦は、ミュージカル界を目指す子どもたちのため
VOCE編集部
雪組トップ娘役時代のクリスティーヌ! 本当に素敵でした。改めて、梅田芸術劇場版『ファントム』のクリスティーヌ・ダーエを演じる気持ちをお聞かせください。
真彩希帆さん(以下、真彩さん)
実は最初はお話をお受けするか、悩みました。退団して1年程経ったときに再度「クリスティーヌ役をぜひ」というお話をいただき、もう一度よく考えてから「クリスティーヌを演じよう」と決意しました。
VOCE編集部
何かきっかけがあったんですか?
真彩さん
ありがたいことに、お手紙をたくさんいただいていたんです。「宝塚時代の『ファントム』のDVDやCDのクリスティーヌの歌を娘や息子がマネしているんです」とか「もう一回真彩さんのクリスティーヌが観られたら、子どもと一緒に行きたいです」とか。私も子どものときにミュージカルを観て、この世界に入りたいと思ったので、その当時のことを思い出したんですよね。
VOCE編集部
ご自身もそうだったから、子どもたちのきっかけになればと思われたんですね。
真彩さん
はい。私がもう一度クリスティーヌを演じることで、「ミュージカルっていいなぁ」「舞台で歌うって楽しそう!」と思う子が少しでも増えたらいいなと。例えばそれが男の子であっても、「ミュージカルの世界に入りたい」と思う人がひとりでも増えることで、この世界がこれから先も長く続くことの何か一つのきっかけに自分もなれたらなと思いました。
VOCE編集部
素敵です! 将来のミュージカルスターを生むきっかけになるかもしれませんね。
真彩さん
あともう一つ、宝塚版と違い、梅芸版の『ファントム』では、エリックを産み、心から彼を愛した母親役(ベラドーヴァ)も演じることができるんですよね。
VOCE編集部
確かに。宝塚版と梅芸版ではそこが違いますね。
真彩さん
はい。クリスティーヌとベラドーヴァ、その両面からエリックとの繋がりを表現できると聞いて、自分が経験したことのないアプローチの仕方が学べるのではないかと思いました。宝塚時代には知りたくても知ることができなかった“母親からの目線”や“母親から見たエリックの姿”が自分の中では謎のままでしたので。
VOCE編集部
新しいクリスティーヌの解釈ができそうですね。
真彩さん
宝塚での当時の自分は、そのときにできるすべてを出しきってクリスティーヌを演じました。今回出演する『ファントム』は、また山を一から違うルートで登るように、あのとき演じた『ファントム』とはまた違うクリスティーヌの姿になるのではないかと思います。観に来てくださるお客様はもしかしたら、「あのときのクリスティーヌと違う」と思われるかもしれません(笑) ですが、私自身も楽しんで作っていきたいと思います。
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真彩希帆の舞台にかける想い