今回のゲストは元宝塚歌劇団・月組男役の千海華蘭さん。確かな実力で月組の舞台を支えてきた千海さん。抜群のセンスを持ち、どんなお役でも演じ切る、まさに唯一無二の存在でした。今回は先週に引き続き宝塚時代のお話と、美容大好きな千海さんの現役時代の美容のこだわりを伺ってまいります。記事の最後には未公開カットもたくさん掲載されていますので、最後までお楽しみください!
この人にこの役を演じてもらいたいなと思っていただける表現者でありたい。
千海華蘭さん(以下 千海さん)
そう(笑) 18年も宝塚にいたのに! 『応天の門』を月組でやると決まって、お稽古が始まるまでにもちろん原作を読むじゃないですか。いざお稽古初日に配役発表があって、自分の名前の上に「清和帝」と書かれているのを見たときは、びっくりしましたね(笑)。
美夢
上級生で「13歳の年若き天皇」のお役をされるのは、私も驚きました!
千海さん
何度見返しても間違いなく「清和帝」と書いてあるので、自分の席に戻ってちなつ(編集部注:月組2番手スターの鳳月杏さん)とれいこ(編集部注:月組トップスターの月城かなとさん)に「清和帝って書いてあるんだけど子役だよね?」と言ったら、「えー! からんがやるのー?!」「子役だよー!」って大騒ぎで。
美夢
目に浮かびますね(笑)。
千海さん
子役を演じることが10年以上ぶりで、最近はナイスミドルなお役を多くいただいていたので、自分に務まるのか初めは不安でしたね。一国の主ですし、帝王教育を受けている子どもなので、普通の子どもではない部分をしっかり表現したいと思いました。
美夢
からんにしかできないお役でしたよ。
千海さん
ありがとうございます。一緒にお芝居させていただく方が、昔から月組で一緒に切磋琢磨してきたメンバーだったので、皆さんに身を委ねて、素直に表現させていただきました。最後までチャレンジできる環境はとてもありがたかったですね。
美夢
最後までチャレンジできることがあるのは素敵です。
千海さん
イメージにとらわれず、この人にこの役を演じてもらいたいなと思っていただける表現者でありたいと、下級生の頃から思っていました。最後に学年など関係なく、この役を振っていただけたことは、自分が掲げていた目標を達成できたのかなと嬉しく思いましたね。
美夢
下級生時代にからんが子役や少年役が続いて悩んでいた時期も私は見ていて。男役らしくなろうとメイクを研究したり、お稽古着も工夫したり、稽古場のたたずまいもすごくこだわっていたのを知っているのですが……そこを乗り越えて、経験を重ねた方が演じる子役って、また全然違うんだなと、感動しました。
千海さん
ありがとうございます。自分がずっとコンプレックスに思っていたことも含め千海華蘭という人間を認めていただけたような気持ちになりましたね。
美夢
打って変わって、ショーはラテンのショーで、良い組み合わせでしたね! 楽しかったでしょう?
千海さん
はい! もうラテンのショーは胸が高鳴るし、血が騒ぐと言いますか(笑) 「キザるのもこれで最後だー!」と毎日力の限り踊っていました。この作品で卒業できて、なんの悔いもありません。
美夢
本当に代わりのいない存在だったと思います。本当にお疲れさまでした!
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