目次
加齢とともに深くなるほうれい線ですが、もともとの骨格や生活習慣によっては10代20代でも目立つことがあります。
特にマスク生活ではほうれい線が悪化しやすいため、注意が必要です。
今回は、ほうれい線ができる原因と消す方法を解説。
ほうれい線を一瞬で消すのに一番効果的と言われているのはヒアルロン酸注入などの美容医療ですが、マッサージやエクササイズなど、自宅で簡単に実践できる対策は他にもありますよ。
記事の後半ではほうれい線ができやすい人の特徴や、『ためしてガッテン(現ガッテン!)』(NHK)で紹介された「顔に触れないリンパマッサージ」についても解説するため、ほうれい線ケアが気になる方は参考にしてください。
ほうれい線とは? 4タイプ別の原因
ほうれい線とは、鼻の両側から口もとにかけて伸びる線(ライン)のことを指します。
加齢とともに「目立ってきた」と感じる人が多く、顔にあるだけで見た目年齢を一気に引き上げてしまう悩ましい存在です。
ほうれい線には次の4つのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。
- 皮膚のたるみによるもの
- 骨格によるもの
- 表情筋の衰えによるもの
- 1〜3の混合型
ここからは、ほうれい線のタイプ別に原因を解説します。
皮膚のたるみによるほうれい線
ほうれい線ができる原因のひとつは、皮膚のたるみです。
年齢を重ねると皮膚の真皮層のコラーゲン、エラスチン量が減少したり、質が変化したりすることで肌のハリや弾力が低下するため、たるみが生じます。
真皮層のコラーゲンやエラスチン量は紫外線を浴びることによっても減少するため、日頃からUVケアを怠っている方も肌がたるみやすいと言えるでしょう。
また、頭の筋肉のコリがたるみがほうれい線の原因になっているケースもあります。
頭の筋肉は表情筋と違って意識的に動かすことが難しいためコリ固まりやすく、その上に存在する帽状腱膜という組織までカチコチに。
帽状腱膜が固くなると顔の皮膚にたるみが生じるため、ほうれい線が目立つことがあるのです。
そのほか、皮膚のたるみは急激な体重の増減などによっても引き起こされる場合があります。
無理なダイエットや暴飲暴食はほうれい線の原因に繋がるため、10代、20代でもほうれい線が目立つこともあります。
骨格によるほうれい線
生まれつきの骨格が原因でできるほうれい線もあります。
頬や小鼻まわりの骨が華奢な人や、頬骨の出っ張りがなだらかで頬が平坦な人などは、頬の肉を支える骨の力が十分にはたらかず、ほうれい線が目立ちやすいです。
こうしたタイプの骨格はアジア人に特に多く、10代、20代といった若いころからほうれい線に悩む方も多いです。
表情筋の衰えによるほうれい線
表情筋の衰えが原因でほうれい線ができることもあります。
口まわりを覆う口輪筋や、頬を支えて口角を上げるはたらきを持つ頬骨筋などの機能が低下すると、重力によって皮膚や脂肪が垂れ下がり、ほうれい線が目立つようになるのです。
表情筋の衰えは加齢によって引き起こされます。
また、普段から普段からあまり笑わなかったり、無表情でいる時間が長かったりする方は10代、20代でも表情筋が衰えやすいため、ほうれい線が目立ちやすいでしょう。
混合型のほうれい線
前述の通り、ほうれい線ができる原因には皮膚のたるみ、骨格、表情筋の衰えが挙げられますが、これらが組み合わさってできる混合型のほうれい線もあります。
特に35歳以上になると、加齢によって皮膚のたるみと表情筋の衰えが引き起こされるため、ほうれい線が深刻化しやすいです。
もともとあごが細い人は加齢によって皮膚がたるむと、ほうれい線がくっきり見えてしまうことも。
また、年齢を重ねると骨が萎縮することがあるため、骨格に変化が生じた結果としてほうれい線が目立つようになる場合もあります。
【皮膚科医監修】男性にほうれい線ができる原因
皮膚科・内科医の友利新先生によれば、ほうれい線ができる原因には男女による違いは特にありません。
ただし男性の場合、女性に比べて普段から紫外線ケアをしていなかったり、飲酒・喫煙の習慣があったりするため、ほうれい線が深くなりやすい傾向はあるといいます。
また、偏った食生活で血糖値の急上昇が起こると、肌の糖化が進んでコラーゲン・エラスチンを劣化させるため、ほうれい線の悪化に繋がります。
男性の場合、女性に比べるとこうした生活習慣を持つ人が多いため、ほうれい線が深くなるリスクが高いと言えるでしょう。
友利新先生
さらに、髭剃りにより日常的に口まわりの肌で細かい炎症が続いている状態であれば、よりほうれい線の深刻化しやすいといえます。
次の章からは、ほうれい線ができる原因について、年齢別に深堀りしていきましょう。
10代・20代でほうれい線ができる5つの原因
10代・20代でほうれい線ができる主な原因は次の5つです。
- 骨格や噛みグセ、歯並び
- 表情のクセや生活習慣
- 乾燥
- 冷え由来のむくみ
- 急激なダイエットでの筋力低下や栄養不良
以下ではそれぞれの原因について解説します。
骨格や噛みグセ、歯並びによるもの
10代、20代からほうれい線が目立つ場合、原因は骨格や噛みグセ、歯並びにあることが多いです。
前述したとおり、頬や小鼻まわりの骨が華奢であったり、頬骨が出ておらず平坦な頬をしていたりすれば、若いうちからほうれい線が目立ちやすいでしょう。
また、ほうれい線は口まわりの筋肉と深く関わっているため、普段から硬い食べ物を避けたり、あまりよく噛まずに食べたりしていると口まわりの筋肉が衰えやすく、ほうれい線が目立ちやすいです。
こうした噛みグセだけでなく、八重歯が出ているなど歯並びの悪さが原因でほうれい線がくっきり刻まれてしまう場合もあります。
歯並びは中学生、高校生のうちに直しておくと、将来のほうれい線の深刻化を防げるでしょう。
表情のクセや生活習慣によるもの
前述の通り、普段からあまり笑わず真顔でいる時間が長いと表情筋が衰えやすく、10代、20代でもほうれい線が目立つことがあります。
特にマスクをしている最中は無表情になりがち。
近年のコロナ禍では、長引くマスク生活の影響によっていつのまにか表情筋が衰えてしまい、知らないうちにほうれい線がくっきり刻まれていたなんてことも。
また、スマホやPCでの作業が多く、うつむいた姿勢を長くとっている人も、重力の影響を受けて頬がたるみやすく、ほうれい線が目立ちがちです。
中学生、高校生はもちろん、デスクワークの社会人も注意してください。
なお、片方の手で頬杖をつくことが多い人や就寝の際にどちらか決まった方の横向きで寝る人、食事の際に片側ばかりで咀嚼する人の場合、片方(片側)だけほうれい線が目立つ、ということもあります。
▼美容家・石井美保さんに聞く「マスク生活の美容法」とは
乾燥によるもの
肌の乾燥によってできる小じわが原因でほうれい線が目立つこともあります。
ほうれい線は話したり笑ったりして表情が変わると動きます。このとき肌が乾燥していると、表情の動きによってついた小じわがほうれい線となり、肌に深く刻まれてしまうのです。
冬になるとほうれい線が気になる、日によってほうれい線の深さが異なる場合は、乾燥による小じわが原因でほうれい線ができている可能性があるでしょう。
冷え由来のむくみによるもの
冷えによるむくみが原因でほうれい線ができることもあります。
むくみによって余分な水分や老廃物が皮膚に溜まってしまうと、その重さで頬が下がり、ほうれい線を目立たせるのです。
睡眠不足や暴飲暴食の後、生理前や寒い冬の朝など特にむくみやすいため、いつもよりほうれい線が気になることがあるでしょう。
急激なダイエットでの筋力低下や栄養不良によるもの
10代、20代でよくあるほうれい線の原因が、急激なダイエットによる筋力低下や栄養不良です。
極端なダイエットを行うと表情筋が衰えて頬がたるみます。
またタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が不足すると肌からハリが失われるため、ほうれい線がくっきりと刻まれやすくなります。
中学生、高校生のうちから無理なダイエットをすることがないよう気をつけましょう。
30代・40代以降でほうれい線ができる原因3つ
30代、40代になると、10代、20代でほうれい線ができる原因にくわえ、加齢による影響を受けてほうれい線がより目立ちやすくなります。
主な原因としては以下の3つが挙げられます。
- 肌のハリ不足
- 線維芽細胞の老化
- 表情筋の衰え
以下ではそれぞれの原因について解説します。
肌のハリ不足によるもの
加齢によって肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの量が減少したり質が変化したりすると、肌のハリが失われてほうれい線が目立ちやすくなります。
特に40代を過ぎるころからコラーゲンやエラスチンの量が急激に減ってしまうため、40代前後からほうれい線に悩みはじめる人が多いようです。
線維芽細胞の老化によるもの
線維芽細胞とは皮膚の真皮層に存在する細胞のことで、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを生み出します。
加齢に伴って線維芽細胞が機能低下を起こすと、真皮層が次第に薄くもろくなるため、皮膚が重力に耐えきれなくなり、頬がたるむことがあります。
特に顔まわりに脂肪が多くついていると、重さによってよりたるみが起きやすくなり、ほうれい線を目立たせる原因になるのです。
表情筋の衰えによるもの
30代、40代以降は全身の筋力が低下します。
表情筋も例外ではなく、30代前後から衰えはじめるため、次第にほうれい線が目立つようになります。
特に、口まわりの筋肉が衰えると、ほうれい線がくっきりと浮かび上がって見えるようです。
【皮膚科医監修】ほうれい線セルフチェックのやり方
ほうれい線は笑ったり、うつむいたりすると深くなるなど、顔の動きや表情に伴って常に変化しているものです。
ほうれい線の変化にいち早く気づくためには、同じ姿勢、同じ表情の時のほうれい線の状態を定期的に確認するようにしましょう。
皮膚科・内科医の友利新先生監修のほうれい線セルフチェック方法は次のとおりです。
- まっすぐ前を見て鏡をのぞく、あるいは自撮りして状態を確認する
- 笑顔などの表情をつくらず、真顔の状態でチェックする
- 頬の最も高さのある部分の位置が、顔の中で下がっていないか確認する
- ほうれい線の長さが伸びていないか、正面からだけでなく、横からもチェックする
このとき、ほうれい線自体だけでなく、頬の高さにも注目することが大切。
頬の高さが下がってたるみが生じると、ほうれい線が深くなってしまうためです。
ほうれい線の効果的な消し方8つ
ほうれい線には主に4つのタイプがあり、それぞれできる原因が異なります。
また年齢によってもほうれい線ができる原因は異なるため、ほうれい線を消すためにはまず自分のほうれい線がどんな原因によって引き起こされているのかを見極め、適切なケアを行うことが重要です。
ほうれい線の効果的な消し方としては、次の8つが挙げられます。
- 表情グセや生活習慣を見直す
- 乾燥が原因なら保湿重視のスキンケアを行う
- 頭皮のコリが原因ならブラッシングを行う
- ハリ不足が原因ならコラーゲンを増やす美容液やクリームを取り入れる
- 表情筋の衰えが原因ならエクササイズする
- むくみが原因ならフェイスマッサージを行う
- ヒアルロン酸を入れる
- メイクでほうれい線を目立たなくさせる
どれも簡単に取り組める対策方法なので、ほうれい線が気になる方は今日からぜひ実践してみてください。
表情グセや生活習慣を見直す
普段から無表情であったり、マスク下でつい口呼吸をしてしまいがちという方の場合は、こうした表情グセを治すことでほうれい線が薄くなる場合があります。
一日中デスクワークでPCを見ている、スマホを使う時間が長いという方は、モニターを高い位置に持ってきたり、液晶を眺める時間を減らすなどしてうつむき姿勢を減らしてください。
片側のほうれい線が目立つ人の場合は頬杖をつくのをやめたり、横向きで寝るのをやめたりすると良いでしょう。
食事を摂る際に片側の口でばかり咀嚼する人は、片側噛みを止めるエクササイズを行うことでほうれい線が改善する可能性があります。
片側嚙みを止める方法は、歯科衛生士・健康咀嚼指導士 石野由美子さんが指導していますので、「ほうれい線の解消にも!【片側噛み】を治す簡単もぐもぐ体操」をお試しください。
また、普段からUV対策を行う習慣がない方は、紫外線の影響を受けて頬がたるみやすくほうれい線が目立つ傾向にあります。
スキンケアに紫外線ケアアイテムを取り入れて、ほうれい線の原因となる皮膚のたるみを予防しましょう。
VOCE厳選の日焼け止めは「日焼け止めおすすめランキング」を参考にしてください。
乾燥が原因なら保湿重視のスキンケアを行う
肌の乾燥によってできる小じわが原因でほうれい線が目立つ場合は、保湿重視のスキンケアを行いましょう。
具体的には化粧水で肌にたっぷりのうるおいを与え、美容液、乳液・クリームで必要な水分を肌に留めるスキンケアがおすすめ。
さらに、保湿力の高いアイクリームやシワ改善効果を謳う医薬部外品(薬用)のクリームをほうれい線に塗るとよりほうれい線が目立ちにくくなります。
また、紫外線は肌をたるませる原因になるだけでなく、肌のバリア機能の低下を招き乾燥を悪化させる大敵でもあります。
保湿重視のスキンケアと合わせ、年中UVケアを欠かさないようにしましょう。
頭のコリが原因ならブラッシングを行う
頭の筋肉のコリが原因で顔にたるみが起き、ほうれい線を目立たせている場合は、頭皮を揉みほぐすことで改善できる場合があります。
ほうれい線解消に即効性があるとされているのが、パドルブラシのような頭皮を傷つけないブラシを使って、シャンプーをする前の頭皮を1分間ブラッシングする方法です。
やり方はとても簡単!
髪の生え際から頭頂部に向かって頭全体をブラッシングするだけ。
襟足側から頭頂部にかけてブラッシングする際は、頭を前に倒して下を見るような姿勢を取ると簡単です。
頭全体をていねいにブラッシングすることで頭のコリが揉みほぐされると血行が促され、帽状腱膜がふっくらし、頭皮を引き上げてくれます。
頭皮と顔の皮膚はつながっているため、頭皮が引き上がればたるみが薄くなり、気になるほうれい線が目立ちにくくなるのです。
ブラシを使った頭皮マッサージ方法については「毎晩1分間髪をとかすだけで、ほうれい線と決別【ビューティQ&A】」で詳しく解説しています。
ハリ不足が原因ならコラーゲンを増やすクリームや美容液を取り入れる
ハリ不足が原因で肌がたるみ、ほうれい線ができている場合は、ハリ改善効果のあるクリームや美容液をスキンケアに取り入れましょう。
レチノールやビタミンC誘導体などの成分には、真皮層のコラーゲンやエラスチンにはたらきかけ、肌内部のコラーゲンを増やす作用があります。
また、抗酸化力の高いポリフェノールや血行促進効果のあるビタミンEといった成分が含まれるクリームや美容液もたるみケアにおすすめです。
ただし、これらの成分は肌への刺激が強いため、使い始めは少量ずつ試すようにしましょう。
表情筋の衰えが原因ならエクササイズする
表情筋が衰えることによってできたほうれい線は、エクササイズをすることで解消できる場合があります。
ただし、すでに弾力を失っているコラーゲンは無理に強く引っ張ったり、動かしたりすることでダメージを受けてほうれい線を深くしてしまうことがあるため、エクササイズを行う際は、顔に直接触れないことに注意しましょう。
以下のペットボトルを使ったエクササイズなら、顔に触れずほうれい線をケアすることが出来ます。
【口もとの筋肉を鍛えるエクササイズのやり方】
- 500mlのペットボトルのフタを取り、少量の水を入れる
- 唇でペットボトルをくわえて持ち上げる(※歯は使わない)
- そのまま10秒間保つ
- 1〜3まで3回繰り返す
エクササイズに慣れてきたら、少しずつ水の量を増やしてもOKです。どこかに痛みを感じる場合には、直ちに中止しましょう。
手元にペットボトルがないときは、道具のいらない顔ヨガを行うこともおすすめです。
▼おうちで誰でも簡単にできるほうれい線ケアはこちら
また、美顔器を活用したエクササイズもほうれい線改善に効果的。
EMS(低周波)で表情筋にアプローチしたり、ラジオ波(RF)で肌内部を刺激し、ハリを支える物質の生成を促すなど、リフトアップをサポートする機器を選んでください。
リフトアップをサポートする美顔器の売れ筋からVOCEがおすすめするアイテムは「【プロが効果を感じた美顔器】たるみに即効性あり?売れてる美顔器7品はコレ!【美容家電べスコス】」でチェックしてみましょう。
むくみが原因ならフェイスマッサージを行う
顔に脂肪がたまると老廃物が滞ってむくみやすくなり、たるみが悪化してほうれい線を目立たせます。
むくみが原因のほうれい線を解消するためには、スキンケアの際にリンパの流れを良くするマッサージを加えて血行を促すことがおすすめです。
マッサージを行う際は、肌の奥までしっかり圧をかける必要はありません。
前述の通り、強い刺激はかえってほうれい線を悪化させる可能性があるためです。
リンパマッサージをする際は化粧水で角層をやわらかくし、マッサージクリームなどですべりの良い状態に肌を整えた後、肌をなでるようにやさしく行ってください。
【顔のリンパの流れを良くするマッサージのやり方】
- フェイスライン:3本の指の腹で、口角から耳の下に向かって小さな円を描くように引き上げ、耳の前のくぼみを軽く押す
- 額:3本の指の腹で、眉間からこめかみに向かって小さな円を描くようにマッサージする
- 目もと:3本の指の腹で、下まぶたの目尻から目頭へ、上まぶたの目頭から目尻へと円を描くようにやさしくすべらせる
- 頬:手のひら全体を頬に当て、下から上に少し圧をかけるようにして引き上げる
- 首:下から上になで上げた後、耳下から鎖骨へリンパ液を流す
ほうれい線ケアにおすすめのフェイスマッサージは「ほうれい線、頰のたるみに即効!【小林ひろ美】の最強マッサージ術」も参考にしてください。
ヒアルロン酸を入れる
深く刻まれたほうれい線を改善するには、クリニックでのヒアルロン酸注入がおすすめです。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入は医師の技術やセンスによって、仕上がりに大きな差が出る治療であるため、医師選びを慎重に行うことが大切です。
美容皮膚科医であるタカミクリニック院長の高見先生によれば、多くのクリニックで行われているヒアルロン酸注入はほうれい線を消すという作業に終始してしまうケースがほとんどで、実際に治療を受けた方からは「ほうれい線自体は薄くなったけれども、なんだか若く見えない」という残念な声が多く聞かれるとのこと。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入で若返りを目指すのであれば、ほうれい線を消すのと同時にボリュームが落ちてしまった頬や口もとなどの皮膚を「面」で持ち上げて、ふっくらさせながら線を消す、という高度なテクニックが求められます。
メイクでほうれい線を目立たなくさせる
誤ったメイク方法が原因でほうれい線を目立たせてしまっている場合があります。
ほうれい線をカバーしようと単純にベースメイクを重ねてしまうと、ほうれい線のくぼみ部分でムラになり、かえって線が強調されてしまうのです。
ヘア&メイクアップ アーティストのpaku☆chanさんによれば、「ほうれい線をメイクでなくすことはできないので、ほかのパーツとのバランスでカムフラージュするのがおすすめ」とのこと。
【明るい目元に視線を集めてほうれい線をカバー】
ヘア&メイクアップ アーティスト paku☆chanさん
ポイントは目元を明るくして視線を上に集め、ほうれい線から視線をそらすこと。全身を鏡に映したり引きで見ると、ほうれい線が目立たないのに気づくはず。ファンデがヨレるのは、塗りすぎも原因だから、マイナスする意識を。塗ったあとに、スポンジで余分な量をオフして密着させる、15秒のひと手間が重要です。
詳しいメイクの手順は「paku☆chan発!【ほうれい線】を目くらましするメイクテク、教えます!!」で詳しく解説しています。
ほうれい線を上手にカバーするプロのメイク方法は以下の動画も参考にしてください。
▼ヘアメイク・長井かおりさんに学ぶ「潤いほうれい線ベースメイク」とは
ほうれい線対策に関するよくあるQ&A
ここではほうれい線対策に関するよくある質問に答えます。
- Q:ほうれい線ができやすい人の特徴は? A:紫外線対策をしていない、普段からあまり笑わないなど様々
- Q:ほうれい線がない人の特徴は? A:日頃から紫外線ケアをしている、歯並びが良いなど
- Q:ほうれい線と頭のコリは関係ある? A:ある! ブラッシングで解決可能
- Q:ほうれい線が片方(片側)にだけできる原因は? A:食事の際に片側ばかりで咀嚼をしていたり、いつも決まった方向で寝ているなどの生活習慣
- Q:ほうれい線を消すのに一番効果的な方法は? A:一概に言えないが、ヒアルロン酸注入は即効性がある
- Q:ためしてガッテンで紹介されたほうれい線を消す方法って? A:顔に触れないリンパマッサージ
詳しくは以下をご確認ください。
ほうれい線ができやすい人の特徴は?
ほうれい線は加齢とともに目立ちやすいものですが、以下の特徴に当てはまる方は中学生、高校生といった若いうちからほうれい線ができやすいとされています。
- 日頃から紫外線対策、保湿ケアを怠っている
- 無理なダイエットや暴飲暴食をしている
- 生まれつき頬や小鼻まわりの骨が華奢
- 頬骨の出っ張りがなだらかで頬が平坦
- 食事の際に硬いものを避ける、あまり噛まない、片方だけで咀嚼する
- 八重歯が出ているなど歯並びが悪い
- 普段からあまり笑わない、無表情でいる時間が長い
- スマホやPCでの作業が多くうつむきがち
- 片方の手で頬杖をつく癖がある
- 就寝時どちらか決まった方の横向きで寝る
- むくみやすい
いずれかの特徴に当てはまっている場合は年齢に関わらず、早めにほうれい線対策をスタートしましょう。
ほうれい線がない人の特徴は?
ほうれい線がない人の特徴としては次の点が挙げられます。
- 日頃から紫外線対策、保湿ケアを徹底している
- 頭皮や顔の筋肉にコリがない
- たるみがない
- あごが太め
- 噛み癖がない
- 歯並びが良好
- 笑顔が多く表情筋をよく使う
- 猫背やストレートネックでない
- 頬杖をつかない
- 寝るときは仰向けの姿勢が多い
- むくみにくい
上記に当てはまる方はほうれい線ができにくいとされています。
【皮膚科医監修】ほうれい線が赤い! ニキビ・吹き出物ができる原因は?
皮膚科・内科医の友利新先生によると、ほうれい線が赤くなったりニキビ・吹き出物ができたりする原因は、ほうれい線の周辺がその他の部位に比べて刺激に弱く、炎症が起きやすいため。
友利新先生
ほうれい線の内側部分、つまり小鼻脇から口まわりにかけての肌は他の部分と比べて薄く、皮脂分泌が少なく乾燥しやすいため、刺激に弱いです。
また、ホルモンの影響を受けやすく、ちょっとした刺激で炎症による赤みやニキビなどが起きやすいといえるでしょう。
こうしたほうれい線の周辺のトラブルを避けるためには、刺激を抑えながらやさしく皮脂などの汚れを落とすことが大切です。
洗顔料をしっかりと泡立てて、肌の上でゴシゴシと摩擦しないように洗浄し、適切な保湿ケアを行いましょう。
ほうれい線と頭のコリは関係ある?
頭の筋肉のコリは顔にたるみを引き起こし、ほうれい線をつくる一因です。
この場合は頭皮を揉みほぐすことでほうれい線を薄くできる可能性があります。
おすすめのケアは、当記事でも紹介したパドルブラシを用いてシャンプー前の頭皮を1分間ブラッシングする方法です。
髪の生え際から頭頂部に向かって頭全体をブラッシングするだけの簡単ケアなので、パドルブラシをお持ちの方は試してみると良いでしょう。
そのほか、パーソナルトレーナー・星野由香さんがレクチャーするほうれい線が薄くなるエクササイズ「頭横ほぐピラ」もおすすめです。
具体的なやり方は「星野由香さん発!むくみ・たるみ・疲れ目に効く【頭ほぐピラ】」を参考にしてください。
ほうれい線が片方(片側)にだけできる原因は?
片方の手で頬杖をつくことが多かったり就寝の際にどちらか決まった方の横向きで寝ていたり、食事の際に片側ばかりで咀嚼していたりする場合、片方(片側)にだけほうれい線ができるとされています。
片側嚙みを止める方法は「ほうれい線の解消にも!【片側噛み】を治す「簡単もぐもぐ体操」」で詳しく解説しています。
【皮膚科医監修】ほうれい線を消すのに一番効果的な方法は?
ほうれい線を消すのに一番効果的とされる方法は一概に言えませんが、クリニックでのヒアルロン酸注入ならその場でほうれい線が薄くなるため、満足度が高いかもしれません。
皮膚科・内科医の友利新先生によれば、クリニックでおこなえるほうれい線治療としては、主に次の3つが挙げられます。
- 高周波や超音波でたるみの原因となる脂肪をサイズダウンし、引き上げる方法
- ショートスレッドやショッピングリフトでコラーゲン生成を促したり、糸リフトで頬を物理的に引き上げる方法
- ほうれい線の溝部分にヒアルロン酸を注入して溝を埋める方法
自身のほうれい線の現状とめざす状態を考慮して、適切な方法を選択しましょう。
ためしてガッテンで紹介されたほうれい線を消す方法って?
過去に『ためしてガッテン』(NHK)では「顔に触れないリンパマッサージ」によってほうれい線を薄くする方法が紹介されていたようです。
なぜ顔に触れてはいけないのかと言うと、すでに弾力を失っているコラーゲンは無理に強く引っ張ったり、動かしたりすることでダメージを受け、ほうれい線を深くしてしまうことがあるため。
当記事では顔に触れないほうれい線ケアマッサージ&エクササイズの方法を「表情筋の衰えが原因ならエクササイズする」の章で紹介しています。
そのほか、VOCEでは次のようなケア方法も提案しているので、あわせて参考にしてください。
【ほうれい線に効く早口言葉】
「だぞざどどざぞだ」はすべての言葉が口の空洞を大きくつくった状態で発声するため、表情筋が鍛えられ、ほうれい線にアプローチできる早口言葉です。
また、濁音を発するときには舌先をよく動かすので、舌先を鍛えられる効果も。やり方は以下の通りです。
- 鏡を見て確認しながら笑顔で音読する:顔の筋肉を左右均等に動かせているかを確認しながら、舌と表情筋をバランスよく鍛えよう
- 早口で3回くり返す:1回目はスムーズに言えても、2回目、3回目は舌がもつれることも。できるだけ早口で3回同じ言葉をくり返すことで、より舌を鍛えることができる
- 慣れてきたらどんどんスピードUP:はじめはゆっくりでも舌がもつれてしまうかも。早口言葉に慣れてきたら、徐々にスピードUPして、もっと舌や口まわりの筋肉を刺激しよう。
ほうれい線をケアする早口言葉は、メイク前とメイク落とし後の一日2回を目安に行うのがおすすめです。
【ほうれい線&頬のたるみケアにおすすめ「口輪筋ほぐし」】
口を閉じて、まず片方の頰を膨らませ、口の下側→反対の頰→口の上側の順に空気を3周させたら、一旦、口をキューッとすぼめます。
次に舌を歯茎にそってぐるぐると3周回せば、口まわりがスッキリするはず。
輪筋ほぐしの詳しいやり方は次の記事を参考にしてください。
▶フェイササイズでさらにすっきり! ほうれい線、頰のたるみに即効!【小林ひろ美】の最強マッサージ術【「影」を消せば透明感が爆上がり!】
まとめ
ほうれい線には主に4つのタイプがあり、それぞれできる原因が異なります。加齢とともにできやすいイメージがありますが、骨格や生活習慣によっては10代、20代といった若いうちから目立つこともあります。
ほうれい線を消すには、自身のほうれい線がどんな原因によって出来ているのかを見極め、適切な対処を行うことが大切です。
友利新先生
例えば、20代と若いのであれば丁寧なUVケアと保湿ケアを継続し、肌を支えるコラーゲンを弱らせないことが何よりの効果をもたらします。
良質な睡眠やバランスの取れた食生活など、日常生活を見直すことも重要です。
30代後半を過ぎて、スキンケアのみでは対応が難しくなったほうれい線では、クリニックケアを選択肢にいれるとよいでしょう。
取材・文/VOCE編集部・岡田幸子
Edited by VOCE編集部
公開日: