4月30日に宝塚歌劇団を退団した元月組娘役の蘭世惠翔さん。卒業をきっかけに本名の“君島憂樹”に名前を戻して、女優・タレント活動を。皆さんご存知の通り、憂樹さんのお母様はVOCEでも大人気の美容家であり、FTCクリエイティブディレクターとして活躍を続ける君島十和子さんです。発売となったばかりの『アラ還十和子』も大好評!
十和子さんは宝塚歌劇団の大ファン。その影響もあって、憂樹さんは小さい頃から宝塚歌劇の生の舞台を観て育ってきたそう。今回のスペシャル対談では、在団中はなかなか語れなかった宝塚歌劇団のことを、十和子さんからは母親目線で、そして憂樹さんからは娘目線で語っていただきました! 笑い声が響き渡る中お二人でポーズを取ってもらった、素敵な親娘フォトもご覧ください!
娘が仕事をする姿を観られて、幸せ
VOCE編集部
まずはご卒業おめでとうございました。憂樹さんには先日のインタビューでも在団中、そして退団時の想いについて語っていただきました。十和子さん、娘さんを見守ってこられた10年間はいかがでしたか?
君島十和子さん(以下、十和子さん)
普段、子どもが就職して仕事をする姿はなかなか見ることができないじゃないですか。それが、宝塚歌劇団に入ってくれたことで、仕事をする姿、頑張っている姿を近くで見せてもらえる……。本当に幸せなことだとずっと思っていました。
VOCE編集部
十和子さんは宝塚ファンとして有名だと思いますが、憂樹さんが宝塚を目指したきっかけはやはり十和子さんの影響ですか?
君島憂樹さん(以下、憂樹さん)
初めて宝塚を観たのはまだ幼稚園児くらいだった記憶があります。そこからずっと観ていたのですが、2作目に観た星組の『王家に捧ぐ歌』の初演が思い出深く、幼稚園に行く車の中で劇中の歌を全部歌うくらいにハマっていました(笑) 小さかったので話自体はよく理解していませんでしたが……。
VOCE編集部
その頃からもう宝塚に入りたいと?
憂樹さん
はい。当時はまだ宝塚に入れるということを知らなかったと思いますが、小学生に上がるくらいのときにはすでに入れると分かって、「入りたい!」と意識していました。
十和子さん
幼稚園の卒園アルバムとかにそう書いていたんじゃないかな。
憂樹さん
そうだったかも。そこからは宝塚以外に夢がなかったので、もう一筋でした。
VOCE編集部
十和子さんからの英才教育でしたね!
十和子さん
幼稚園の頃から本人が宣言していたので、親の応援の仕方としてはとてもシンプルでした。試験に向けてのレッスンも習っていましたが、もちろん簡単に入れるとは思っていなかったです。でも、とにかく宝塚歌劇団が「好きだ!」という気持ちが強くて(笑)。
VOCE編集部
具体的なエピソードはありますか?
十和子さん
学校から帰ってくると「今日も一日楽しかった!」と言うんです。何が楽しかったのかと思ったら、一日中頭の中で宝塚の公演が鳴り響いていたと(笑) 「ちょっと待って。学校の授業は?」と言ってノートを見せてもらうと、びっしりと上級生のお名前が書いてあって。
憂樹さん
漢字の勉強は、間違いなく芸名を書くことで覚えていました(笑)。
十和子さん
まだ覚えるはずのない“夢”なんて画数の多い漢字を覚えちゃうんです。でも共通の話題があったのですごく楽しめましたし、劇場へ行くことで「さらに頑張ろう」「ちゃんとやろう」というきっかけになっていたと思います。途中からは夫も参戦してくれましたから。
憂樹さん
父は40歳の誕生日をきっかけに「何か新しいことをスタートしたい」というので2005年の月組公演の『エリザベート -愛と死の輪舞-』を一緒に観に行ったのですが、そこですっかりハマっちゃって。そこからは妹も含めて四人で観るようになりました。
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16歳で寮生活がスタートして……