スキンケアか美容医療か、どちらに頼るか悩み中
40代代表・VOCE編集部
中田優子 (45)
不惑も過ぎたが、押し寄せる目元悩みの数々に、絶賛惑い中。まぶたの下垂など、そろそろ美容医療の門を叩くべきか迷う日々。
教えてくれたのは……
皮膚科・内科医
友利 新先生
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悩みが一気に押し寄せる40代は徹底ケアで巻き返しを!
深いシワは目尻や眉間のみならず。目頭にも出現して主張する(涙)
中田
話し出すと長くなりますが、いいですか? 今、20代、30代のお悩みを聞いてきましたが、乾燥、クマ、色素沈着、シワ、たるみ全部です。
友利先生
私も中田さんと同じ40代ですが、やっぱり悩みが一気に押し寄せてきますよね。
中田
びっくりしてます(涙)。個人的には目尻のシワは笑いジワとして折り合いをつけているのでいいんですけど、本当に怖いのは目尻じゃない。若い二人は、わかるかしら?
八木さん
えっ、どこですか?
並原
わぁ〜、なんだかリアルに怖くなってきた。
中田
目頭から鼻根に向かって入る横線です。
友利先生
はいはい、それはバニーラインといいます。
並原
バニーって、うさぎですよね? 名前はすっごく可愛いです。
友利先生
笑ったときなど表情によって入るシワのひとつですが、今、アリサさん、つくろうとしてますけど、出ないですよね。それは薄いとはいえ、まだ皮膚に厚みがあるから。表情をつくるための筋肉が発達していると出ないのですが、鼻や目頭まわりの皮膚が老化で薄くなってくると、その筋肉によって引っ張られることで出てくるんです。
■これが“バニーライン”
友利先生
笑ったり、怒ったときに目頭から鼻にかけて出る横方向のシワ。皮膚の薄さが関係し、加齢によって深刻化。定着すると老け感や怪訝な印象に繋がります。
中田
皮膚が薄くなっているんですね……。
友利先生
バニーラインが、笑っているときに出るのはいいのですが、定着させないようにしたいですよね。あいにくボトックスを打ちにくい場所でもあるので、保湿して、皮膚の厚みと潤いをキープするセルフケアがマスト。しかも鼻根にもしっかり塗ることが大事。つい角栓のイメージから鼻はオフするケアに注力しがちだけど、鼻根は別。両目をぐるっと囲んで鼻根で交差するように、数字の8を横向きに描きながら塗るのが正解です。
中田
先生、それもっと早く知りたかった〜。
八木さん
私は今、知ることができてよかったです!
額を動かして目を見開く人は注意。上まぶたがたるんでくる
中田
先生、もうひとつが、上まぶたのたるみ。
友利先生
目を大きく見開くとき、本当は目の奥の筋肉で引き上げるのですが、中田さんは額を上げる筋肉で目を開けていて、そういう人は、上まぶたのたるみ、眼瞼下垂が起きやすい。中田さん、目を見開いてみてもらえますか?
中田
額を動かさずにできてます?
並原
めっちゃ動いてます。
友利先生
クセの場合も、もともと目を開ける筋肉が弱い場合もある。そういう人は眼瞼下垂になりやすく、ハリを与えるアイケアを使いながら、一度クリニックで相談するのをオススメします。
■アレ? 眼瞼下垂ぎみ? そんなときのチェック方法
友利先生
額に手を当てて垂直に圧をかけて押さえた状態で目を見開こうとしたときに、開けづらかったり、額が動いたら正しい筋肉を使えておらず、眼瞼下垂になりやすいと心得て。
中田
アリサさんや並原は、黒目が丸々してるのに、確かに私の黒目は全部見えてない(涙)。
友利先生
それがだんだんひどくなっていくと、今度は正面から相手を見にくくなるため、あごにぐっと力を入れて上げるようになる。そうするとあご、首、肩がこるなどの症状に繋がってきます。
中田
先生、恐ろしいほど当てはまります。証明写真を撮るとき、あごを下げてくださいと言われたし、首、肩も常に張ってる。先生、これって、クリニックで眼瞼下垂の手術をするとなった場合、保険は適用されますか?
友利先生
視野障害があるかどうかで、あまりにも見づらくて頻繁に転ぶなどのレベルだと、疾患とみなされて、保険治療になりますけど、現段階だと美容的な要素が強いので保険の適用外、自費です。
中田
なるほど〜。自費なんですね……。
友利先生
100%やらなくてはいけないわけではないけど、そういうことが潜んでいることを知っておくことが大事。お二人も、将来起こりうるということを知っておくだけでも違います。
八木さん
額を手で押さえて固定した状態で、目を開けるようなトレーニングをするのはありですか?
友利先生
はい、トレーニングになります。
中田
それも、せめて10年前に知りたかった〜。
■下垂や視界不良を感じたらクリニックへ
友利先生
眼瞼下垂で視界が狭まることで、あごの食いしばりや、首、肩のコリなど日常生活に支障が出てくる可能性あり。なので、見づらいと感じたら、一度、クリニックに相談を。自分の状態を把握することが、何よりも大切です。
脂肪がなだれ落ちて現れる目の下のぷっくり目袋問題
友利先生
中田さんは特に気にならないのですが、40代になると目の下がぷっくりと出る目袋問題に悩む方も多いんです。
中田
私のまわりにも悩んでいる人、大勢います。
友利先生
ちょっとガイコツを思い出してほしいんですけど、目のまわりって骨がなくて空洞ですよね。そこに眼球は浮かんでいて、脂肪がクッションのように包み込んでいるんです。で、その脂肪を目まわりの筋肉や皮膚で押さえている状態。ところがゴシゴシこすったり、加齢の影響で目の下の皮膚のハリがなくなってゆるんでくると、脂肪を支えられなくなって、上部の脂肪が目の下に落ちてきてぷっくりと中から押してくるんです。
中田
ええっ、脂肪が落ちて飛び出てきてるってこと?
友利先生
下まぶたを指で押すと、プクッて膨らむのは落ちている証拠。
並原
なんかその感覚、もうわかる気がする(涙)。
友利先生
つまり、下まぶたの皮膚は、脂肪を抑え込んでいるストッパー。ハリを持たせるケアが大事だし、肌がのびるとスペースができてしまうので、こすらないことも徹底してほしい。また、塗るときは、きちんとまぶたの上にも下にもなじませたいので、8の字塗りが◎。
並原
表面のことしか考えてませんでしたが、中でもそういうことが起こっているんですね。
友利先生
一度、のびた皮膚を戻すのは不可能に近いので、予防を怠らないでしましょうね!
いつからでも軌道修正は可能。セルフケアに勝る対処法はなし!
八木さん
27歳の今、こんなに貴重なお話やケアのポイントを聞けてラッキーでした。もう、全部やっていきたいと思っています。
並原
本当に今が分かれ道なんだなぁ、と痛感。私も、今日から頑張ります。
中田
そうだよね、今日が私にとって、一番若い日。ここから軌道修正していきます。
友利先生
そうです、人生100年時代。これからが大事で、基本はセルフでのスキンケア。美容医療ももちろん進化してますが、コスメの進化も目覚ましいのは、皮膚科医的にみても紛れもない事実。よく「美容医療をするから、日々のケアは適当でいいですよね?」というような質問をいただきますが、特に目まわりの美容医療にはできることの限界があるし、皮膚の厚みキープや乾燥感は日頃のケアでこそできること。そういった根本を整えたうえでスペシャルケアとして美容医療があるんです。
並原
セルフケアで整えておかないと、せっかくの美容医療が効かないんですね。
友利先生
持続力にもかかわります。とにかく美容医療をする、しないにかかわらずセルフケアはマストであり、自分がどれに当てはまるか考えてケアすれば未来は明るい。一緒に頑張っていきましょう。
40代の処方箋
【処方1】アイケアは8の字塗りでバニーライン対策を
友利先生
つい目尻のシワや目の下などに塗りがちだが、年々、悩みが出る位置は広範囲にわたり、目まわりを網羅する必要あり。数字の8を描くように塗るとケア漏れを防げます。
【処方2】まぶたをこれ以上下げないエイジング成分でケアを
友利先生
肌表面から奥深くまで老化するのはもちろん、筋肉や血管の老化、酸化やブルーライトの影響など目元の老化を進める要因は多数。それらに対応する最先端ケアをぜひ。
撮影/榊原裕一(人物)、高橋一輝(静物) ヘアメイク/榛沢麻衣(友利先生) スタイリスト/川﨑加織 イラスト/チバアヤカ 取材・文/楢﨑裕美 構成/大木光
Edited by 大木 光
公開日:
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