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残念な調理法とは?
AGEを発生させる「焼きすぎ」「焦げすぎ」
先ほどもお伝えしたように、タンパク質は「こんがり焼く」とAGEという老化原因物質を発生させてしまいます。ホルモンはしっかり火を通すことも大切ですが、黒焦げになるほど焼きすぎるのは避けた方がいいでしょう。厚生労働省の指導では、衛生面を考慮した牛肉の加熱方法は、「75度で1分間以上」とされています。片面をしっかり焼き、ひっくり返したらさっと焼く、くらいのイメージがちょうどいいかもしれません。もちろん、七輪など火の温度にムラがある場合は、きちんと火が通っているか目視でも確認するようにしましょう。
「煮込む」のはどう?
焼き肉とは少し異なりますが、例えばコラーゲンを多く含む牛テール(尾)や牛スジ(引きスジ)などは、「煮込む」ことでコラーゲンを吸収しやすくなるというメリットがあります。コラーゲンは実は分子が大きいため、そのままでは小腸でなかなか吸収できません。じっくり加熱することでコラーゲンの分子が切れて、体内に吸収されやすくなるので、スープや煮込みメニューを頼むのがおすすめですよ。
ホルモン以外に、豚・鶏でおすすめのホルモンは?
今回は「牛ホルモン」を中心にご紹介しましたが、その他のホルモンでは「豚レバー」は鉄分やビタミンEが他のホルモンに比べても圧倒的に豊富なので、マラソン選手もよく食べるホルモンの一つ。貧血気味の女性にもおすすめです。また、焼き鳥屋さんでも定番の「軟骨」「砂肝」はコラーゲン量が高いので、女性には嬉しい部位と言えるでしょう。
ちなみに、私はアスリートの栄養指導も行っているのですが、膝が痛んだり、関節が痛んだりすると、「痛んでいる場所と同じ部位をいただきましょう」と伝えています。例えば、関節だったら軟骨や手羽先、疲れを取りたいなら鶏の胸肉やささみ、靭帯を痛めた場合は牛すじ、といった具合です。同じ部位の栄養素は、その部位を作ってくれやすいからです。
美容面はもちろん、健やかに動ける体を維持するためにも、ホルモンのパワーを上手に摂り入れてみてくださいね。
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取材・文/金澤英恵
Edited by VOCE編集部
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