優秀な成分を肌に効かせるための【処方技術】
効くも効かぬも処方次第です!
皮膚科医
友利 新先生
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「何の成分を選ぶかはもちろん大事だけど、きちんと効果を得るには、肌に浸透させることが重要! メイン成分が能力を存分に発揮できるかどうかは、浸透技術などの処方によって大きく変わってくるんです。人はひとりでは生きていけないように、成分もひとつだけでは輝けない。支え合って活躍するんです」
【リポソーム技術】
油性の肌に水性の成分を浸透させる!
医薬品のドラッグデリバリーシステムを応用することで、成分の浸透量や届く場所をコントロール。
リポソームって何?
主に生体組成成分のリン脂質でできたカプセル。中に薬剤などを入れて運ぶキャリアとしての働きが一般的。
◆単層リポソーム by 富士フイルム
膜が一重のため、大量に水溶性成分を抱え込むことができ、膜が角層に触れて壊れるスピードを調整し、狙ったターゲットに的確に届ける。
<相性のいい成分>
ビタミンB6やカフェインなど水溶性成分
\ココがすごい!/
ピンポイントで届けて、ガツンと効かせる
膜が角層になじむスピードが速ければ素早く真皮まで到達し、ゆっくりなら表皮にジワジワ、と狙う部分に合わせて浸透速度を調整。
◆多重層リポソーム by コスメデコルテ
玉ねぎのように膜が何層にもなっていて、一膜ずつ順に溶けるように、抱え込んだ美容成分を放出していくため、長時間の効果が期待できる。
<相性のいい成分>
さまざまな成分に使用可能
\ココがすごい!/
少しずつ剝がれて角層に広く届き、長くとどまる
美容成分をジワジワ時間をかけて角層のすみずみまで行き渡らせ、さらにカプセル自体が肌の一部に。コーセーは、リポソームの膜を強化し、リポソーム自体の高濃度配合を実現。
【成分のサイズ縮小技術】
サイズを小さくして角層バリアをすり抜ける!
そのままでは安定&高濃度配合が難しい、肌に浸透しないなどの問題点をサイズ調整でクリア。
◆体積コントロール技術 by 資生堂
イオンが反発する力で大きな分子になっているため浸透しにくいヒアルロン酸を、反発力を小さくして収縮させ、角層に浸透後、肌の中で元の形に戻し、本来の保水能を復活させる新技術。
<相性のいい成分>
ヒアルロン酸
【STEP 1】縮小
ヒアルロン酸にMgイオンを添加することで体積が収縮。角層への浸透性が劇的にアップ。
【STEP 2】拡大
後追いで入れたキレート剤がMgイオンと結合してヒアルロン酸から分離することでヒアルロン酸が再膨潤し、本来の機能が復活。
\ココがすごい!/
そのまま小さくして浸透させ、肌の中で本来の姿に戻す!
収縮して浸透させてから、再度膨らませることで、ヒアルロン酸本来の機能が100%発揮されるため、今まで以上の保水&ハリ効果が!
◆ナノテクノロジー by 富士フイルム
成分を細かく分解して角層の隙間に浸透させる技術で、油溶性成分を水溶性のコスメに配合するときに用いられることが多い。富士フイルムでは成分を極小化し、安定&高濃度配合を実現。
<相性のいい成分>
アスタキサンチン、ビタミンAなど油溶性の成分
\ココがすごい!/
たっぷり配合した成分を効率よく届けて効かす!
富士フイルムは写真技術を応用し、小さくして浸透しやすくしたうえ、安定配合を叶え、狙った場所に届けて適切な働きを発揮させる。
富士フイルム 宇田 謙さん
ナノ化技術に乳化や膜で包む技術を組み合わせるなどして、より効かせる工夫もしてます。
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