教えてくれたのは…
松倉クリニック代官山 大竹ラボ
大竹尚之先生
VOCE本誌でもおなじみの松倉クリニック代官山に併設されている美容外科手術を専門とするクリニック『大竹ラボ』の院長。北里大学に19年勤務したのち、横浜南共済病院整形外科・美容外科の部長に就任。その後、2004年に開設された聖路加国際病院の形成外科・美容外科の初代部長に就任。美容界の有名なドクターから「神の手を持つ美容外科医」として崇められる存在。時間をかけ、患者さんの気持ちに寄り添うカウンセリングと安全性の高い手術が好評。松倉クリニック代官山 大竹ラボ
美容整形の心得 絶対におすすめできないクリニック
NGポイント1:担当医がカウンセリングをしない
「カウンセリングは医者がやるべき治療の一つ」
松倉クリニック代官山 大竹ラボ・大竹尚之先生
美容外科で手術をする前には、カウンセリングがあります。その担当者が執刀医ではなく、カウンセラーなどが手術内容を決め、医師と患者はオペ室で「はじめまして」となるケースがよくあるというから、驚くばかりです。他の人が決めた手術内容をこなすだけの医師は、言われたことをやればいいという考えなのでしょう。医師を選ぶときに、その程度の医師でよいのか、きちんと考えるべきです。
手術前のカウンセリングは、ただの相談ではありません。診察を行い、どういった治療の可能性があるかを説明し、リスクもきちんとお伝えした上で、患者さんの合意を得るための非常に重要な時間です。
NGポイント2:ほかのクリニックに行かせたがらない
「『今日決めれば安く……』なんていうのは、その時点でやめるべき」
松倉クリニック代官山 大竹ラボ・大竹尚之先生
カウンセリング当日に即決するよう促し、ほかのクリニックに行かせないようにしたり、「今日すぐに決めれば、安くなる」などと言ったりするのは、わかりやすいクローズド行為。自信があれば、そんなことをする必要はありません。即決を求められた時点で、そのクリニックを候補から外してよいのではないでしょうか。
NGポイント3:ひとつの治療に、料金のバリエーションがある
「安い治療と高い治療があるのは、最善の治療を提案していない証拠」
松倉クリニック代官山 大竹ラボ・大竹尚之先生
例えば、二重にする埋没に使う糸の話。「太くて仕上がりのよくないものと、細くていい仕上がりの高い糸があるけれど、どうしますか?」と聞かれるケースがあるそうです。そのように最善ではない例を提案していること自体に疑問を感じますし、医療行為の判断を素人である患者さんにゆだねるというのもおかしいことです。
NGポイント4:望んでもいない治療を上乗せしようとする
「必要のない治療を提案するのは、売り上げを優先するクリニックの可能性大」
松倉クリニック代官山 大竹ラボ・大竹尚之先生
「美容整形」といわれる美容外科の手術は、病気を治す治療とは違い、やらなくてもどうこうなることはありません。それなのに、患者さん自身が望まれていない治療を提案するというのは、売り上げアップ目的なのではないかと私なら疑ってしまいます。
NGポイント5:手術に伴うリスクの説明をしない!
「リスクのない手術はない。リスクを説明しないのは医者としてありえない」
松倉クリニック代官山 大竹ラボ・大竹尚之先生
医者には、最悪の事態に起こりうるリスクを患者さんに説明する責任があります。どんな単純な手術であってもリスクはあります。広告などで、手術について「リスクなし!」と謳っているところは、まともなところではないと思っていいでしょう。それと同様に、「失敗しない」と断言する医師もダメ。美容外科の手術は、人の手作業で行うものだから失敗はかならずありえます。それを「失敗しない」と言っている時点で信憑性が薄いということです。
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いいクリニック、医師と出会うためには?
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