ご本人の記憶が正しければ陶芸に挑戦するのは生まれて初めて。食器に関してもこだわって買い物をしたことがないという圭さん。店頭に並ぶ作品に触れ、ろくろと向き合ううちに陶器の魅力に引き込まれていく様子は必見。
この器で卵かけごはんを食べる日が待ちきれません
陶器をつくる工程はなんとなく知っていたものの、いざろくろを回してみるとあまりにも難しくて「職人さんてすごいんだな……」と改めて実感した一日でした。力加減が本当に微妙で、少しでも力を入れすぎると“ぐわん”て形が崩れちゃうんですよ。いつもこの連載の撮影のときは楽しくて、体験しながら感じたことがどんどん口から出てくるのですが、今回は真剣勝負すぎて、ずっと無言。先生に助けていただきながら、なんとかこのちょっと大きめのお茶碗を完成させることができました。
さて、今日なぜちょっと大きめのお茶碗を作ろうと思ったのかというと、大は小を兼ねるからというのがまずひとつ(笑)。たくさん食べたいときも食事をコントロールしてるときも便利ですよね。そして真の目的はこのお茶碗でおいしい卵かけごはんを食べることです! 今、卵かけごはんにハマってるんですよ。ちょっと前、スーパーに行ったとき「卵を買おう」と思って。オレンジ色の卵を買ってみたんです。で、家に帰って早速卵かけごはんにしたら、すごい濃厚で「何これ、うまっ!」って感動して。あの卵かけごはんを自分が作ったこの器で食したらいっそうおいしくなりそうじゃないですか? ちなみに、卵かけごはんを食べるときの僕なりのこだわりは、麺つゆをちょろっと垂らすこと。ほんのり甘みが出て最高なんだよね。あの恍惚となる味を思い出すだけで、2ヵ月後のお茶碗の焼き上がりが待ち遠しくてたまりません。そうそう、お茶碗を焼いてもらうときに着色する色を選べたので、“なまこ”という名前のネイビーにしました。卵のイエローとのコントラストがキレイそうで、ビジュアル面でも卵かけごはんに再会するのが楽しみです。
「この蕎麦猪口すごくキレイ。用途もいろいろありそうでいいな」
「このお皿はサンマ専用……? 細部もこだわっていてアート」
「何を作ろうか迷うな……自分専用のお茶碗にします」
「気持ちのブレで手もブレる。全集中で向き合います」
「大きめのお茶碗、できました。糸でろくろから切り取ります」
「大きめサイズでいいよね! 焼き上がりが待ち遠しい」
【PROFILE】
たなか・けい 1984年7月10日生まれ。東京都出身。俳優として映画、ドラマなどで話題作に次々と出演するほか、バラエティ番組でも活躍。毎週火曜21:00から放送中の連続テレビドラマ『unknown』(テレビ朝日系)に出演中。夏には映画『Gメン』(全国東映系)の公開も控えている。
【INFORMATION】
今回行ったのは……
at Kiln
器のセレクトショップと体験・会員コースから選べる陶芸教室を併設。個展も随時開催。
住所:東京都港区南青山6-6-22
電話:03・5778・3196
撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE) ヘアメイク/SHIGE スタイリング/伊里瑞稀 取材・文/石橋里奈
Edited by 松本 薫
公開日: