4月号の「ギュテの神業メイク」ではその驚愕テクを余すとこなく披露!
目の大きさ、鼻の高さ、唇のふっくら感、そして顔のサイズやフォルム。パーツの大きさやフォルム、骨格まですべてをメイクで操るのがギュテメイク。彼のYouTubeをはじめとしたSNSでは、性別や年齢どころか国籍まで軽々と操る驚愕のメイクが披露されている。
「いわゆる“メイクの常識”にハマらないのが、僕のメイク。ベースメイクなんて、最低でも8層。多い時は11層も塗り重ねますしね。ファンデーションもちょっとどうかしてるってくらい厚塗りにしますし(笑)。影もツヤもいったん全て消して、画用紙みたいな真っ白なマットな状態にするのが僕のメイクの一番の特徴。そこから影色とツヤをイチから入れることで、理想の骨格やフォルムを作り出すことができます。中顔面や人中の短縮も楽々できますよ! 眉はアッシュ系ブラウンのリキッドアイライナー、アイブロウパウダー、ペンシルの3種類を駆使してフサフサに。眉の下のラインにあえてちょっとはみ出した毛を描くことでよりリアルに仕上がります。こういった僕のテクを応用していただければ、誰でもなりたい顔になれますよ!」
連載を終えて。ギュテが今思うこと
「昔は自分のことが嫌いでした。目も鼻も唇も、すべてのパーツが嫌だった。だけど、メイクに出会って、嫌いなところをどんなふうにでも変えられるってことを知り、ものすごく救われたんです。もちろん、“美しくあること”が正義じゃない。あるがままの美しさというものも確かにあるし、そこを否定する気持ちは1ミリもありません。ただ、僕にとっては、メイクをした姿が、いちばん心地よくいられる状態なんです。ある意味、これが僕の“あるがまま”。学生時代、学校でイジメにあったり、理不尽な嫌がらせをされたりしたときも、匿名でやっていたアカウントにメイクをした姿を上げると、いろんな人がポジティブな反応をくれました。もちろん、ネガティヴなものもありましたけどね。最初は自己流だし、不慣れだしで、今思い返すと激ヤバなメイクだったけど、自分の顔を、パーツを、骨格を、それこそ死ぬほど観察して、どうすれば理想の仕上がりになるかを研究しまくったことで、理想の顔になる術を習得することができました。病気で髪もまつげも眉毛もすべて抜け落ちてしまったときも、メイクがあったからこそ前を向けた。それどころかこうやって今、メイクにまつわる仕事ができて、メイクを知る前だったら想像もできないような景色を見ることができています。
VOCEの連載では、いろんな方にコンプレックス解消のメイクを伝授しました。中には、メイクが完成したとたんに感激して泣き出してしまった方も! そんなふうに感激してくださって僕もすごく嬉しかったんです。メイクのパワーをより実感できましたし。この体験を通してさらに、メイクの力を借りれば誰だって自分が願った姿になれると確信しました」
ギュテが描くこれからのこと
「人生にはいろんなことがあります。いいことだけでなく、悪いこともたくさん。メイクがそのすべてを解決してくれるとは思ってはいません。ただ僕の経験上、自分が好きな姿でいるときの方が、気分はもちろんパフォーマンスだって絶対に上がる。ピンチもチャンスも、明日突然やってくるかもしれないから、いつ遭遇してもいいように、これからも万全な自分に整えていたいですね。
中学生でメイクを始めて、今では美容動画の配信だけでなく、こうやって雑誌に出させていただいたり、コスメブランドのアンバサダーをさせていただいたり、CMに出たり。実にさまざまな経験をさせていただきました。これからもメイクや美容を通して、新しいことに臆さず挑戦していきたい。そして僕のメイクや生き方を通して、昔の僕のように悩んでいる人に少しでも元気を届けられたら、すごくすごく嬉しい」
PROFILE
YouTuber・メイクアップアーティスト・美容クリエイター
ギュテ
整形級の変身メイク動画に熱狂的なファンを持つ。脱毛症や自身のセクシュアリティーなどを隠さない姿勢にも賞賛の声が。著書に『無いならメイクで描けばいい』(幻冬舎)。
▼連載「熱血!ギュテ塾」の動画もチェック!
撮影/榊原裕一 取材・文/中川知春
Edited by 河津 美咲
公開日: