宝塚時代の同期や先輩は永遠のライバルかも
VOCE編集部
明日海さんにとって、ヘレナ・ルビンスタインのようなライバルはどなたですか? きっと、この質問は何度も聞かれていますよね(笑)。
明日海さん
はい(笑) 先ほども聞かれました。小さい頃から、いつもライバルはいたと思います。習い事だと、ピアノ、バレエ、水泳……。私は小さな町で育ちましたし、小さい頃はいる世界も小さなものですし、わりと簡単に一番が取れちゃったりしますよね。ピアノ上手いね、テストで100点取れたね、という小さな世界からどんどん厳しい世界になっていったな……というのを思い出しちゃいました(笑)。
VOCE編集部
そこから、宝塚に入団されましたね。
明日海さん
その前に中学に入った時点で勉強も難しくなりましたし、バレエに行っても上手い子がどんどん出てきて……。宝塚音楽学校に入ったら、みんな歌もダンスも上手いし、可愛いしキレイだし(笑) 私は怠け体質で根性がないから、頑張らなきゃって思っていましたね。
VOCE編集部
怠け体質!? 信じられないです!
明日海さん
エリザベスとヘレナが二人とも化粧品業界に携わったように、宝塚も皆が自分の意思で“やりたい”と思って入っています。そういうライバルに対して「及ばなかったな」で終わらせちゃうのは、やっぱり自分が許せなかったですから。その時その時に出会った人たちすべてが、ライバルだと思いますね。
VOCE編集部
明日海さんの同期(89期)もすごく活躍されている人ばかりです。
明日海さん
そうですね。確かに、同期みたいな関係性と似ているかもしれません。私、月組時代に2期上の先輩とよくダブルキャストをやっていたんです。
VOCE編集部
龍真咲さんですね。
明日海さん
はい! 本当にいつも一緒で、ポスター撮りや雑誌の撮影など、そういうときは常に一緒という時代が何年もありました。エリザベスとヘレナの関係性よりは、私が背中を必死に追いかけていくパターンでしたが、龍さんは私自身より、私のことをよくわかってくださっていたような気がします。
「そういう場所にずっといたんですよね」と在団中を懐かしむような表情をされていた明日海さん。これからお稽古に入るという、とても貴重なタイミングでの取材は共演者・戸田恵子さんへの想いや日本初上演という貴重な作品に参加する意気込みなどをたっぷりと伺えました! 後編では“最新の明日海りお事情”をお届けします。
【明日海りおさん・プロフィール】
明日海りお(Rio Asumi)
1985年6月26日生まれ、静岡県出身。2003年、宝塚歌劇団に89期生として入団。月組公演『花の宝塚風土記ー春の踊りー/シニョールドン・ファン』で初舞台を踏み、2012年に劇団史上初となる月組準トップスターに就任。2013年の組替えを経て、2014年に花組トップスターに。『エリザベート-愛と死の輪舞-』『ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編』『新源氏物語』『ME AND MY GIRL』『ポーの一族』など、数々の話題作で主演を務める。5年半のトップ在任期間を経て、2019年11月に惜しまれながら退団。2020年、第41回『松尾芸能賞』優秀賞を受賞。退団後は『ポーの一族』(2021年)、『マドモアゼル モーツァルト』(2021年)、『ガイズ&ドールズ』(2022年)などの舞台、NHK連続テレビ小説『おちょやん』(2021年)、『大病院占拠』(2023年)などドラマでも活躍。2023年7月からは音楽劇『精霊の守り人』に出演予定。
【Information】
ミュージカル『エリザベス・アーデン vs. ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』
エリザベス・アーデン 明日海りお/ヘレナ・ルビンスタイン 戸田恵子/トミー・ルイス 上原理生/ハリー・フレミング 吉野圭吾
【東京公演】 5月7日(日)~5月17日(水) 日生劇場
【大阪公演】 5月27日(土)~5月29日(月) 森ノ宮ピロティホール
【名古屋公演】6月2日(金)〜6月4日(日) 御園座
【京都公演】 6月8日(木)~6月13日(火) 京都劇場
https://warpaint.jp/
撮影/資人導 ヘアメイク/山下景子 スタイリスト/菊池志真 取材・文/前田美保
Edited by 三好 さやか
公開日: