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火付け役は、もとに戻れて安心、注射1本で完了の“プチ整形”
現在のように美容医療が身近な存在になったターニングポイントは、2000年前後のプチ整形ブーム。それ以前は、豊胸や隆鼻の手術、脂肪吸引といった“ザ・美容整形”のイメージが一般的。カラダにメスを入れてまで外見を整える、それも高額で……一般人とは無縁の、芸能人や容姿が重視される特別な世界のオハナシだった。
そんな状況を一変させたのが、注射一本で瞬時にシワを消したり鼻筋を整えることができるボトックスやヒアルロン酸注入、医療の力で美肌に整えるケミカルピーリングなど、“効果が長続きしない美容整形”の登場だった。手術前の状態に戻れない既存の美容整形とは違って、数ヵ月で消えるプチな効果はある意味安心だし、医療費も本格的な手術よりずっと安くてプチだ。この“プチ整形”の大ブームによって、美容クリニックが急増。医療レーザー脱毛や眼瞼下垂手術が知られるようになったのも、この頃だ(2023年VOCE5月号『VOCEニッポンビューティ25年史』をご参照のほど)。
今では、ビタミンC導入や美肌点滴、シェイプアップのEMSやダイエットピル、薄毛治療と、「痛くない・怖くない」メニューは数え切れないほど。つけまつげ並みにふさふさになるまつげ育毛剤やつるすべ肌が叶う高濃度のレチノイン酸クリームなど、超強力コスメのような“外用薬”の処方も受けられる。一般的なイメージも化粧品かぶれの治療やスキンケア相談から、たるみの引き締め等のエイジングケアまで、美にかかわる多様なテーマに、医学知識と医療技術で応えてくれるメディカルサロンに。実際、高度な美容機器を駆使するエステティック部門を併設しているクリニックも多い。
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エステとクリニックの違い
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