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美容医療が自由診療でそれなりにお高いワケは
とはいえ、一般的な皮膚科クリニックや内科医院と美容クリニックにも、ざっくりとした区別はある。美容目的の治療を行う美容クリニックは、基本的に自由診療。たとえばニキビは尋常性挫傷という皮膚疾患だから、ニキビを治療するだけなら保険適用だ。ただ治すだけではなく、ニキビ跡が残らないようにきれいに治したり肌質から改善しようというと、これは美容の問題。なので、基本的に保険はきかない。
もちろん自分ではシミだと思っていたのが皮膚ガンだったり、目の下のクマの原因が貧血だとわかって、保険適用の治療になることもある。でも、基本は自由診療だ(“一般皮膚科”だって、保険適用の治療法や薬剤だけで、きれいに治そうとしてくれるけれど、そうなると“イオン導入”など保険適用外の施術はできない)。
「健康保険は、病気になったときに高額な医療費で経済的に困ったり治療を断念しなくていいための互助的なシステム。その主旨に沿って、保険適用の治療法などは明確に決められています。たとえば、自分が払った保険料が誰かの治療費に充てられても『お互い様ですから』と思えるケースかどうか。そう考えると、わかりやすいかもしれません」(アヴェニュー六本木クリニック・寺島洋一院長)
確かに、慢性の皮膚病に苦しむ赤ちゃんなら「どうぞどうぞ、役立てて」と思えるけれど、ほうれい線解消のヒアルロン酸や美肌づくりのプラセンタの注射代に、私の収めた保険料を使われたくはない。それでなくてもコロナ禍で医療費の予算が逼迫しているのだから、誰かの保険料を私のHIFU代に充てていいはずがないだろう。というわけで、美容医療は保険適用外、それなりの高額になってしまうのは仕方がない。
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火付け役は“プチ整形”
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