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最新作『連続ドラマW フェンス』で松岡茉優と宮本エリアナに託した女性像
──最新作『連続ドラマW フェンス』において松岡茉優さんと宮本エリアナさんにはどのような女性像を託されたのでしょうか。
野木「桜(宮本エリアナ)の方は、基地のある沖縄を体現する役。一方でキー(松岡茉優)は、すべてをぶち壊しに行く役。だからちょっと激しめの性格。2人とも、そのものとして素晴らしく演じてくれました」
──2人の間柄がとてもよく表現されていました。「友達」という言葉が使われているわけではないのに、他愛のないおしゃべりの中に2人の関係性が透けてみえる。シスターフッドに近いものを感じました。描く際に意識されたのでしょうか。
野木「意識したつもりはないのですが、女性同士って案外こんな感じだよねと思って描いています。本作は沖縄の話ではありつつも、女性たちの話でもある。2人はある種バディとして事件を解決していくわけですが、女性と一口に言っても人によって異なる属性を持っています。本作でいうと、うちなーんちゅ(沖縄の人)か、ないちゃー(本土の人)かというところもあれば、ミックスルーツか否か、世代間の差なども。インターセクショナリティの観点からも、受ける差別や不利益には人それぞれグラデーションがあります。その部分は描きたいと思っていました」
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すべての女性へ。野木亜紀子さんからメッセージ