クリームの女王
美容家
小林ひろ美さん
乳液の女王
コスメデコルテPR
吉成里沙さん
オイルの女王
美容ライター
穴沢玲子さん
MIX使いの女王
まいこホリスティック スキンクリニック院長
山崎まいこ先生
Q.透明感のために、なぜ油分が必要なの?
キメを整え透明感を高めるためには油分が必須に
小林さん
透明感や潤いを高めるスキンケアというと、化粧水や美容液など水分ファーストになりがち。でも肌の構造を考えれば、油分はかなり重要なポイントですよね。
山崎先生
肌の透明感という点では、メラニン量より光の透過率のほうが重要なんです。光を取り込んで跳ね返せる肌というのは、表面のキメが整っていることが絶対条件。髪もキューティクルが整っていないとツヤが出ないように、肌もキメが乱れていると、ツヤが出ないんですよね。
吉成さん
キメを構成している角層構造が乱れていると、潤いを抱え込むことができなくて乾燥も進みますし、表面がゴワゴワして光を透過しにくくなってしまいます。
山崎先生
そしてキメを整えるためには細胞間脂質や皮脂膜などの“油分”が必要なので、乳液やオイル、クリームなどの油分アイテムを上手に使わないといけません。
【キメが整っていない肌】
- 光が乱反射し、散乱。表面から放つ光が少なく、輝きが低下。
- 表面が乱れ、凹凸が目立つ。
- 潤いが蒸散し、乾燥によるくすみや透明感が低下。
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【キメが整った肌】
- 光が正反射。表面から放つ光が強い
- 表面が平滑でなめらか
- 潤いを保持できる
穴沢さん
細胞間脂質って、角層細胞の隙間を満たすセメントのような役割を担う脂質ですよね。たとえばセラミドなんかもその一種ですが。
吉成さん
皮脂膜は、皮脂腺から分泌される皮脂と汗腺から分泌される汗が混ざり合ってできたもので、天然の乳液みたいなものです。これがないと肌内部の水分がどんどん蒸散してしまうし、表面のツヤやなめらかさも失われてしまいます。
穴沢さん
油分はテカリにつながるからと嫌われることも多いですが、上質な油分を適切に与えることでキメも整うし、透明感アップにもつながるわけですね。
小林さん
それから油分には“フタ”という役割もあります。たとえば唇がカサついたとき、ペロッとなめればその瞬間は潤った感じがするけれど、すぐに乾燥してしまうでしょ。そこで必要になるのが、潤いをとどめるための油分。化粧水や美容液で与えた潤いをとどめて蒸発を防ぎ、さらにバリア機能を強化するのが油分の役目です。
山崎先生
透明感のある肌づくりには、水分をまんべんなく細胞に含ませてから油分で保護するというステップが欠かせません。乾燥している肌はくすんで見えるから、たとえシミがなくても健康的に見えないんですよね。潤いをキープしたり、キメを整えてバリア機能を強化したりするためにも、水分と同じように油分も適切に与えてあげてほしいですね。
穴沢さん
油分アイテムは基本的に好きなものを選んでいいんですか?
山崎先生
なじみを重視するなら乳液や二層式オイル、肌表面にとどまり保護することがメインの目的ならコクのあるオイルやクリームなど、求める効果と肌状態によって選ぶのがおすすめですね。皮脂分泌の多いTゾーンは控えめに、目まわりや頬など乾燥しているゾーンはたっぷりというように、塗る分量を変えれば、トラブルなく肌質感を均一に整えられると思います。
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油分の正しい使い方について
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