『RENT』は1996年にオフブロードウェイで初演、同年にブロードウェイに舞台を移してからは12年4ヵ月にわたって上演され、連続上演5140回というロングラン公演記録を残した大人気ミュージカル。シアタークリエでの上演は今回が7回目です。【レントヘッド】と呼ばれる熱狂的なファンを持つこの『RENT』には、今ミュージカル界でも将来を嘱望される人気の役者さんが揃い踏み!
今回は数々の主演舞台作品を持つ平間壮一さん(マーク役)、先日千穐楽を迎えたばかりの『エリザベート』でルドルフを演じた甲斐翔真さん(ロジャー役)、そしてVOCEではモデルとして本誌にも多数登場している八木アリサさん(ミミ役)の3名にお話を伺いました。前編では『RENT』にかける意気込みをお伺いしましたが、後編では引き続き3名に『RENT』のテーマでもある“今を生きる”ことを徹底的にトークしてもらいました。どうやって“今”にフォーカスするのか、そして3名からの熱いメッセージもどうぞ!
舞台はその場限り。“今”を感じられるエンタメ。
──前編からの続きになりますが、この作品は「今を生きよう!」というのがテーマ。平間さん、甲斐さん、八木さんのお三方が、“今を意識するため”の方法やハウツーはお持ちですか?
甲斐翔真さん(以下、甲斐さん)
僕は今の自分ができることのポテンシャルを──、たとえば芝居のレッスンや歌のレッスン、自分が今好きなことなのか──、そういったものを毎回チェックする。そういうことで“今”を意識しています。でも、やっぱり“今”って忘れがちですよね。
──確かに意識するのは難しいですね。平間さんは今回の『RENT』キャストの中で一番出演回数が多いわけですが、それでより“今”を意識できていたりしますか?
平間壮一さん(以下、平間さん)
そうなんですけどね。マークはなかなか“THE主人公”みたいな役ではないですからね(笑)。真ん中にはいるけれど、そんな「みんなを引っ張っていってやるぜ!」みたいな、ヒーローみたいな感じではありません。ちょっと難しい立ち位置にいるという印象です。
──マーク役を演じることで、“今”を感じることってありますか?
平間さん
そうですね……。本音を言うなら、苦しいんです。『RENT』を経験したからだと思いますが、“今”、この瞬間全力で舞台に立ち、その役に向き合ったとしても、それはやっているそばから消えていくもの……です。でも、その寂しさに向き合う力がキャスト全員すごい! 舞台は“その場”で行われること。消えていく、なくなっていくと分かっていても、全力で向き合うんですから。
──仮にDVDやBlu-rayに残ったとしても、それは“今”ではなく“過去”ですもんね。
平間さん
そう! そうなんですよ。一ヵ月後には「この頑張りって何だったの?」って思うくらい(笑)。
甲斐さん
観てくださるお客様の心に残るからこそ舞台をやれているわけで、自分のためって思うと限界がありますよね。
平間さん
本当にそう思います。
八木アリサさん(以下、八木さん)
私もその気持ち、よく分かります!
3人のポートレートビジュアルもチェック!
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稽古中のエピソード!