『RENT』は1996年にオフブロードウェイで初演、同年にブロードウェイに舞台を移してからは12年4ヵ月にわたって上演され、連続上演5140回というロングラン公演記録を残した大人気ミュージカル。シアタークリエでの上演は今回が7回目です。【レントヘッド】と呼ばれる熱狂的なファンを持つこの『RENT』には、今ミュージカル界でも将来を嘱望される人気の役者さんが揃い踏み!
今回は数々の主演舞台作品を持つ平間壮一さん(マーク役)、先日千穐楽を迎えたばかりの『エリザベート』でルドルフを演じた甲斐翔真さん(ロジャー役)、そしてVOCEではモデルとして本誌にも多数登場している八木アリサさん(ミミ役)の3名にお話を伺いました。前編ではそれぞれが『RENT』の再演にかける想いを熱く語っているので、ぜひ注目を。
やり残した場所に到達したい、今回の『RENT』
──3人が揃った撮影はとても楽しそうでした! 仲の良さが伝わってきてキュンキュンしました。
甲斐翔真さん(以下、甲斐さん)
アリサはモデルだから、もう表情がさすが(笑)! カメラマンさんにも「ロジャーとマークはもう少し表情を……」って言われちゃったし(笑)。
平間壮一さん(以下、平間さん)
全員事務所が同じだからね。なんか、こういう撮影楽しいなって、単純に思っちゃった(笑)。
──さて、東宝版としてシアタークリエで6回目の上演だった2020年の『RENT』はコロナ禍に見舞われ、開幕したものの途中から公演がすべて中止になってしまいました。2年越しで再上演となりましたが、その感想を教えてください。
平間さん
今回皆がどういう形で集まったかについては、まだそれぞれ聞けていないのですが、自分がお話をいただいたときは「また同じキャストが集まれれば嬉しいな」と思っていました。結局まったく同じメンバーで集まることはできませんでしたが、前回から引き続き出演するキャストとはまた会えて良かったと思いましたね。
──中止になったとき、“やり残した感”みたいなのはありませんでしたか?
平間さん
いっぱいありましたね。日本版のリステージをしてくれたアンディ・セニョールJr.が来日できなかったことも自分としてはとても残念でしたし、自分一人で何かできるわけじゃないのに「どうにかしなきゃいけない」って変に力が入ってしまっていたというか……。今回はもう少しラクにいられたら、と思っています。
八木アリサさん(以下、八木さん)
私は前回がミュージカル初出演だったんです。そこから別のミュージカルの場を踏んでもなくて、今回もオーディションを受けなおさせてもらったんです。
平間さん
そうだったんだね。
八木さん
はい。前回は“やり残した”というか、全然辿り着けなかった感じだったので、今回改めて『RENT』に出ることで、何かを掴めたらと思います。この2、3年でたくさんの舞台に出演している皆さんがよりパワーアップして集まってきているから(笑)、追い付け追い越せ!で頑張りたいです。
甲斐さん
2年前、皆が一つの方向を見て頑張っていこうとしていたときに、その場がすべてなくなってしまったので、僕がこの話をいただいたときはもう「ぜひ!」という感じでした。あのとき到達できなかった場所に、今回は辿り着けたらいいなって。
八木さん
本当にそう思う!
甲斐さん
僕もそうだし、きっと皆もそうだと思うんですけど、2年という月日はとても大きくて……。それぞれ2年間で色々な経験をしてきたからこそ、今回の『RENT』はもっともっと深いところまで行けると思うんです。しかも新しいメンバーも入ってくれたので新しい刺激もあります。
3人のポートレートビジュアルもチェック!
次ページ
稽古場の裏話を公開!