連載 VOCE特別インタビュー

【藤本美貴】「毎日死んで、毎日生き返る。仕事と育児の両立は大変だけど、充実しています」

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子育てと仕事を両立するのは“大変”しかない。でも、それが嫌いじゃない!

─こんなふうになりたい、という憧れのママはいますか?

ママとしてだけでなく、昔から誰かになりたいっていう考えを持ったことがないんです。だって、理想を持ったところでなれるのか、って思っちゃう。もしかしたら、現状に満足しているということなのかもしれないですね。実際、若いころのほうがよかったなって思うことが全然なくて。強いていえば、サッとは動けなくなったのが残念だなと(笑)。あとは、疲れがとれにくいのも感じます。それでも自分ってタフだな、ってよく思います。限界までがんばっていると限界が延びてくる……そんな日々、タイムを伸ばすアスリートのような感覚で生きているんですよね(笑)。毎日の家事が終わらないまま深夜になっても「やると決めたからには、絶対走り抜ける!」という一人レースみたいになっていますから。毎日死んで、毎日生き返っている、ホント、そんな感じです。毎日気絶するかのごとく布団に倒れ込むような生活なのですが、人生が充実している気になり、嫌いじゃないな、と(笑)。

──家事や育児に“息切れ”しないためのコツを教えてください。

今日やらなくていいことは後回しにするということと、そもそも不要なことは家事から排除するっていうのもありだと思います。実は、今年思い切ってやめたことがあります。それは布団カバー!(笑)。わが家は家族の人数が多いので掛け布団カバーをつけること自体もストレスですし、そのうち中の布団がよれたりするのもイライラポイントでした。その辛さを旦那に吐露したところ、「やめればいいじゃん」と。その一言で、確かに毎年クリーニング出すし、毛布も挟んでいて肌に直接触れない……やめだ、やめだ!ということになりました(笑)。おかげさまで今年の冬は布団カバーのストレスから解放されて、幸せです!

もちろん、私も“新米ママ”のころからこんなにズボラだったわけではありません! 最初は、一日に掃除機を二回くらいかけて、どこもかしこもキレイにして、離乳食も手作りを徹底して……と家事にも育児にもストイックに向き合っていました。ですが、二人目の子育てをしている途中で、仕事をしながら完璧を目指していたら“死んじゃう”と思って(苦笑)。そんなとき義母から「女は定年退職がないからね……」とふと伝えられた言葉がめちゃくちゃ響いたんですよね。このまま時間に追われてボロボロになる日々が一生続くの? そんなの無理。「やーめたっ!」って思いましたね。今やっていることに意味がないと感じたら、「やーめた」って見切りをつけるのって大事だなと思います。

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