目次
歯磨きのこと、ちゃんと知ってる?
教えてくれたのは…
メガデント銀座店 店長
酒向淳さん
ヨーロッパ製品を中心に、良質の商品を扱うオーラルケアグッズ専門店の店長。店頭に並ぶ1000種類以上の商品を全て試し、毎回4種類以上ものデンタルグッズを使いこなす歯磨きマニア。
【メガデント銀座店】http://www.megadent.co.jp/index.html
欧米人は日本人よりも歯のケアに熱心って本当?
治療費がめちゃ高だから、熱心になるしかない!
欧米では歯の治療に何十万円かかることもザラ! 治療を受けたくないからケアを熱心にせざるを得ないのだとか。
ドイツで入れ歯をつくると20万円かかる!?
酒向淳さん
日本では、誰でも歯の治療を受けることができます。世界中を見回しても、歯科の医療体制がこれほど充実している国は日本しかありません。
欧米では、歯の病気は自分の努力次第で防げるという考えがあるため、歯科治療の健康保険の自己負担額が高めに設定されています。例えばドイツでは、歯科治療の自己負担率は5〜7割。14歳までは健康保険を使えば無料で治療をしてもらえますが、その後は1年ずつ負担率が上がり、16〜18歳になると大人と同じ負担になります。さらに、ICカードと健康保険が結びついていて、受診時に過去4年間の、歯科衛生士から口腔衛生指導や講習、および定期的な歯石除去の経歴をチェックされ、“おさぼり”が見つかると、さらに負担額が跳ね上がります。
日本で入れ歯をつくる場合の費用は20000円ほどですが、ドイツでつくると、その10倍以上かかることもあります。だからみんな、生活が立ちいかなくなるほどの高額な歯の治療を受けたくなくて、必死に歯のケアをがんばるのです。
日本の治療費が高額化する可能性はゼロじゃない!
酒向淳さん
日本では、虫歯や歯周病など歯の病気になっても保険適用内の治療なら、数千円から高くても数万円の支払いで済みます。生活が立ちいかなくなるほどの金銭的な痛みを伴わないため、デンタルケアに対する興味が低いのかもしれません。でも、口内環境が悪化すると他の病気を引き起こすこともわかってきていますし、今でも自費治療でしか直せないケースになると、ドイツと同じように何十万もの治療費がかかることもあります。
酒向淳さん
また、今の日本では健康保険制度がしっかりしていますが、将来的にどうなるかはわかりません。政府の予算が減っていくと、最初に削られることになるのは歯科医療分野だと言われています。年齢を重ねたときに困らないためにも、今から正しいケアを心がけ、病気を予防することが必要です。
次ページ
オーラルケアの関心度が、10年前に逆戻り!?