常に挑戦の幅を広く持ち、「知りたい」と思わせる女優に
紅さん
舞台も面白いですけど、バラエティ番組にも出演してみたいと思っています。
VOCE編集部
紅さんはコメディエンヌの才能をお持ちだと、現役時代からずっと思っていました! 泣かせる演技より、笑わせるお芝居のほうが断然難しいとも言いますよね。
紅さん
実はコレ、私が意図して狙ったポジションだったんです。私が現役でいたころの宝塚にはコメディをやる人は誰もいなかったんです。だからトップスターという位置に上げてもらったときに、「コメディ枠、めっちゃ空いてんねんけど」って思って(笑)。
VOCE編集部
確かに、トップスターさんでコメディ枠、というのはとてもレアだと思います。
紅さん
そうなんですよね。誰もやらないですし、やったとしても一瞬で終わり。だから、タカラジェンヌとして「この人、面白いよね」って言ってもらえる、例えるなら吉本の新喜劇を観に行く人が「宝塚の星組でオモロイ人がやっているから観に行こうよ」って言ってもらえるくらいのフランクな感じを狙おうと思ったんです。そういうのが宝塚にあってもいいんじゃないかなって。
VOCE編集部
ものすごく的確な戦略! 確かにグッと身近になります。
紅さん
そうですよね。でも無理して狙ったわけではなくて、そっちのほうが楽しいから、という気持ちのほうが強かったんです。本来の自分も引き出しやすかったですから。男役さんといえば、「無口でカッコよくて、普段何食べてるんだろう……」みたいなイメージってありますよね。それが宝塚の良さなんですけど、その部分も持ちながらコメディ的要素も持ちたかった。だから宝塚的王道の切ない物語『うたかたの恋』や『霧深きエルベのほとり』もやりましたし。こういった演目でコケたりしたら「この人、ぜんぜん悲劇できないんだ」と思われるから、必死でしたよ。
VOCE編集部
どちらの演目も素敵でした!
紅さん
ありがとうございます。そういった切ない役もやりながら、落語をベースにした『ANOTHER WORLD』のようなお話にも挑戦したんです。あれはめっちゃ面白かったです。主人公を“康次郎”から“康子”に変えて、もう一回やりたいくらいですもん(笑) 宝塚を長く愛してくださる方だけでなく、それ以外の方が興味を示してくださるようなトップスターがいてもいいんじゃないかと思って挑戦し続けました。なので、退団したあとも「コメディエンヌの才能がある」と言っていただけるのは嬉しいですね。
VOCE編集部
品のある悪い女もできて、コメディエンヌもできるという幅の広い女優さんが目標なんですね。
紅さん
結果的に「紅さんってどういう人なの?」って思われちゃうかもしれないですけど(笑) でもいろんな方面から【紅ゆずる】に興味を持ってもらえると嬉しいんです。この写真集もそうですけど、振り幅が大きければ大きいほど、「もっと知りたい」と思ってくださる方がいるかなと思って。なので、ぜひ写真集を手に取っていただきたいです!
宝塚歌劇団史上、最強のコメディエンヌ要素を持ったトップスターだったと言っても過言でない紅さん。「新しいファンの方にも宝塚に足を運んでいただきたかった」と、ご自身が目指したトップスター像をお話ししてくださいました。退団後は舞台だけでなく映像分野にも活動の場を広げ、“元タカラジェンヌ”でありながらも、そのイメージに囚われることなくあらゆることに挑戦を続ける紅さんの今後がとても楽しみです!
紅ゆずるさんの美しく、かっこよすぎる未公開カット!
【紅ゆずるさん・プロフィール】
紅ゆずる(Yuzuru Kurenai)
8月17日生まれ、大阪府大阪市出身。2000年に宝塚音楽学校に入学、2002年に88期生として宝塚歌劇団に入団。星組公演『プラハの春/LUCKY STAR!』で初舞台、その後、星組に配属。2016年11月21日付で星組トップスターに就任。自身が2008年に新人公演で主演を務めた『THE SCARLET PIMPERNEL』が大劇場トップコンビお披露目公演となった。ルドルフ皇太子を演じた『うたかたの恋』(2018年)や落語をベースにした『ANOTHER WORLD』(2018年)、粗野な水夫役が印象的だった『霧深きエルベのほとり』(2019年)など、硬軟問わず、どんなキャラクターも演じ切る芝居心を持ったトップスターとして活躍。2019年10月13日に『GOD OF STARS-食聖-』 『Éclair Brillant(エクレール ブリアン)』で宝塚歌劇団を退団。退団後はコロナ禍に見舞われ出演予定作の急な中止などが相次ぐも、バラエティや舞台など活躍の舞台を広げている。3月からは日テレプラス×ひかりTVの共同製作による連続ドラマ『俳句先輩』にて連続ドラマ初出演が決まっている。
【Information】
紅ゆずる写真集『悪い女 A BAD WOMAN』
発売日:2023年2月2日(木)
定価:¥5500
発行:東京ニュース通信社
写真集発売記念イベント開催!
【東京会場】2023年3月11日(土)13:00~、東京 SHIBUYA TSUTAYA イベントスペース
【大阪会場】2023年3月25日(土)13:00~、大阪 紀伊国屋書店グランフロント大阪店 イベントスペース
→詳細はTOKYO NEWS magazine&mookにて
https://zasshi.tv/products/23842/
セットアップ/FABIANA FILIPPI(株式会社アオイ 03-3239-0341) リング・バングル/QAYTEN(ケイテン 03-6206-6429) イヤカフ/Kinoshita pearl(キノシタパール 078-230-2870)
撮影/楠本隆貴(will creative) ヘアメイク/miura(JOUER) スタイリング/早川和美 取材・文/前田美保
Edited by 三好 さやか
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