悩んだら一瞬号泣。その後立ち直ります
──音楽をやるときと、お芝居をするとき、それぞれどんなポリシーがあるのでしょうか。
「音楽の場合、割と少人数でディスカッションして、どんなゴールを目指すかという方向性を決めてから進む一方で、お芝居はすでにできあがった台本があり、たくさんのキャストやスタッフのみなさんとつくりあげていく、という違いはあります。でもどちらも、一度方向性が決まればそこに向かうのみ。間に壁はありません。長年愛されるような作品を作りたいという気持ちは同じです」
──なるほど。では、ものづくりにおいて大事にしていることとは?
「疑問に思ったり、自分の中で気持ち悪いなと思ったら、はっきり伝えること。例えば、舞台で海外の戯曲を演じる場合、英語を和訳したセリフが自分の中でしっくりこないことがあって。そういう、どうにもできない状況に直面してしまうと、私、泣いちゃうんです(笑)」
──意外です(笑)。
「もう嫌だー! って号泣して、先輩の役者さんに何度か電話したこともありました。その時に先輩から、『自分で辞書を引いて、こういう言葉にしたいって伝えたらいいんじゃない?』って言われて。次の日に演出家さんに相談して、最初からセリフを考え直したことも。
仕事以外では、そこまで感情的になることはないんですが、悔しい思いをしてしまうと、どうしてもいいものをつくりたいという思いが強いからこそ、つい泣いてしまうんですよね。でも1回はうじうじ泣いちゃうんですが、納得する方法が見つかったら、あとは進むのみ。見ていてわかりやすいと思いますよ(笑)。」
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新しい挑戦って、失敗しても許される!