連載 元タカラジェンヌ特集!

元宝塚歌劇団・花組トップ娘役【仙名彩世】退団後叶った夢。そして歌への想い

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『ミス・サイゴン』で、10年越しの夢を叶える

元宝塚歌劇団 花組 仙名彩世
VOCE編集部
VOCE編集部

その『ミス・サイゴン』ですが、仙名さんにとってはとても思い入れのある作品とお聞きしました。


仙名さん
仙名さん

『ミス・サイゴン』を初めて観たのは2008年です。そのときに「これはスゴい!」と感銘を受けて、いつか何らかの形で携わりたいとずっと思っていました。でも、あまりに難しい曲ばかりで(笑) 稽古中は本当に大変だったんです。周りのキャストの方々も素晴らしくて、「こんな世界なのか!」と一撃をくらった感じがありましたが、自分を信じて自分にできることに注力して、やっと今舞台に立てて……。


VOCE編集部
VOCE編集部

感銘を受けた舞台に立てるのは素敵ですよね!


仙名さん
仙名さん

今まで私が客席から観ていた世界の中にいると思うと、純粋に感動しますね。「今、こんな世界に私はいるよ」と、初めてこの舞台を観たときの自分に言ってあげたい。だから、今は本当に満足しているんです。夢が叶ったなという気持ちもありますが、今のカンパニーの方々が本当に素敵な方ばかりでとても仲がいいのも嬉しいです。こうして、いい出会いやいいご縁がずっと続いていったらいいなと思っています。


VOCE編集部
VOCE編集部

しかも、『ミス・サイゴン』で夢が叶ったと言える仙名さんがすごいです!


仙名さん
仙名さん

『ミス・サイゴン』はこれまでの私の人生の中で一番といえるほど大きなミッションだと感じていました。ことごとく壁にぶち当たりましたが、でも「好きだからやる! この作品が好きだから頑張るんだ!」という意地が出てきたんです。それはとても新鮮な感覚でしたから。


VOCE編集部
VOCE編集部

聞けば聞くほど、仙名さんが格闘している姿が目に浮かぶような……。


仙名さん
仙名さん

あはは(笑) この『ミス・サイゴン』は『レ・ミゼラブル』を製作したクロード=ミシェル・シェーンベルクとブーブリルのコンビが、『レミゼ』よりももっとエネルギーのある作品をつくろうという気持ちを持って製作されたもの。だから本当に全力でやらないと音楽や作品に出演者が負けてしまうんですよ。みんな死に物狂いでやっていました。1ステージやったらクタクタです。だけど、大好きなんです。役者はみんなMっ気があるのかと思うほどです(笑)。


VOCE編集部
VOCE編集部

退団されてから、ミュージカル女優、舞台女優として生きていこうというイメージはお持ちだったのですか?


仙名さん
仙名さん

実は、いろんな道を模索していました。でも、宝塚以外の外の世界を一度経験してみて、そのあとで考えてもいいんじゃないかなと思ったんです。そしたら、新しい現場に参加するたびに新しい方と出会えてたくさん刺激を受け、出会う方々すべてが本当に素敵な方ばかりで、こんな楽しい仕事はない!と改めて感じて。


VOCE編集部
VOCE編集部

そうですね! 素敵なお仕事だと思います。


仙名さん
仙名さん

はい。自分が面白そうだな、楽しそうだなと思ったら、一気にそちらに舵を振り切ることも人生では大切だと思うんです。人として魅力的でいるためには、活力がないと! 常に新しいことにトライしていないとダメだと思います。


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歌うことへの想い

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