今回のゲストは元宝塚歌劇団・花組娘役スターの音くり寿さん。表現の多彩な娘役さんでいらした音さんは、花組の舞台には欠かすことのできない存在でした。先日、多くの方に惜しまれながら宝塚歌劇団をご卒業、今回のインタビューでは退団にまつわるお話を伺っていきます。最後のページには未公開カットもたくさんありますので、お見逃しなく!
今が楽しいから今がいい、そう思えたんですよね。
美夢ひまり(以下 美夢)
今回はご出演くださり、ありがとうございます! でも私はくり寿ちゃんの退団発表がとてもショックだったのですが……ご自身の中ではこの時期と決めていたのでしょうか。
音くり寿さん(以下 音さん)
退団については長いこと考えていましたね。でも迷いがあるときは違うのかなと思っていました。
美夢
確かにそうですよね。ある日、鐘が鳴りましたか?
音さん
『元禄バロックロック』の集合日ですね。「あ、今日プロデューサーさんに話しに行こう」とふと思い立ったんです。
美夢
突然! ご家族に相談などもなく?
音さん
自分のことなので自分で決めて、その後に家族には話しました。しっかり決意したことは人から何を言われても変わらないので、その意志を固めてから報告しました。
美夢
しっかりしているなぁ。
音さん
いやいや。今が楽しいから今がいい、そう思えたんですよね。
美夢
そうかぁ。でも「くり寿ちゃんが宝塚からいなくなってしまうのかー(泣)」と私は思いましたよ。『元禄バロックロック』のツナヨシ役も大好きでした!
音さん
ありがとうございます。男役、娘役関係なく、一人の役者としてあのお役をいただけたことはとても嬉しかったですね。
次ページ
公演が止まってしまったときの想い