アイドルは頑張ればどうにかなる世界ではない! 受けた恩恵に感謝する時期も、不平不満を持つ時期もあった。
──もともとは自信たっぷりだった小学生が、AKB48として芸能界に入ったことで超ネガティブ人間に様変わりしたと書籍にもありますが、どんな変化だったのでしょうか。
小学生の頃はダンスの習い事をしていて、それだけでもちょっと特別な存在になれる時代だったし、AKB48デビュー前にたまにバックダンサーのお仕事をさせて頂いていたことも自尊心を高めるきっかけだったと思います。でも、AKB48のメンバーになって芸能を目指す女の子がたくさん集まる環境になったときに、自分よりかわいい子たちを目の当たりにして、それまで培ってきた強みが通じないと実感。初っ端から心が折れたのを覚えていますね。さらにAKB48が有名になって売れていく嬉しさと同時に、選抜に選ばれなかったりテレビに出られるメンバーになれなかったりと苦しさも大きくなっていったので、いつも気持ちがグラグラするような日々でした。
──芸能活動は努力すればなんとかなる、というわけにもいかなそうな印象があります。
そうなんですよね。私自身が受験勉強とかをしていないので比べてしまうのもあれですが、例えば勉強すればするだけ身になっていい学校に入れたりするのとは違って、アイドルは頑張りだけでどうにかなる世界ではなかったので、そういう事もあって「自分が人気者になれないのは、可愛くないからなのかもしれない」って思考になっていったのかもしれないです。
──仕事を辞めたいと思ったことはなかったですか?
結構ありましたね。でも、AKB48にいた恩恵もたくさん感じていたんです。ソロだったらこんなに早く名前を知って頂けることもなかっただろうし、歌番組もバラエティも、ちょっとしたドラマにも出させてもらったこともあって、そういうのも個のチカラじゃなくて、AKB48っていう看板があるからだろうなって。不満を持つこともあったけど、それ以上にグループメンバーであることで守られてるってことに気付いていた自分もいたので、もどかしくもあり、感謝もしていました。
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AKB48時代、ある人の言葉に救われた!