お話をうかがった方
精神科医、作家
樺沢紫苑先生
SNSを通して精神医学や心理学、脳科学の知識をわかりやすく情報発信し、YouTube「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」が大好評。
Q.良い睡眠ができる方法を教えてください
りんたろー。さん(以下、敬称略)「僕はSNSが気になって、眠れないときほど時間をつぶすためにスマホを見ちゃうんです。だから寝る直前までスマホを手放せなくて、いつもスマホと添い寝状態」
樺沢紫苑先生(以下、樺沢先生)「そういう人は多いんですが、寝る直前のスマホは質のいい睡眠には大敵なんです」
りんたろー。「部屋の電気は消しているし布団に横になって体を休めているのに、どうして寝る前にスマホを見るのはよくないんですか?」
A.寝る2時間前から睡眠儀式をはじめて、寝る直前のスマホはNG
樺沢先生「スマホやパソコンのブルーライトは午前中の青空の光と同じ波長です。そのため、スマホを見ると脳は朝だと勘違いします。短時間なら問題ないと思いますが、今まさに寝ようとしているときにスマホを見ると脳が昼間だと勘違いして、眠気を吹き飛ばしてしまうんですね。たとえ寝落ちしても、深い睡眠にはなりづらい。だから、いい睡眠をとりたいなら、寝る前のスマホはよくない習慣です」
りんたろー。「僕の脳はスマホのせいで昼間だと勘違いして目覚めまくってたわけだ!? それじゃあ寝つきが悪くなるのは当然ですね」
樺沢先生「今の時代、ベッドまでスマホを手放せない人が多くて、それが潜在的な不眠症の原因になっています。暗闇の中でスマホを見ると、光の下で見るよりもずっと明るく見えますよね。その光が一気に目に飛び込んでくるので、脳はかなり強い刺激を受けてしまいます。寝る前のスマホを止めただけで睡眠薬を飲まなくても眠れるようになった、朝までぐっすり眠れるようになったという人は多いんです」
りんたろー。「そんなに影響があるんですね。でも先生、寝る前は絶対スマホを見ちゃダメですか? 寝る前にもLINEとか気になっちゃうんですけど……」
樺沢先生「パッと見て必要なLINEやメールのチェックだけにしてください。暇つぶしにだらだら見るのが一番よくありません。理想は寝る1時間ほど前までにスマホを見終える。それが難しい場合は、せめて寝る15分前からはスマホを見ない、ベッドにスマホを持ち込まないことをルールにしてみましょう」
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睡眠不足は太りやすい!?