今月の匠
THREE グローバル クリエイティブディレクター
RIE OMOTOさん
メイク製品はもちろん、ブランド全体のディレクションを行う、まさにTHREEの生みの親。NYを拠点に世界中のモード界で活躍するメイクアップアーティスト。
ブランドや秋のコレクションに込めた思いを知りたい!
愛ちゃん
THREEのカラーはもちろんですが、グレーの四角いパッケージを初めて見たとき、すごく洗練されていて、シンプルでカッコいいと思ったのを覚えています! 今年でブランド誕生から14年目とお聞きしましたが、どんなコンセプトから生まれたんですか?
OMOTOさん
ありがとうございます! ナチュラルとモードというまったく違うものを掛け合わせて、今までにない価値をつくりたいと考えて生まれたブランドがTHREE。当時は自分が仕事をしていたファッション業界と、ナチュラルやオーガニックは両極にあるような存在だったので、2つをうまく組み合わせてお洒落なものをつくりたくて。だから、ただ中身に自然なものを使うだけじゃなく、パッケージのデザインにもこだわりました。
愛ちゃん
そうなんですね! THREEのアイテムって、塗って失敗したって思うことが本当にないんです。たとえば、アイシャドウパレットもどの順番で重ねてもきれいに仕上がるから自由に使えて楽しくて! RIEさんはどんなことを大切にして製品をつくっているんですか?
OMOTOさん
うれしいです! 誰もがうまく使えて、ストレスにならないことが大切ですよね。だから、テクスチャーやなじみ方、発色、パールの奥行き感や透明感など、誰が塗っても自然でエフォートレスに見えることをすごく考えていますね。
愛ちゃん
誕生から14年目を迎え、たくさんのアイテムや色が生まれましたが、一番思い入れのあるものを選ぶとしたらどれですか?
OMOTOさん
一番はシマリング グロー デュオ。開発に取り組んだ約15年前には、ギラつかず、光やツヤが出るクリーム状のものが世の中になくて。パール入りで光を反射するんだけど、つけてないように自然に見えること、さらっとしてベタベタしないこと、うまくブレンドできることなど、全部をクリアするのがすごく難しかったですね。
ブランド誕生以来、大人気のハイライトにはこだわり満載
愛ちゃん
こだわりがたっぷり詰まってるんですね! 自然できれいなツヤが出るから私も愛用してます。RIEさんもご自身のメイクに使いますか?
OMOTOさん
もちろん! 自分のメイクをするとき、一番使うのがこれ。朝起きてこれを塗れば、“OK、まだ行けるわ”って気持ちになれるから(笑)。濃い色はアイホールと、笑ったときほっぺにできるたこ焼きみたいな丸みにのせてスーッとのばす。明るい色は鼻筋、目頭、唇の上に小指で。あとは気分で、ブラックかブラウンのマスカラだけの日も。
愛ちゃん
シマリング グロー デュオのハイライト部分の限定色・リフレクトグローも登場した秋新色は“音”がテーマなんですよね?
OMOTOさん
そうなんです、テーマは“SOUND IN COLORS”。新型コロナウイルスの影響でNYはロックダウンしたし、日本に来られず、どこにも行けなくて不便だったし、怖かったし、孤立した気持ちにも。だけど、そんな状況に追い込まれたことで“身近なもの”の大切さに気づくことができ、この経験を“視点を変えれば前向きになれる”というメッセージだと捉えられるように。このコレクションでは、世界が静かになったことで聞こえた身近な音を“色”で表現しました。
\“音”を色で表現するなんてお洒落!/
愛ちゃん
静かな世界でこそ、聞こえた音や見えた色なんですね。RIEさんに見えた色を製品開発に携わる方とはどう共有するんですか?
OMOTOさん
みんながバラバラのイメージを持たないように、最初は自分でつくった色だけを見せます。全体のテーマや色名などは伝えず、とにかく色に集中してつくってもらって、テーマは一番最後に発表するんです。
愛ちゃん
え~、答え合わせみたいで面白いですね! どの色も素敵ですが、これは絶対使って、という色は?
OMOTOさん
ソニックインスピレーションアイライナーのX03。柿みたいな色なんだけど、ポイントになるし、ダークブラウン系の日本人の目にすごく似合う。これ一個でモチベーションがアガるパワフルな色。
エネルギッシュなオレンジはこの秋イチオシの色
\ポイントになるカラーアイライナーをつくりました/
愛ちゃん
わ~♡ 秋っぽさもあって、鮮やかな色ですね。確かにライン一本で気分がアガりそうです!
OMOTOさん
私は“メイクは人をハッピーにする武器”だと思っているんです。その人のいいところを引き出して、嫌だと思ってる部分を目立たないようにすることもできるし、“きれいになった”って思ってもらえると、すごくポジティブなマインドになれると信じてるから。
愛ちゃん
素敵~! 私もメイクで元気や自信をもらった経験は数えきれないくらいあるので、本当にそう思います。RIEさんはTHREEをこれからどんなブランドにしていきたいですか?
OMOTOさん
世界進出しないとっていう野望はあるし、さらにいえば、“生きるため”のブランドにしたい。化粧品だけじゃなく、レストランもそうだし、健康にも環境にもいいことをしたいから自転車もつくりたい(笑)。あと、THREEのメイクアップアーティストになりたい人のためのスクールもつくりたい。若い人が進む道に迷ったときに背中を押すようなちょっとしたきっかけになれたり、なにか人に貢献できたら最高ですよね。そういうブランドを目指したいと思っています。
本日の愛ちゃんMAKE-UP
「RIEさんの気さくな人柄やポジティブな考え方がとても素敵。簡単にお洒落になれるアイテムはもちろん、THREEの世界観がますます好きに♡」
撮影/峠雄三(人物)、高橋一輝(静物) ヘアメイク/神谷真帆 スタイリング/西野メンコ 取材・文/小池菜奈子 構成/大木光
Edited by 大木 光
公開日:
この記事に登場したコスメ(5件)