今回教えてくれたのは…
こまがた医院院長
駒形依子先生
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科などを経て、2018年に、山形県米沢市で婦人科・漢方内科のこまがた医院を開業。高校時代から生理痛や過多月経に悩まされた経験から改善法を追求し、最小限の努力で最大限の効果を発揮するセルフケアを考案。ブログや講演などを通じて、患者が自分自身で治せる“グレない子宮の作り方”を提案。著書は『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA)など。
生理中のQOLを上げるために何よりも大切なのは、「休むこと」だと心得て
VOCE読者にアンケート調査を実施し、生理中、どんな不快症状が気になるかをリサーチしたところ、生理痛、出血量が多い、だるい、体が重い、眠くなる、ムレやニオイ、お腹が緩くなる、情緒不安定になる、モレが気になるなど、さまざまな症状が挙がった。
そこでまずは、生理中の不快な症状を少しでもラクにしてQOLを上げるために知っておきたいことを、産婦人科医の駒形依子先生に伺った。
「まず、生理中のQOLを上げたいと言うけれど、症状をラクにして、みなさんは何をしたいと思っているかですよね。仕事や家事や育児など、いろいろやるべきことがあるから、体を少しでもラクにしたいと思っているのではないでしょうか。でも、生理中は出血している状態です。詳しく言えば、子宮から子宮内膜が剥がれて傷が付いている、いわば、内臓損傷の状態です。そんな大変なことが起きているのだから、体をラクにすることで、普段通りに仕事や家事をしていたら本末転倒。本来、生理中はおとなしく寝ているのがよく、それが最もラクになり、生理中のQOLを上げるいちばんのコツ。毎月ちゃんと排卵が起きるようにするためにもそのほうがいいのです。まずはそのことを知っておいていただきたいです。
ただ、忙しい現代人は、寝ているわけにはいかないのが現実。せめて生理中は、普段より仕事量を減らしたり、人に頼めることは頼んで、なるべく体をいたわって過ごしてください。生理中でも頑張ってしまう人が多いと思いますが、頑張らないことです。結婚している人の場合、パートナーは、あなたが生理中でも家事をやってもらうのが当たり前と思っている人も多いと思いますが、“寝てていいよ”と言ってくれるのが本来あるべき姿。女性がつらくないふりをして働くほど、世の中の男性は、“生理は休まなきゃいけないほどつらいものではない”と認識してしまいます。ですから、頑張らず、パートナーに自分でできることはやってもらって、あなたは休みましょう。そして、休んでいてもつらい症状があるなら婦人科を受診して治療を」(駒形先生)
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生理中の不快な症状ランキング発表!