“免疫ビューティ”座談会
教えてくれたのは…
美容皮膚科医
山﨑まいこ先生
まいこ ホリスティック スキン クリニック院長。肌悩みの根本解決には外側からのケアに加え、内側からのケアも必要との考えから栄養学にも精通。包括的なアドバイスが人気。
VOCEST! 249
はまだ こうさん
32歳。鼻まわりやあごにニキビができやすく、頰はカサつく混合肌。とくに生理前は敏感になりやすく、花粉で荒れたり、目の上がはれることもあり、どうケアすればいいか迷う日々。
VOCEST! 236
michikaさん
26歳。冬はカサつき、春夏はベタつきに悩む。甘いものやお肉が好きで、インナーケアはまださほど意識してないけど、今後の健康や美容を考えて、そろそろ正しい知識が欲しいお年頃。
Q. そもそも免疫って何?
A. 敵の侵入や攻撃からカラダを守る機能です!
はまだ
先生、最近よく「免疫が大事」と言われていますが、よくわからなくて……。
山﨑先生
免疫の役割は、大きくふたつに分けられます。まず、ウィルスや細菌などの外的刺激が体内に入り込まないように防ぐ働きがひとつ。もうひとつは、それでも侵入してしまったものから守る役割です。
michika
なるほど! 私たちの健康に必要なんですね。
山﨑先生
後者には自然免疫と獲得免疫があって、自然免疫はもともとカラダに備わっていて、侵入の初期段階で総攻撃をかけます。対して獲得免疫は、一度侵入したことのある外敵に対して、過去の情報をもとにスピーディに反応。今話題のワクチンは、基本的には獲得免疫を応用してます。
Q. 肌と免疫ってどんな関係があるの?
A. 最大の防御器官である肌にももちろん、免疫細胞が働いています
山﨑先生
実は肌にも免疫細胞がいるのをご存知ですか?
michika
えっ、初耳です!
山﨑先生
肌はのどや鼻の粘膜と同じく、外敵刺激を体内に入れないように防御するのが役割。まずは、肌の細胞同士が隙間なく強固に繋がってバリアの役割を果たしています。それでも入ってきたときには、今度は肌内に存在する免疫細胞が反応するんです。
はまだ
頼もしいですね!
山﨑先生
そうなんです。肌の免疫細胞の中でもランゲルハンス細胞は、ウィルスをはじめとする異物やさまざまな刺激が侵入しないか見守る監視役。さらに、それらの侵入を敏感に察知して、いろんな伝達物質を出して先回りして排除したり、エネルギー産生を増やして対抗してくれます。
◆肌免疫の要“ランゲルハンス細胞”とは?
ウィルスや大気汚染物質、紫外線、乾燥、摩擦などさまざまな外的刺激がバリア機能をすり抜けて肌内に侵入したときに大活躍。いち早く状況を察知して、攻撃や防御の指令を各所に出したり、みずから炎症を鎮める働きも。
【ランゲルハンス細胞の役割】
ランゲルハンス細胞の働きはひとつに限らず、監視して外敵に合わせた対応を指示する司令塔、戦士、ガードマンとマルチプレーヤー。
Q. 肌の免疫が下がるとどうなる?
A. 肌荒れ、乾燥、エイジング etc.美肌からどんどん遠ざかります!
michika
肌の免疫って美肌ともかかわりがありますか?
山﨑先生
もちろん! 肌表面のバリア機能が乱れていると、外的刺激が肌の中に侵入し、それをランゲルハンス細胞をはじめとする免疫細胞が敏感にキャッチ。正常に働いていれば、炎症を鎮静化できますが、そうでないと、炎症が悪化。肌荒れやニキビなどができやすくなったり、バリア機能もさらに乱れて乾燥し、エイジングも進行、とさまざまなトラブルが発生します。
はまだ
もしかして、最近のマスク荒れも肌の免疫低下が原因ですか?
山﨑先生
はい。肌の免疫が低下しているところに、マスクによる摩擦が加わり、肌荒れが起こっていると考えられます。
Q. 肌の免疫が下がる原因は?
A. 寝不足、乱れた食生活など誰でも免疫が下がる可能性大
はまだ
でも、なぜ免疫は下がってしまうんですか?
山﨑先生
ひとつはランゲルハンス細胞が加齢により、パワー不足になるから。さらに亜鉛不足でもランゲルハンス細胞が暴走して、悪影響が。
michika
食事も深く関わってくるんですね。
山﨑先生
カラダの免疫すべてにおいて、です。皆さん、ダイエットを意識して油やタンパク質が不足しがちですが、バリア機能や免疫細胞の材料不足に。もちろん睡眠も大事。
はまだ
つい、スマホ見ながら、寝落ちも……。
山﨑先生
それは×。睡眠の質が落ちて、就寝中の肌細胞の修復が滞り、刺激への抵抗力が低下します。さらにストレスが多いと、免疫細胞の約70%が集まる腸に負担をかけることに。インナーケアも大切です。
\NGリスト/
肌を含め、全身の免疫を下げる要因をチェック。あてはまることがあれば、できるところからでいいので改善を。
- 寝る直前まで、スマホが手放せない
- 湯船につからず、シャワーのみが基本
- 乾燥肌はデフォルトと思い、諦めている
- 仕事のことを常に考えてストレスフル
- 丼ものや麺系など糖質過多になりがち
- ダイエットのため油&肉抜きの食事
【結論】
免疫は健康に関わっているだけではなく、美しく健やかな肌とも深い関わりが。でも今は「〇〇はダメ」といったネガティブワードが多くストレスフルで、免疫機能が下がったり、暴走しがち。正常に機能させるには、カラダの中と外、両方からアプローチを!
次ページ
美肌にも大きく関係している肌の免疫アップのアイテムを紹介します!
- 1
- 2
この記事に登場したコスメ(6件)