沙央くらまさんと大貫勇輔さんのご結婚とご出産の発表にあたり、VOCEのインタビューを改めてお届けします。
今回のゲストは元宝塚歌劇団・専科男役スターの沙央(さおう)くらまさん。雪組、月組、専科に在籍し老若男女幅広い役柄を見事に演じきる稀有な存在でした。退団後も幅広く活躍されるマルチな才能の持ち主。多くの人から愛される沙央さんの魅力に迫ります!
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生はちみつにはまっています!
美夢ひまり(以下 美夢):宝塚現役時代にこだわっていた美容法ってある?
沙央くらまさん(以下 沙央さん):栄養を摂る時間がなかったから、栄養を補うためにサプリに頼っていたかな。休みの日は1日身体のメンテナンスに当てて、身体のためにしか過ごしてなかった気がする……。やっぱり身体が資本だし「美容と健康」を常に意識していたよね。水素水が良いって教えてもらったら飲んでみたり、良いって教えてもらったものはスキンケアと一緒で何でも試していたな。
美夢:最近ハマっているものは?
沙央さん:生はちみつにハマってる! はちみつじゃなくて生はちみつね。よく行くはちみつ屋さんがあって、そこでお店の方から蜂の一生の話を聞いたら、私、涙が出るほど感動しちゃって(笑)。生はちみつは非加熱で酵素が壊れていないから栄養価が高くて免疫強化はもちろん、腸内環境を整えるのにも良いんだ。「そば蜂蜜」っていう生はちみつがあるんだけど、非加熱のはちみつは寝る前になめても虫歯にならないくらい殺菌作用があるのね。寝る前になめてから寝ると朝起きたときから喉が潤っているから舞台をやっているときなんかは必需品。私は基本的にコーヒーとかはあまり飲まなくて、お湯ではちみつ溶いたはちみつ湯を飲むようにしてます。最近現役の子から「腸活を始めたんですけど、コマさんのおすすめはありますか?」って聞かれたからおすすめの生はちみつを送ったところ。
美夢:優しい~!
沙央さん:みんなコロナウイルスの影響で大変だからね……元気になってもらえたらと思って。
舞台メイクにかかる時間は15分!
美夢:コマって初舞台の頃からメイクが上手かった印象。
沙央さん:そんなことないよ、ベースメイクが猿のお尻みたいに真っ赤になっていたよ(笑)。
美夢:いや、初舞台の時の顔ってみんなひどいのにコマはそんなことなかった!
沙央さん:でも同期の中で手先が器用だったのは確か。髪の毛を切ってあげたり、予科生の時は娘役の子の三つ編みをやってあげたりしていたよね。メイクも若い頃から好きだったんだと思う。
美夢:あとさ、メイクがすごく早いよね。宝塚メイクって特殊だから結構時間がかかるのだけど……。
沙央さん:早かったね。普通にやって15分くらい。時間かけちゃうと逆に変になっちゃうんだよね。
美夢:もう手が覚えているんだね。
沙央さん:そうなの。だから女役の時は無意識に眉毛が凛々しくなってしまったりしてちょっと大変だったけど(笑)。退団公演の時は「何でそんなに早いのか知りたい」って下級生の子たちが楽屋に見学に来たりしていたよ。
美夢:メイクをするときのポリシーみたいなものってあった?
沙央さん:役が違うから当然と言ったら当然なんだけど、同じようなスーツ物のお芝居だったとしても、毎公演絶対にどこかメイクは変えるようにしてた。描き方をかえたり、まつ毛をかえたり。「幅広い役柄を演じられる役者さん」って言っていただくことが多かったから、メイクやかつらなどで全く違う外見をつくることもこだわっていたかな。それは雪組時代に水夏希さんから学んだことなんだよね。水さんのメイクって本当に繊細で毎公演すごくこだわっていらして。水さんと私の顔ってタイプとしては真逆なんだけど本当に色々教えていただいて、それが私のメイクのベースになりました。
上級生の方から教えていただいたことは下級生の子たちに伝えるようにして。それが宝塚の伝統だよね。
美夢:他に上級生の方から影響を受けたことってある?
沙央さん:私はあの方のリーゼントってどうなっているのかな? 化粧品何を使ってらっしゃるのかな? と疑問に思ったことは、『タカラヅカスペシャル(年に1度スターたちが一堂に会する夢の祭典)』とかでご一緒させていただいたときに面識がなくても直接お聞きしに行っていたの。宝塚の上級生の方って本当に優しくて「リーゼントを作るときこれを使ったらやりやすいから持っていきな」って整髪料をくださったり、「一緒にやってあげるから開演〇分前に私の楽屋においで」って言ってくださったり。私もご一緒できるときに学ばないと! と思って甘えさせていただいていたよ~。
美夢:コマの人徳だよね。
沙央さん:怖いもの知らずだよね。「雪景色」という作品でちぎちゃん(早霧せいなさん)とダブル主演させていただくことになったときは、轟悠さんの楽屋に2人でお邪魔してメイクを教わりに行ったんだ。ノートとペンを持って全部メモして。轟さんから教えていただいたことは本当に私の財産だよ。
美夢:轟さんから直接教えていただける人なんてそういないもんね。
沙央さん:そう、だから私も教えていただいたことを下級生の子たちに伝えるようにして。それが宝塚の伝統だよね。
美夢:うん、そうやって100年以上続いているんだよね。
あの役を経験したことが退団して女優として舞台に立つうえで本当に役立ってる!
美夢:現役時代一番メイクにこだわった役って何?
沙央さん:うーん、「All for One」のモンパンシェ公爵夫人かな。ポスター撮影の時にヘア&メイクアップアーティストのCHIHARUさんから色っぽく見えるメイクテクニックをたくさん教えていただいて。あとちゃぴ(愛希れいかさん)もすごくこだわりのある娘役さんで、彼女は舞台袖の早替わり場所にもリップグロスを何本も置いていて、それこそ場面ごとに色をかえたりしていたのを見ていたから、「この場面はどんなリップが良いかな?」とか相談させてもらって。上級生だけでなく下級生にも聞いちゃう(笑)
美夢:そういう姿勢が大切なんだと思うな。私、コマのモンパンシェ公爵夫人大好きだった!
沙央さん:ありがとう。化けなきゃいけなかったから大変だった(笑)。ドレスの着こなしや、鎖骨にもハイライトを入れたら綺麗に見えるかな……とか研究することがたくさんあって。でもあの役を経験したことが、退団して女優として舞台に立つうえで本当に役立ってます。
【沙央くらまさん・プロフィール】
PROFILE
沙央 くらま (Sao Kurama)
元宝塚歌劇団専科男役。シェイクスピアシアター出身の俳優を両親に持ち、幼い頃よりピアノや絵画、歌唱など、芸術の英才教育を受けて育つ。2001年宝塚歌劇団に入団。宙組「ベルサイユのばら2001」で初舞台を踏み、雪組、月組、専科に在籍。老若男女、幅広い役柄を見事に演じきる高い演技力と歌唱力を持った男役スターとして活躍。
2018年2月に惜しまれながら宝塚歌劇団を退団し、現在はテレビ、映画、舞台、美容、ラジオMC等で多才派女優として活躍中。
次回は9/27(日) 15:00公開! 沙央くらまさんの愛用コスメに迫ります。
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撮影/金栄珠、取材・文/美夢ひまり
Edited by 三好 さやか
公開日: