連載 齋藤薫の美容自身stage2

今から「性格のいい人」になる方法があった。それこそが、最強の美容!

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人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。今月のテーマは「今から『性格のいい人』になる方法があった。それこそが、最強の美容!」。

人間いきなり“いい人”に見えないと、第一印象を磨く意味もない

初対面! あなたはまず、その相手の何を見るのだろうか。もちろん勝手に視界に入ってくるビジュアルから、美しいかどうかの判断を瞬時に行うはずだが、でももっと反射的にやっているのは、その人が「いい人かどうか」の見極め。
美しいかどうかの判断だって、単純ではない。美人にも2種類いて、“鼻持ちならない美人”と“いい人そうな美人”、一体どちらだろうということを無意識に見分けている。これは自分にとって敵か味方かを知る人間の本能と言ってもいい。逆に、初対面の相手に見られているのも、当然いい人かどうか。第一印象をよくしようといろいろ策を練っても、結局のところ相手はまずそこを知りたいわけで、最初にいい人じゃないと思われたら、もうその先はない。第一印象を上品に知的に見せようなどという努力だって無駄になる。

婚活中の初対面なら、きちんとしていそうに見えたり、家庭的に見えたりすることを、第一印象盛り込みたいのだろうが、そもそもいい人に見えなきゃ、家庭的も何も意味がなくなることを、私たちは忘れがちなのだ。一方、新入社員がキャリアを積んだ経験者の途中入社だったりすると、その人が一見「いい人そう」というだけでともかく一同、安心する。善人か悪人か、敵か味方か、そこまで簡単に人間を二分するのが人間なのだ。人間関係はすべてそこから始まるのである。そういう意味であなたは「いい人」だろうか?“いい人そうに見・せ・る・こ・と・”は得意、そういう人も少なくないはずで、もちろんそれだけでも世の中渡り歩けるが、いい人の振りも結構疲れるし、結局ばれたら人として致命的。この際本物の「いい人」になってしまった方が早いのではないか。でもどうやって?

そこで「いい人」になる、究極の方法を紹介したい。そんなものがあるの?と言うだろう。確かに、心理学的にも“いい人”になる方法など説かれていないし、性格を直す治療もないはずなのに。でも本当。心理学でも精神医学でもなく、健・康・法・の・一・つ・としての提案なのだ。体の中から、いい性格を作っていくという……。

“いい人”になる方法も“幸せになる方法”も、実は腸が握ってた?

それはズバリ、“腸活”。腸の調子を整えることにより、心までが整うという考え方だ。確かに今や“腸の働きをよくする腸活”は、もっとも身近で効果的な健康法とされていて、誰もが何らかの形で腸活を始めている時代である。いわゆる腸内フローラを整えるヨーグルトを食べたり、腸の動きをよくする運動をしたり、そもそも食べ物に気を使ったり。腸活サプリを飲んでいる人もいるだろう。

だから、あなたもすでに気づいているはず。お腹の具合がいい時、とくにお通じがいい時、体が軽くなるだけでなく、気持ちまで軽くなっていること。たとえば便秘が解消された時、なんだか万歳をしたくなる。それは辛い便秘から解放されただけではない、本当に心までが喜んでいるからなのだ。実はそこに、腸と脳の深い関係が潜んでいる。腸がいい状態にあると、脳も心地よくなるという……。

腸はよく「第二の脳」と言われるが、悩みごとがあるとお腹が痛くなったりするのは、その証。腸には多くの神経細胞が集まっているからだが、最近の研究では、人間の体の成り立ちからいうと、腸の方が先に生まれて、むしろ腸が脳を作ったのだとも言われている。だから、脳の方が「第二の腸」なのだという説さえあるほど。つまり、腸が脳に指令を与えていると考えてもよく、だから感情までもが腸に支配されていると言えるのだ。

実際、腸の調子がいい時は、イライラしない、不機嫌にならない、ネガティブにならない……などなど、とても自然に“いい人の条件”がそろってしまう。何だか知らないが、明るく機嫌よくポジティブになれてしまう。嘘みたいに気持ちが落ち着き、心が整っていくのを感じる。お通じのいい状態がずっと続くと何だかそれだけで生きるのが楽しくなってしまうのだ。逆に悪い状態が続くと、生きているのも辛くなり、鬱になりやすいともされる。日本語には「腹が立つ」「腹の虫が収まらない」また「腹黒い」などの言葉があって、それもお腹と心がつながっている証。いずれにせよ私たちの想像をはるかに超えるほど、腸は重要な臓器なのだ。機嫌よく人生を生きるうえで。

ちなみに、免疫細胞の6割以上が腸にあり、腸が快調なら多くの病気にかからないという驚くべき力も備えている。要するに体も心も、腸次第なのである。で、その究極が、「腸で性格のいい人になる方法」! ただ、胃腸薬を飲んで一時的に腸の状態を整えるくらいでは、 当然のことながら性格がよくなるまでには至らない。もっともっと根本的に腸内細菌のバランスが整っていかなければ、性格までは変わらない。そこで決め手となってくるのが、実はビフィズス菌。いかにもな、身近すぎる決め手だけれど、結局のところビフィズス菌を増やすことが、約100兆個もある腸内細菌のバランスを整え、心を整える決め手となるのだ。

たとえば最近、「記憶力を維持するヨーグルト」が市販されているけれど、これなどまさに、ビフィズス菌を増やすことによって脳を活性化し、認知症予防もする機能性食品。いよいよヨーグルトでボケ防止、そんな時代さえ来てしまうのだ。さらに腸内細菌は神経伝達物質をも操っていて、言い換えればそれは、幸せホルモンを分泌させることにほかならない。まず昨今注目のセロトニン。精神を安定させ心を前向きにする神経伝達物質だが、脳内物質なのに、実はその9割以上が腸で生まれていると言われるのだ。そしてドーパミン。やる気や快感、学習能力を高める神経伝達物質だが、これも腸内で多く作られる。どちらにせよ幸せホルモンの発生場所は、ひたすら“いい腸”に尽きるということ。ビフィズス菌を増やすことによって、いい人にもなれるというのはそういうことなのだ。

この腸内細菌、ビフィズス菌の研究は今なお進んでいて、やがては性格がよくなるヨーグルトなども生まれてしまうかもしれない。そこで私は今、毎日せっせとビフィズス菌を摂っている。ヨーグルトで、あるいはサプリで。ちょっとでも“いい人”になろうと。そこで気づくべきなのは、いい人になることと幸せになることは、イコールなのだという事実。「幸せになりたい」はほぼ全員が強く強く願っている。しかし、「いい人になりたい」と強く願っている人は、多分そう多くない。私たちの中で、いい人と幸せは、実はあまりリンクしていないのである。それが不幸の始まりと言ってもいいほど。単純に考えれば“いい人”は、怨みつらみも持たないし、嫉妬したりもしない。怒りをぶちまけたり、意地悪したりもしない。誰にも優しく、だから誰にも愛され、必然的に幸せになれる仕組みになっている。いつも機嫌がよく、心が前向き、それこそを幸せと言うはず。そんな簡単なことに人間は気づかずにいたのである。

それも、性格は持って生まれたもので一生直らないと多くの人が思っている。だから悪あがきはしないし、「いい人になりたい」などという願望も生まれないのかもしれないが、もし腸活だけで“いい人”になれ、ついでに幸せにもなれてしまうとしたらどうだろう。ならば、なりたいと思うのが人の常であるはず。幸せの定義は極めて曖昧だ。ついつい、裕福かどうか、人より恵まれているか、社会的に成功しているか、そういうことから幸せ不幸せを考えてしまう。でもだから幸せになれないのだ。本来は、もっと単純にもっと軽やかに、腸および心の状態を良好に保つだけで、人は必ず幸せになれるのに。ちなみに、腸がよくなれば肌もキレイになるし太らない。それがオマケのようについてくる“幸せ腸活”こそ、最強の美容にして生き方改善と言えないか?

腸が整うと、それだけで“いい人”になれ、幸せになる。お通じがいいだけで機嫌がよくなり、生きることが楽しくなる。そんな簡単なことに人間は気づかずにいたのである。

撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳

Edited by 中田 優子

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