「ずっとポジティブな人はいない。だからこそ上手く付き合う方法が必要」
──ネガティブだった時期は、どんなことが特に辛かったですか?
「今考えると、やっぱり人と比べちゃうことが自分の中で辛かったかな。10代の頃は一番そういう時期なのかもしれないけど、AAAのメンバーがすぐ近くにいる環境だったし、色々なアーティストがたくさんいる。友達に対しても、 “時間があってすごく楽しそうだな……”とか思っちゃったりしていたし。でもそういう考えでいると、悪い方向に進んでしまうし、自分も周りもフレンドリーじゃなくなるんですよね。僕がポジティブになるとポジティブな人が寄ってくる。類は友を呼ぶっていう言葉は本当にあるんだなって実感しています」
──ポジティブな今は、人と比べちゃいそうなときはない?
「いや、全然ありますよ!(笑)昔ネガティブな時期もあったので。でも、“あ、ちょっと元の自分に戻りそうだな……”っていうときは、すぐに名言や本を読んだり、メンタルヘルス関連のYouTube動画を観たり、散歩をしたり、ジムに行って体を動かしたり、自分が信頼できる友達に話してアドバイスを貰って対処します。自分を客観視してもらえる環境やツールが、今はたくさんあるから。
メンタルヘルスを勉強したことで、“こうなったらこうしよう”という色々な方法が自分の中で身に付いたんです。この問題は一度友達に聞いてみよう、これは自分で解決できそうだから、散歩して1時間ぐらいゆっくり考えてみようとか、問題としっかり向き合えるようになれたのかも。
ずっとポジティブな人間って、絶対にいないと思うんです。仕事でもプライベートでも、生きていたら何かしらの問題は起こる。でも、そういう場面で一瞬ネガティブになりそうになったとき、無理矢理ネガティブを忘れようとすると同じ問題が人生でまた降りかかってくるから、常にそのネガティブなことと対面するのが大事だと思うんですよね。対面して、そこで回避する方法や考え方があるだけで、昔みたいに長い時間落ち込まなくなりました。
生きていく上で、ストレスを完全にゼロにするって、多分無理じゃないですか。朝があって夜があるのと一緒で、ネガティブがあるからポジティブがわかるというか。だからこそ、ストレスを最小限にしてうまく生きていくということが重要だよなと思っています」
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セルフコンパッションの大切さ