連載 VOCE特別インタビュー

金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT』に出演中!歌舞伎界のプリンス【尾上右近】の知られざる素顔は?

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理由なく心が動く瞬間に、人は感動する。最終的に必要なのは人間力の爆発!

尾上右近さん

──俳優業も順調ですが、歌舞伎との共通点はなんだと思いますか?

右近「それはまだはっきりとはわかっていないですね。ただ一つ、歌舞伎をやっていた自分が他の世界に対して自信が持てるのは、集中力だと思います。歌舞伎は稽古期間も短く、4日程の稽古でいきなり初日を迎えるんですね。でも、お客さんはそんな事情を知らずに観に来てくれる。実力や準備が間に合ってなかったとしても、とりあえずハッタリをかましながら間に合わせる集中力は鍛えられました。結局、僕らが舞台で放出しているのは人間力なんです。それは技術を超えた一番素敵なこと。『“上手い”は感心はするけど感動はしない』と僕は思っていて。理由なく心が動く瞬間に人は感動するし心に刻まれるものであり、修業や鍛錬、勉強や準備みたいなことでは測れないものなんです。もちろん、何度も稽古を重ねた上での話ですが、最終的に必要なのは人間力の爆発なのだと。その瞬間を何度も味わってきた歌舞伎の時間を僕は信じています。」

──そして、歌舞伎も俳優もみんなの思いを受け継ぐアンカーとしての役割は同じだと話す右近さん。
右近「歌舞伎、とくに自主公演は多くの人が自分のために関わってくれています。たとえ現場にはいなくても、大道具の絵を描いたり、小道具を手配したり。いろんな人の手を渡ってバトンが自分の手に渡っているという感覚を、23歳での自主公演で初めて感じました。誰一人欠けてもこれはできないこと。その感謝の気持ちは映像の世界でも、どこへ行っても思うことですね。歌舞伎役者も役者さんもリレーのアンカーのようなもの。みんなそれぞれのバトンを繋ぎ、最後に受け継ぐ。前走のスタッフさんがごぼう抜きしてくれても、役者が遅かったらみんなに追い抜かれて最後はビリになるし、その逆もできる。『俺に任せろ、引き受けた!』ということができれば最後逆転も可能なんです。思いをつなぎ、みんなに走ってよかったねと思ってもらえるかどうか、そこに関わりが深いものがある気がしますね。

──歌舞伎役者として、俳優として今を一生懸命過ごすことが、思いがけない未来につながることも。

右近「未来のことは常に予想がつかないから、やはり今を信じて一生懸命やるしかないんです。こっちも人間だから自分の行動を100%信じられないときもあるんですよ。『これでいいのかな?』と不安をかかえながらもやるしかない。だって、今こんな風に連ドラをやらせてもらうのも想像がつかなかったし、まさか、第45回日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞するなんて3年前は思わなかったですからね。まあ、とにかく自分を信じてやるしかないですよね。」

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右近さんの知られざる素顔は?

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