Who’s 歌舞伎のプリンス・尾上右近さん?
PROFILE
尾上右近さん
1992年5月28日生まれ。曽祖父は六代目尾上菊五郎。母方の祖父に昭和のスター鶴田浩二、父親に歌舞伎伴奏音楽、七代目清元延寿太夫(きよもと えんじゅだゆう)を持つ。7歳で歌舞伎座にて初舞台。歌舞伎伴奏音楽の清元唄方も務める。大河ドラマ『青天を衝け』をはじめ、ミュージカル、バラエティ、歌番組や情報番組のキャスターなど多方面に活躍。映画『燃えよ剣』にて第45回日本アカデミー賞 新人俳優賞受賞。7月より、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT!』(毎週金曜 後11:15)で民放連続ドラマ初出演を務める。
器用なバランサーというよりも、一つ一つ死に物狂いでやりとげるタイプ!
──現在は歌舞伎の他、バラエティ出演やドラマでの俳優業など、活動の場を広げていますね。
右近「歌舞伎を広めたいというよりは、自分自身を広げたいと思いチャレンジしています。そもそも、歌舞伎は演目より役者を見にくる意味合いが強い文化だと思うんですね。そうすると、何よりもまず役者の魅力がお客さんを呼ぶ一つの起爆剤になる。そのためには、自分が興味深い存在でないといけないと、自分を磨いている感覚です。」
──やりたいことは我慢せずにチャレンジをしたいと話す右近さん。でも、決して器用なバランサーではないそう。
右近「忙しくて時間がないとはまったく思わないですが、たまに、やることがたまってツケが回ってきたなと思うときはありますね。そういうときは、夏休み最終日に宿題をまとめてやる感覚で、とにかく詰め込めばいいだけの話。まったく、優雅ではないですよ。そこまで客観的に自分をみられるタイプではないので、目の前のことに集中して、他を後回しにしてしまう。最後に帳尻を合わせるために毎度、必死です。器用なバランサーというよりも、一つ一つ死に物狂いでやりとげている感じですね。」
──今は自らを奮い立たせ、自分のペースを崩しキャパを広げる時間だとか。
右近「最後に徹夜してでも帳尻をあわせられるのは、独身の今だけじゃないですか。それに、僕はまだなにも始まってない! まだまだ俺のことを知らない人、歌舞伎を観たことがない人がいくらでもいる。そこに対する務めを果たせていないのに、仕事をセーブさせてくれなんて、こじんまりしたことを言ってる場合ではないよと。いまは、自分のペースをどんどん崩してキャパを広げるタイミング。そういう思いでやっていますね。」
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世界に対して自信を持てるところは?