◆教えてくれるのは……
美容ライター 楢﨑裕美さん
美白に肌修復etc.、新製品でもパワー全開!
“酵素”が肌にしてくれること
日本人の白肌信仰は篤(あつ)く、ずっと美白ケアが重視されてきたが、最近は白肌<透明感溢れる肌。各社、最上の透明感を求め、研究&開発を続ける中、今期、ズバぬけた透明感で注目を集めたのがランコムだ。興味深いのは、それを叶えたのが最先端アプローチではなく、酵素洗顔料や代謝酵素などでおなじみの酵素、という事実。かなりロハスなのに、くすみデフォルトの私も満足する透明感をもたらすパワープレイ。でも酵素って何だっけ?
「酵素は、体内で起こる化学反応を触媒する物質で、主にタンパク質です」とは、ランコム基礎研究所シニアエキスパート、鈴木格さん。「新しい細胞をつくる、筋肉を動かすなど、体内で何かしら起こるときには、タンパク質やDNAなどの分解や合成、酸化、還元をする必要があり、それを速やかに行うのが酵素です。ほとんどが10nm以下〜100nm程度と非常に小さく、通常の顕微鏡では観察できませんが、最新技術では動きまで明らかになりつつあります」。たとえば、細胞のエネルギー源(ATP)がつくられるときは、酵素が水車のようにクルクル回転。材料を中に取り込み、ATPへと変換していく。これは一例だが、「生物が先か酵素が先か、でいうと、明らかに酵素が先。酵素ナシでは生物は存在し得ない」というのも納得してしまうほど、活発かつ精密に動いており、この動きが加齢などの影響で衰えれば、カラダのあちこちで支障をきたし、透明感が失われるのも想像に難くない。
では、肌内の酵素そのものをスキンケアで与えればいいかというと、「酵素は分子が大きいため浸透しにくいうえ、細胞の中へ到達させるのはさらに難しい。やはり酵素に働きかける成分を配合するほうが有効」とのこと。ちなみにランコムが着目したのは、肌の生まれ変わりや潤い成分NMFの生成にかかわる酵素で、この働きや発現を応援する成分を配合。まだまだ未解明な部分が多いだけに、今後、酵素ケアで得られる透明感の可能性は未知数。楽しみで仕方ない!
(左)フューチャーソリューション LX ユニバーサル ディフェンスe SPF50+/PA++++ 55g ¥9500/SHISEIDO
温度差の激しい環境に負けない肌づくりの鍵を握る酵素カスパーゼ14の産生促進成分を配合。
(中)クラリフィック ホワイト セラム〈医薬部外品〉30ml ¥14000(7/17発売)/ランコム
新たにメラニン生成に関わる酵素アプローチを追加。
(右)スイサイ ビューティクリア パウダーウォッシュN 0.4g×32個 ¥1800(編集部調べ)/カネボウ化粧品
肌表面の古い角質や皮脂を分解する酵素がイン。
撮影/藤本康介 取材・文/楢﨑裕美
Edited by 遠藤 友子
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