連載 VOCE特別インタビュー

歌舞伎界のプリンス【尾上右近】が語る!「あの方に振り向いてもらうために、歌舞伎を始めました」(4週連続VOL.04)

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右近さんが、6回目の自主公演に込める思いは?

尾上右近さん

──今回行われる6回目『研の會』でも、新たなチャレンジをされているそうですね。演目には『色彩間苅豆~かさね』『実盛物語』が用意され右近さんは『色彩間苅豆』でかさね / 与右衛門を、『実盛物語』で斎藤実盛を務めます。

右近「今回はお芝居仕立ての『実盛物語』と舞踊仕立ての『色彩間苅豆~かさね』の2公演。『実盛物語』には子役として昔一度この演目に出演したことがあり、憧れの演目で、いつか自主公演で初役をやらせていただけたら嬉しいなという思いがずっとありました。『色彩間苅豆~かさね』は清元として伴奏を経験したことのある作品で、今回初めて役者として挑戦します。『かさね』を文楽人形としてコラボする形で上演できたら各々にとっても面白いのではと思いつき、清元の兄や父にも出演してもらって家族3人で作品を手掛けます。歌舞伎と人形劇を同時に行うことは、いわゆる普通の公演ではなかなかないことなので、実験的にやってみることにしました。まるで昼ドラのような、男女が駆け落ちする濃厚なラブストーリーで話もわかりやすいですし、みなさんに楽しんでもらえると思いますね。

──「初めて見た人も歌舞伎に慣れ親しんだ人も面白いと思ってもらえるものをやりたい」。右近さんの歌舞伎に込める思いとは?

右近歌舞伎って入り口が狭いので、小難しいと躊躇してしまう人も多いと思います。けれど、じつはみなさんが当たり前に抱く感情やワクワクする普遍的なストーリーがたくさんある。今回、初めて見に来た人は、『色彩間苅豆~かさね』で突然人形が登場して、不思議だなと印象を持つかもしれない。でも、5分も見ればそんな違和感も忘れてしまうほど引き込まれる面白さがある。僕は誰でも楽しんでもらえるものが好きなんです。ご飯だって自分が美味しいと思ってないものを人に勧めるわけにはいかないじゃないですか。僕の自主公演は、ただただ僕が見たい、楽しいと思うものを自分で作っているだけ。みなさんに『うまいよ、これ食べてみて』ということだけなんです。一言で言うならば、僕が中心となる歌舞伎は絶対に面白いから見にきてと言いたい。公演ではオリジナルのカレーも発売しますよ。うまいと思うカレーをね。それも含めて楽しんでもらえればと思います。」

右近さんの強すぎるカレー愛を語ったインタビューはこちら!>>

尾上右近 自主公演 第六回『研の會』 

尾上右近自主公演『研の會』

2015年よりスタートした尾上右近 自主公演『研の會』が6回目として3年ぶりに国立劇場で上演。新たな試みに挑戦する右近さんの姿は見逃せない!

■公演情報
8月22日(月)昼の部/夜の部、8月23日(火)昼の部/夜の部の全4公演。国立劇場 小劇場にて上演。
・住所:東京都千代田区隼町4-1
・問い合わせ先:尾上右近事務所 080・4862・5858(11:00~20:00)
・チケット予約開始:7月16日(土)午前11:00~
【e+(イープラス)】https://eplus.jp
【国立劇場チケット売場】11:00〜18:00(窓口販売のみ)

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衣装:シャツ¥42900/CABaN Daikanyama(CABaN) パンツ¥19800/TOMORROWLAND
その他/スタイリスト私物 
〈問い合わせ先〉CABaN Daikanyam 03・5489・5101/TOMORROWLAND 0120・983・522

撮影/前原哲也 ヘアメイク/白石義人 スタイリスト/壽村太一 取材・文/池城仁来

Edited by 沈 晨棟

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