連載 VOCE特別インタビュー

歌舞伎界のプリンス【尾上右近】が語る!「あの方に振り向いてもらうために、歌舞伎を始めました」(4週連続VOL.04)

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尾上右近さん

歌舞伎俳優と清元唄方の「二足のわらじ」を履き、現在、金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT!』では民放連続ドラマ初出演と俳優としても活躍する歌舞伎俳優・尾上右近さんがVOCEに初登場! 8月には2015年よりスタートした尾上右近自主公演『研の會』が6回目として3年ぶりに国立劇場で上演。今回は、右近さんの歌舞伎への愛についてお伺いします。

尾上右近さん

Who’s 歌舞伎のプリンス・尾上右近さん?

PROFILE
尾上右近さん
尾上右近さん

1992年5月28日生まれ。曽祖父は六代目尾上菊五郎。母方の祖父に昭和のスター鶴田浩二、父親に歌舞伎伴奏音楽、七代目清元延寿太夫(きよもと えんじゅだゆう)を持つ。7歳で歌舞伎座にて初舞台。歌舞伎伴奏音楽の清元唄方も務める。大河ドラマ『青天を衝け』をはじめ、ミュージカル、バラエティ、歌番組や情報番組のキャスターなど多方面に活躍。映画『燃えよ剣』にて第45回日本アカデミー賞 新人俳優賞受賞。7月より、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT!』(毎週金曜 後11:15)で民放連続ドラマ初出演を務める。

尾上右近さん

「自主公演は、僕の歌舞伎への情熱をぶつける自己研鑽の場」右近さんが歴代の自主公演をふり返る!

──自主公演『研の會』6回目の公演が8月より始まります。自主公演は演出から費用まですべてを自分でプロデュースするため、責任も重大ですね。

右近「自主公演は自分がやりたくてやっていること。僕の歌舞伎への情熱をぶつける自己研鑽の場だと思っています。だんだん歳を重ねるたびに、公演の意味合いも変化してきまして。23歳での初公演は『僕を見て!』というアピールの場でしたが、最近は自分のやりたいことをお客さんに提案する場になってきましたね。年代的にも、そろそろ僕がみなさんを引っ張っていかないといけない。頑張るので応援してください、だけでは歌舞伎の公演とは言えないんです。『必ず面白いことをするから、僕についてきてください』とみなさんを引き連れ、巻き込んでいかないとね。」

──右近さんは第2形態に突入したんですね。

右近 「そうそう、変化していますよ! 何をやりたいかが軸にあるのが大前提ですが、そのために僕が変わるのはいとわない。むしろ、変わることは自分のやりたいことがみなさんに響いている証拠だなと思います。」

──第一回目の自主公演は23歳で行ったそうですが、なぜそのタイミングだったのですか?

右近 「自主公演を始めるタイミングとしては少し早かったかもしれないですね。ただ、そのときどうしても『春興鏡獅子』という演目がやりたかったんです。僕が、歌舞伎を始めるきっかけになったのがこの『春興鏡獅子』という演目。ひいおじいちゃんにあたる六代目尾上菊五郎さんが踊っている映像を見て、僕は歌舞伎に憧れ、スタートしました。それ以来、いつか演じてみたいと夢を追いかけ、そのために生きてきたようなスタンス。なんでしょう、僕にとっては永遠の憧れの女性のような感じなんです。あの方(春興鏡獅子)に振り向いてもらうために男を磨いている、みたいな感覚で役者の修行をしていましたね。」

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「春興鏡獅子」に恋してしまい、その結果は……?!

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