念願だった銭湯とのコラボレーション! でも、目標はまだまだ先にある
2019年には、渋谷にある銭湯「改良湯」にて、自分らしく生きる女性を祝福するメディア「She is」とのコラボレーションイベントを開催。タトゥーと銭湯をめぐるトークディスカッションのほか、オリジナルの銭湯タトゥーシール付き入場券も作成した。
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タトゥーのイメージを変える入口になる、という目標に向かって、着実に歩みを進める岩谷さん。2019年には、タトゥーにとって“最大の難所”ともいえる「銭湯」とのコラボレーションイベントを実現させるにまで至った。
「この銭湯イベントでは、タトゥーへのイメージが180度変わりましたとか、こんなタトゥーがあるなんて知らなかったとか、嬉しい声もたくさんいだきました。ただ、私はこの1回のコラボで完結とは思っていなくて、できたらその先を目指したいと思っています。それは、銭湯や温泉に行ったとき、タトゥーが入っていても白い目で見られないような世界になること。だから、今はまだ道半ば。地道な活動を続けていくしかないですね。
決して、世の中の価値観をガラリと変えたいわけではありません。実際に、タトゥーで背中などに描かれた般若や鬼の絵は怖いです。でもそれは、Tシャツとして着ていても怖いもので、柄として怖いものは、もちろん怖いだろうな、と思います。威嚇するためにタトゥーを彫っている人もいるでしょうし……。それでも、さりげない絵柄があることや、日本の刺青文化が世界に誇れる高い芸術性をもつことなど、タトゥーのいろんな顔を知ってもらうことで、もう1回、みなさんにタトゥーについて考えるきっかけを与えられたらと思っています」
「自分の好き」を信じられれば、強い気持ちでいられる
出版社「さりげなく」から今年4月に刊行された、岩谷香穂さんの書籍『渡り鳥』。閏年しか店頭に並ばないという一冊は、全366ページ中、文章は8ページのみ。残りの358ページは白紙で、買った人が自由に使ってほしいという願いが込められている。
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「もう1回考えてみるというのは、実は私自身のテーマでもあります。今年4月に出版させていただいた本『渡り鳥』は、“閏年(うるうどし)”がコンセプトなのですが、普段向き合ったことのないテーマだったので、めちゃくちゃ調べました(笑)。でも、よく知らないことについて勉強するのはとても好きですね。たとえば、物理学者さんとか、今まで交わったことのない分野の方たちとも交流してみたいです。これからも自分の価値観を広げて、新しいものを作り続けていけたらいいなと思います」
最後に、自分が信じる“キレイ”を仕事にしたいと思っている女の子たちへ、一足先に夢を叶えた岩谷さんから、ささやかな“励まし”のメッセージをもらった。
「私の仕事は、自分がやった分だけ、自分に返ってくる仕事です。発信したものに対して、みんながどんな反応をするのか不安な日もあります。それでも、世の中に無理に合わせて作ったものより、自分の好きを信じて作ったものの方が、発信した後も強い気持ちでいられます。
家具などの身の回りのものも、惰性で選ばないで、本当に好きなものだけをそばに置く。そうして“自分が愛せるもの”を増やしていくと、誰かが共鳴してくれたり、応援してくれる人が現れたり、思ってもみない面白いことが降ってきたりします。自分の好きを信じ続けられれば、何か楽しいことが起こるかもしれませんよ」
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■岩谷香穂さんのタトゥーシールブランド「opnner(オプナー)」
オリジナルタトゥーシールは、ブランドHPのオンラインストアのほか、全国の取扱店やポップアップイベントなどで販売。新作や在庫が随時更新される、ブランドHPは要チェック!
【ブランドHP】https://www.opnner.com/
【Instagram】https://www.instagram.com/poxn/
【Twitter】https://twitter.com/opnner
写真協力/前田直也(opnner写真1-3枚目) 取材・文/金澤英恵
美容のミライとは?
「キレイになるって、面白い!」をテーマに1998年に創刊された美容誌VOCE(ヴォーチェ)。そのウェブサイトが今年20周年を迎えました。新しい時代、新しい世代に向けて、新ビューティ企画「美容のミライ」を始動します!
テーマは、「キレイになるって、地球に優しい!」。人や環境を傷つけることなく、また最先端の科学やテクノロジーを凝縮して生み出される新時代のコスメたちをフィーチャーし、“未来のキレイ”を見つめるコンテンツをお届けします。
Edited by VOCE編集部
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