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コロナ禍の医療現場にも届いた、タトゥーデザイナー・岩谷香穂さんが拓く、新たな価値観

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しんどい日も、一緒に越えていけるように

しんどい日も、一緒に越えていけるように

岩谷さんが自分の肌にタトゥーを入れたのは、2〜3年前。東京に来てからのことだ。
実は高校生の頃から体にペンで絵を描くのが好きで、よく自分の手などに落書きをしていたそうだが、その頃は完全にファッションとして楽しむ感覚だったという。

「タトゥーは自分を助けてくれるもの、という気持ちが私の中で強くなっていったのは、オプナーのタトゥーシールをつけ始めてからなんです。自分の体に入れたタトゥーもそうですが、つらいことがあっても、その絵を見ることで、ぐっとがまんすることができた。
オプナーは、最初はここまで長く続けようと思って始めたわけではありませんが、続ける過程で見えてきた軸が、タトゥーによって“励ましを届けたい”ということでした。ブランドメッセージの、“タトゥーというのは、体が変わろうと人生と共存できる、最高の励ましてあって、永遠のジュエリーです”という言葉にも、そんな思いを込めています」

強い光が当たる場所だけでなく、少し影を落としている場所にも、さりげなく光をあてる。オプナーのタトゥーシールは、そんな存在であってほしいと岩谷さんは願う。

「女の子たちが、人と比べたりせず、ありのままで無理せずに、その日を乗り越えるための応援ができたらいいなと思っていて。私のタトゥーシールは、“イエーイ!”とテンションを上げるアイテムとしても使ってほしいですが、一方で“しんどい日も一緒に越えてこう”っていう、その人の心に寄り添うようなものでありたいとも考えています。くすっと笑える絵柄もそうですし、文字のデザインの場合は、心にちょっとだけ風が通る、そんな言葉を選ぶよう心がけています」

トイレでこっそり、励ましをチャージ。コロナ禍の医療現場から届いた意外な声

トイレでこっそり、励ましをチャージ

その想いに共鳴するかのような出来事が、つい最近あったという。ある日届いたメッセージから、タトゥーシールが意外な使われ方をしていたことがわかったのだ。

「新型コロナウイルスの影響でテレワークになった女性たちから、これまで会社には、つけるとしても服の下にひっそりという感じだったけど、今は在宅だから毎日好きな場所につけることができて嬉しい!という声をいただきました。タトゥーを眺めてはニマニマしてます、というのを見て、私も嬉しくなりました。もう一つ感動したのは、医療従事者の方からの声です。コロナ禍の医療現場は想像を絶する忙しさだと思うのですが、靴下の中や、制服の下につけたタトゥーシールを、トイレでこっそり見て励まされています、というメッセージをくださって。こちらこそ本当にありがとうございます!と、思わず心の中で叫びました」

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銭湯コラボも実現! 何かを考えるキッカケを与えたい

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