美肌と睡眠の深い関係
睡眠は、肌を美しく保つため、そしてカラダを元気に保つために欠かせないものです。その理由は、睡眠中には、キレイ&元気に必要な“成長ホルモン”が最も多く分泌されるからです。
“成長ホルモン”とは、子どもから大人へと成長する過程で身長や体型を変化させるのに必要なものですが、実は大人にとってもアンチエイジング、ダイエット、健康維持などに抜群の効果を発揮します。肌のハリを保つ、骨密度を高める、脂肪を減らす、新陳代謝を活性化するなどの働きを持ち、大人の毎日にとっても、とても重要なホルモンなのです。
しかし、“成長ホルモン”は、30歳前後を境に分泌が徐々に減ってしまいます。でも、質が高く&効率の良い睡眠をとることによって、その分泌を可能な限り高めて、美肌につなげることができるんです!
睡眠で美肌になるコツ①:寝てすぐの3時間を大切にする
人間のカラダは、睡眠中に様々な機能のリペア活動を行っています。起きている間は、エネルギ―消費量の多い脳に血液が多く集まりますが、睡眠に入ると脳以外の場所(=肌や内臓などのいたるところ)に血液がまわって酸素と栄養を送り込み、組織の再生と修復を行います。
睡眠中は、深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠が約1時間半のセットになって繰り返されます。特に、最初の2セット(=3時間)が深い睡眠となり、そこで“成長ホルモン”が多く分泌されます。そのため、“眠り始めの3時間”に質の良い睡眠状態を作れるようにすることが大切なのです。
睡眠で美肌になるコツ②:眠りの質を高める
“眠り始めの3時間”に質の良い睡眠をとるためには、食事、運動、寝室の環境を適切に整える工夫が必要です。
【食事】
■炭水化物を摂り過ぎない
炭水化物の摂り過ぎは、“成長ホルモン”の分泌を抑制します。“成長ホルモン”の分泌を高めるには、タンパク質を積極的に摂るようにしましょう。
■寝る直前の食事は避ける
満腹のまま眠ると、就寝後も胃が消化活動を続けるため、脳が興奮してなかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなったりすることがあります。食事はできるだけ、寝る2~3時間前までには済ませるようにしましょう。
【運動】
■寝る2時間前に適度な運動をする
適度な運動によって一時的に体温を上げ、体温が徐々に下がるタイミングで眠りにつくと寝入りをスムーズにすることができます。しかし、寝る直前に激しい運動したのでは、交感神経を刺激してしまい寝付けなくなる場合があるので、寝る2時間前あたりに適度にカラダを動かすと良いでしょう。
【寝室の環境】
■光を調節する
寝る前に強い光を浴びると脳は活性化され、体内時計にも影響を与えてしまいます。夜遅くや寝る直前にパソコンやスマホの画面など強い光を発するものは見ないようにして、なるべく暗い環境で眠るようにしましょう。
■音を調節する
寝る前に音楽を聴くことは問題ありませんが、実際に眠る時には、音もできるだけ静かな環境に整えると良いでしょう。人の話し声も脳への刺激になるので、テレビやラジオをつけたまま寝ることは避けましょう。
睡眠で美肌になるコツ③:1日に6時間は寝る
医学的に見ると、睡眠を5セット(=約7時間)取っている人が最も死亡率が低いそうです。最低でも4セット(=6時間)は睡眠をとらないと、肌あれや目の下のクマなどの悪影響も現れやすくなるといいます。
また、1日6時間睡眠をとるなら昼夜逆転しても良い、というわけではなく、朝は太陽光を浴び、夜はしっかり寝るという規則正しい生活を送ることで、“成長ホルモン”の分泌も促進することができます。毎日ちがう時間に寝ることや週末の寝だめも、体内時計が狂ってしまうのでNG。いつもより遅くまで寝るとしてもプラス1時間程度にとどめて、日中に1時間以内の昼寝を加えるくらいにしておきましょう。
年齢を重ねるとともに“成長ホルモン”の分泌は減ってしまうため、20代の頃よりも、30代になってからのほうが睡眠不足の影響は大きく現れるようになります。カラダや肌の不調が気になったら、その原因は睡眠不足や睡眠の質の悪さにあるのかも、と疑ってみましょう。スキンケアや食事の見直しよりも、睡眠の取り方を見直すことが、女性の不調を解消する近道になることがあります。今すぐ”睡眠で美肌になる”コツを取り入れて、キレイ&元気な毎日を目指しましょう。
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取材・文:地曳久美子
Edited by VOCE編集部
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