手汗・足汗ってどうやって対策すればいい?
教えてくれたのは…
よしき皮膚科クリニック銀座 院長
吉木伸子先生
1998年「よしき皮膚科クリニック銀座」を開業。レーザーやケミカルピーリングなどの美容皮膚科学と漢方を取り入れた治療は、多くの女性に支持されている。『内側から変わる! 毎日のスキンケア10の法則』(廣済堂出版)など著書多数。
【クリニックHP】http://yoshiki-hifuka.com/
そもそも、なんで手・足に汗をかくの?
吉木伸子先生
発汗には、じつは3種類あるのをご存知でしょうか。体温調節のための「温熱性発汗」と、精神的な緊張による「精神性発汗」、そして辛いものなどを食べたときに汗が出る「味覚性発汗」です。手のひら・足の裏は他の体の部位に比べて汗腺が多いため、人によって、これらの発汗機能が過剰に反応してしまうケースがあり、特に温熱性発汗や精神性発汗が過剰な人は、手汗・足汗をかきやすいといえます。
緊張すると手に汗をかく、夏になるとサンダルが汗でべとつく、などの一般的なレベルであれば問題ありませんが、普段の生活に支障が出るほど汗が気になる人は、「全身多汗症」や、女性に多い「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)」の可能性も。多量の手汗・足汗でお困りの場合、まずは皮膚科でご相談されるといいと思います。
手汗・足汗の対策法は?
吉木伸子先生
手汗・足汗は汗止めの塗り薬でコントロールしますが、重度の多汗症の場合、自律神経をコントロールする飲み薬を使用することもあります。
ですが、ご自身でも対処できることはあります。脇汗対策でもお伝えしたように、汗と自律神経は切っても切り離せない関係。そのため、まずは交感神経を休めること、何も考えずリラックスすることが、手汗・足汗対策でも有効な手立てのひとつになるはずです。
吉木伸子先生
夏のちょっとした工夫としては、足汗を蒸発しやすくするために、サンダルは素足ではくのがおすすめ。仕事中のパンプスのにおいが気になる人は、ストッキングをはくよりも“靴用の汗取りシート”を活用するといいでしょう。シートが湿ってきたら取り替えるなどすれば、においも発生しづらくなります。
暑い季節にスニーカーなど厚手の靴を履くとにおいがこもり、余計に気になってしまうので要注意。手汗も同様に、手袋などをはめない方が汗は蒸発しやすくなりますよ。
3回にわたって“汗対策”についてご紹介しましたが、吉木先生いわく、ここ最近では“汗をかけなくなっている人”も少なくないのだとか。
「お風呂に入ったときに、じわっと汗をかいている状態。それが“適度な発汗”の目安です。適度な発汗機能を維持することは、健康のためにも欠かせません。年齢が上がると発汗機能が落ちる人もいますから、そういった方は“汗を出す”ための軽い運動も意識するといいですね」と吉木先生。暑いのに汗をかけないと、熱中症にもなりかねません。“適度な汗”を心がけて、上手に汗対策しながら夏のオシャレを楽しめるといいですね!
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写真協力/shutterstock 取材・文/金澤英恵
Edited by 西村 美名子
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