−朝ドラへのご出演は今回が初めてということですが、現場の空気はいかがでしたか?
主演の窪田(正孝)さんや山崎(育三郎)さんなど、同世代の役者さんが一堂に会しているので、とにかく活気があって楽しかったです。特に、窪田さんはさすが座長! というカリスマ性があって。盛り上げるところは盛り上げて、場の雰囲気を引き締めるところは引き締めてくれるので、頼りにさせていただきました。それから、歌をテーマにしたドラマなだけあって、スタジオにも歌声が溢れているんですよ。野田洋次郎さんや森山直太朗さんの生歌を聞いたときは、感動して鳥肌が立ってしまいました。僕自身は、歌が得意な方ではないので、憧れてしまう部分もあります。
―中村さんが演じられている村野鉄男はどんなキャラクターですか?
鉄男は元ガキ大将で、大人になってからも熱いハートを持っていて、正義感もとても強いんです。僕は学生時代も教室の隅っこからみんなのことを見ているようなタイプだったので、基本的な性格は真逆かもしれないですね。でも唯一似ているところがあるとしたら、我慢強いところでしょうか。子供の頃から口数が多いタイプではなくて、自分の胸の内は滅多に人に明かさないタイプ。あまり誰かに相談したり助けを求めたりせず、自分のことは自分で解決するところは、共通しているかもしれません。
−これまでの人生で歌詞を書いたことはありますか?
文章を書くのはそんなに得意ではなくて(笑)。ポエムのようなものを書いたのは、学生の頃、授業で書いたのが最後ですね。俳優の仕事を通して台本を読んだり、役作りのための資料を読んだりするうちに徐々に活字に慣れ親しんでいるつもりではあるんですが、ゼロから何かを紡ぐのは難しいですよね。今回、鉄男の役を深めるために、モデルとなった野村さんの本を何冊か読んだんですが、作詞家さんへの尊敬が深まるばかりです。
−ドラマの一番の見どころを教えてください。
やっぱり、歌のチカラなんじゃないかと思います。歌って、詳しい詳しくないにかかわらず、誰の人生の中にも必ず何かしら存在するものじゃないですか。この歌があの時に支えてくれたな、とか、卒業式でこれ歌ったな、あの校歌よく歌ってたな、とか。とにかく、人生の節目節目についてくるものですよね。劇中には登場人物のモデルとなった方にまつわる楽曲が使用されているのでストーリーを追いかける上でも楽しめますし、お芝居と歌の相乗効果にも毎回感動してしまいます。午前中に予定がない日は8時に起きて僕もリアルタイムで『エール』を観ています。自分が出演させていただいているということももちろんあるんですが、客観的に観ても、すごくいい作品だなって思うんです。だからこそ、多くの方に届いてほしいと思います。個人的に初めての朝ドラということもあって、思い入れは人一倍強いですね。
−先日オンエアされた戦争のシーンでは、苦悩や葛藤も多かったですね。
そうなんです。戦争に国民をかりたてる歌詞が書けなくなって、一旦記者に戻ってしまうんですよね、鉄男は。最終回に向かって再び作詞家として動き出すので、ぜひ注目していただけるとうれしいです。
―ドラマの撮影は4月から6月半ばまで、一時期お休みだったそうですが、ステイホームの時間に満喫したことはありますか?
そこまで胸を張れるほどの腕前じゃないですが、料理をするようになりました。得意料理は甘いだし巻き卵とお味噌汁。朝ごはんを作るのが楽しいんです。お料理YouTuberのチャンネルをいくつもサーフィンしましたね。それから、久しぶりに大好きなラジオをゆっくり堪能しました。次の日撮影がなくて夜更かしできるときは、オールナイトニッポンを聞いたりとか。でも、休んでいる間、結局、演技がしたくてたまりませんでした。
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中村 蒼(なかむら・あおい)
1991年3月4日生まれ。福岡県出身。2006年に舞台『田園に死す』でデビュー。高い演技力が評価され数々のドラマ、映画、舞台に出演。BS時代劇『赤ひげ3』(NHK BSプレミアムにて毎週金曜日 20:00~)に保本登役にて出演中。
素顔がのぞけるブログも好評更新中。
INFORMATION
連続テレビ小説「エール」
日本の激動の時代に人々の心に寄り添う音楽を生み出した作曲家・古山裕一と妻・音を中心に紡がれる心温まるストーリー。中村さんは野村俊夫氏をモデルにした作詞家・村野鉄男役を熱演中。物語はいよいよクライマックスに突入。最終回まで目が離せません。
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取材・文/石橋里奈 撮影/天日恵美子 スタイリング/秋山貴紀
Edited by VOCE編集部
公開日: