【目次】
- UV対策基本のき
- 今さら聞けない素朴なギモン
- 知らないとキケン? 5つのNG
- プロがレクチャー!「これが正しい塗り方」
- 頼りになる“飲む日焼け止め”の取り入れ方
- 速報!【新作日焼け止め】7ブランド全部見せ!!
1.UV対策基本のき
シミの原因になるだけでなく、シワやたるみも引き起こしてしまう紫外線。そんな肌へのダメージを防ぐべく、おさえておきたい「日焼け止めの基礎知識」について、美容皮膚科医の髙瀬聡子先生にお話しを伺いました。
日焼け止めって塗らないとダメ?
まずは、日焼け止めを塗る必要性について。
ここを理解していないと、忙しい毎日の中で、通常のスキンケアやボディケアにプラスして、1ステップ工程を追加するのはハードルが高いですよね。
では、日焼け止めが必要かどうかと言うと、答えはイエス! 理由は、ズバリ肌老化の80%は紫外線が原因だから。赤く炎症を起こしたり、肌色を黒くしたり、シミの原因になるのに加えて、コラーゲンなどの真皮組織をも破壊。シワやたるみを引き起こします。
また、それだけではなく、遺伝子を傷つけるため、皮膚がんの原因にも。それらを防ぐためにも、積極的に日光浴をするのは考えもの。むやみに浴びない方がベターです。
地上に届く紫外線はUVAとUVB
では、紫外線とは何かについて。
地上に届く紫外線は、UVAとUVBのふたつ。このふたつについてちょっと深掘りすると……
●UVA
地上に届く紫外線の95%を占めているのが、このUVA。
雨や曇りの日でも降り注ぎ、窓ガラスも通過するのが特徴で、真皮の奥まで到達。コラーゲンやエラスチンなど、肌のハリや弾力を支える繊維にダメージを与えるため、シワやたるみの原因に。日焼け直後に一時的に肌が黒くなる「サンタン」の原因でもあり、もちろんシミの原因、メラニンの生成にもかかわります。
そして、このUVAに対する日焼け止めの防御効果を示すのが、PA(Protection Grade of UVAの略)。UVAによって肌が黒くなる「サンタン」の発生を、どれほど遅らせられるかを数値化したもので、+の数が多いほど防御力が高く、現在の最高値はPA++++です。
●UVB
地上に届く量は5%とはいえ、UVAよりも破壊力が強いのがUVBです。
海やプールなどで日焼けした後に、肌が真っ赤になったり、ヒリヒリするのは、このUVBが原因の炎症で「サンバーン」と呼ばれます。細胞のDNAを傷つけて、メラニンの生成を促してシミの原因になるほか、皮膚がんの原因にも。
UVBを防ぐ効果を示すのが、SPF(Sun Protection Factorの略)。UVBによって肌が赤くなる「サンバーン」の発生をどれくらい遅らせられるかを数値化したもの。数値が高くなるほど防御力が高くなり、現時点での最高値はSPF50+です。
では、この紫外線を防ぐのに、いちばんベストな方法はというと、物理的な遮断がイチバン。具体的にいうと
- 日傘を差す
- ツバの広い帽子をかぶる
- 長袖や長ズボンなどの洋服で肌の露出を極力少なくする
- サングラスをかける
- できるだけ日陰を歩く
それでも覆えない部分、カバーしきれない部分をフォローするために日焼け止めが必要なのです。
日焼け止めは2種、用意するのがオススメ
デイリー用と、アウトドアやレジャーなどの紫外線が強いシーン用の2つを用意し、使い分けをしましょう。それぞれどう選ぶかというと……
デイリー用
通勤時や洗濯物干し、買い物などデイリーの紫外線対策としての日焼け止めは、毎日使うことが大前提なので、テクスチャーや大きさなど使い勝手を重視して選ぶべし。渋々“塗らなくちゃ”と思うのではなく、毎日、“塗りたくなる!”ようなテクスチャーで、自分的に使いやすいものがベストです。
紫外線の防御力としては、SPF25/PA++以上が目安ですが、今は、SPF50/PA++++の最強クラスでも肌に負担が少なく、心地よいテクスチャーのものもあるので、あまり数値にとらわれず、感覚を最優先に選びましょう。
また、最近は肌荒れの原因となる大気汚染や、老化をもっと進める近赤外線に対応しているものも。気になる人は、そういう効果を併せ持つアンチポリューションタイプがオススメです。
アウトドア&レジャー用
こちらは強い紫外線を大量に浴びるときのため、と考えるとやはりブロック力を重視すべき。SPF50/PA++++といった紫外線の防御力が高いという条件に加えて、汗や水に強いウォータープルーフや、こすれに対しての耐久性が強いというのも大切なポイントになります。
また、肌が弱い人、荒れやすい人は、紫外線をカットする剤の中でも、紫外線吸収剤を刺激に感じることが多いので、紫外線吸収剤フリー、ノンケミカルといった表記があるものを選ぶといいでしょう。
プチプラはというと、日本のものは優秀なものが多いですが、それでもメーカーによって差が大きいので、一度、テスターなどで試してみるのが◎。チェックすべきは、きちんとなめらかにのびるかどうか。紫外線を防ぐためには、肌表面に均一に膜をはる必要がありますが、それが可能かを見極めるひとつの目安になります!
塗る量は思っている以上に多めが正解
SPFやPAの値は、1㎠あたり、2mgを塗って計測されていますが、実際には、その1/4~1/8の量しか塗っていないといわれています。
つまり、塗っていても絶対に日焼けしないわけではありません! あくまでも塗らないよりは、紫外線の影響が少ないと心得て。でも、ダメージを軽減する効果は十分にあります。
1㎠あたり2mgを塗るのは現実的には難しいので、今までよりも意識して多めに。オススメは2度塗りや3度塗りです。
2~3時間おきに塗り直した方がベター
上記でも触れましたが、実際に肌に塗れている量は、表示してある防御力を発揮するには足りていません。また、汗や皮脂の影響で少なからず落ちてしまうため、基本的に2~3時間おきに塗り直しましょう。
塗り直すときのコツとしては、皮脂や汗で肌表面が濡れていると、日焼け止めを重ねても上手く紫外線を防ぐ膜が張れずに、塗り漏れができたり、定着せずによれやすくなるので、タオルやティッシュなどで汗や皮脂を軽くおさえてから塗り直すこと。
外出先で手足や髪などにササッとならスプレータイプ、メイク直しのついでにパパっとならお粉タイプなど、TPOに合わせて使い分けるのもオススメです。
以上、まずはおさえておきたい、日焼け止めの基礎知識。基本的には毎日、心地よいものを2度塗りし、外で過ごすなら2~3時間おきに塗り直す、外に出る前には塗り直すを徹底してみてくださいね!
お話をお伺いしたのは……髙瀬聡子先生
ウォブクリニック中目黒総院長。美容皮膚科医。VOCEをはじめ、多くの雑誌やテレビなどの媒体で、スキンケアについて取材を受けること多々。皮膚科医のノウハウを盛り込み、使い心地にもこだわったドクターズコスメ「アンプルール」の開発も手掛ける。著書に『健康な肌のための新常識 いちばんわかるスキンケアの教科書』(講談社)など。
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