「この作品の現場は、とても居心地が良かったです」 (横浜流星さん)
―今作が初共演のお二人ですが、撮影を通してどんな印象を持ちましたか?
吉高由里子
テレビや作品越しで見ていたイメージとは全く違って、すごく落ち着いている方だなと思いました。優しい声だから居心地も良いし、お芝居に対してもワンシーンワンシーン真剣に考えてくれるので、すごく信頼しながら演じることができましたね。でも、ちょっと子供っぽいところもあったな。急ないたずらとか(笑)。
横浜流星
僕は逆に、もともと感じていた印象とあまり変わらないかも。吉高さんが温かい空気感を作ってくれたからこそ悪ふざけができた(笑)。本当に明るくて、現場にいるみんなを和ませているような方なんです。色々なコミュニケーションが取れたので、自分も心を許せた現場で過ごせたなと思っています。
―吉高さん演じる明香里と、横浜さん演じる塁。お互いが演じていた役で、それぞれ共通するなと感じた部分はありましたか?
吉高由里子
塁と(横浜)流星は、どちらも意志が強くて貫くタイプなんだろうなって思います。私だったら泣き出しちゃいそうな大変なシーン撮影でも、めげずにやりきって何度もすごいなぁと思ったんですよね。塁のように、追い込まれても立ち向かえるメンタルを持っている感じがします。
横浜流星
明香里と吉高さんは、結構似ているところが多いんじゃないかなと勝手に思っています。色々なことを背負っていたり考えているけれど、それを絶対周りには見せずに明るくいれる、太陽みたいな人。そういう点が明香里に近いなと思いました。
「(横浜)流星は、嘘つくのが下手だよね(笑)」 (吉高由里子さん)
―演じる上で意識したことや、心がけていたことを教えてください。
吉高由里子
クランクインをする前に盲目の方々にお会いしたんですけれど、会話をしているときの目の動かし方を探りながら演じるようにしていました。ただ、やっぱり何度か相手の顔を見ちゃいましたね。やっぱり会話をしていると目が見たくなっちゃうんだろうな。
横浜流星
目を合わせていないと、自分が言っていることがきちんと伝わっているのかな、という不安があったので、いつも以上に想いみたいなものをぶつけられるように演じていました。ただひたすら、明香里を純粋に思うだけ。相手には見えていないけれど、きちんと目を見て伝える用意をしていましたね。
―今回の共演で感じた、お互いの美しい部分は?
吉高由里子
やっぱり、目が綺麗だなって思いました。
横浜流星
本当ですか(渋い声)。
吉高由里子
声はまだ褒めてないよ(笑)。忙しくて大変な時期だと思うのに、すごく目が澄んでいて綺麗だなと。きっと色々な経験をしてきたからこそなんじゃないかな。あと、明香里が顔を手で触りながら塁の顔を確かめるシーンがあるんですけれど、色々なパーツが整っていて、顔が美しいなぁと思っていましたね。内面でいうと、正直で真面目。謙虚だけれどハッキリしているところとか、潔くて気持ちの良い人だなと思いました。嘘、下手そうだもんね?
横浜流星
そうですね(笑)。嘘はつかれるのもつくのも嫌ですし、たとえ僕が嘘をついたとしてもバレるから、必然的に嘘をつくようなことはしないです。吉高さんは、人柄を含めて全てが美しい。吉高さんを嫌いな人はいないと思うし、誰からも愛される人だと思うんですよ。それは一緒に撮影をしていてすごく感じました。吉高さんも嘘をつかないですし、心からキレイですよね。
「次は、吉高(由里子)さんに上からものを言う役がしたいかな」 (横浜流星)
―それでは最後に、映画のタイトルにかけて、お互いに今“問いかけたいこと”は?
吉高由里子
そうだなぁ……。また私と共演するとしたら、どんな作品やりたい?
横浜流星
僕が吉高さんに上からものをいう役。
吉高由里子
(爆笑)
横浜流星
面白そうだなぁ。僕は年下なのに生意気なキャラクター。『はい!』って全部言うことを聞いてもらいたいですね。
吉高由里子
私、すごくしばかれるんでしょ? カットかかった瞬間、お前〜!ってなるかもしれないよ(笑)。
横浜流星
(笑)。僕が問いかけたいのは……、元気ですか?
吉高由里子
ご覧の通り、元気です!
横浜流星
元気の源は?
吉高由里子
よく寝ること。やっぱり、睡眠をしっかり取ると自分自身が充電されるから。美味しいものを食べることやお酒を楽しむのも好きだけど、それだとストレス発散はできても、体力は回復しないから。アラームをつけないでも眠れる日は、起きる時間が自分の起きたいタイミングっていうのが一番。
横浜流星
やっぱりそうですよね〜。僕、あんまり眠れないし、長時間寝ると時間が無駄なんじゃないかって思っちゃうんですよ。
吉高由里子
心配! 生き急がないで、きちんと休まないと。
横浜流星
確かに(笑)。休むことは大切ですね。
吉高由里子(よしたか・ゆりこ)
PROFILE:1988年7月22日生まれ。東京都出身。2008年、映画『蛇にピアス』で主人公を熱演し話題を呼ぶ。この作品で「第32回日本アカデミー賞 新人俳優賞」、「第51回ブルーリボン賞 新人賞」、「第18回日本映画批評家大賞 新人賞」を受賞。映画『僕等がいた』(’12/主演)、『ユリゴコロ』(’12/主演)、連続テレビ小説『花子とアン』(’14/主演)、ドラマ『東京タラレバ娘』(’17/主演)、『知らなくていいコト』(’20/主演)など多くの作品に出演する。現在、ドラマ『危険なビーナス』が放送中。
横浜流星(よこはま・りゅうせい)
PROFILE:1996年9月16日生まれ。神奈川県出身。2011年俳優デビュー。2019年ドラマ『初めて恋をした日に読む話』で髪をピンクに染めた不良高校生・由利匡平を演じ話題に。さらに映画『愛唄 -約束のナクヒト-』『チア男子!!』『いなくなれ、群青』(19)と主演作が公開。今年はドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』『私たちはどうかしている』で主演を務めた。2020年第15回ソウルドラマアワードでアジアスター賞を獲得。
映画『きみの瞳(め)が問いかけている』
©︎2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
©2020 Gaga Corporation / AMUSE Inc. / Lawson Entertainment,Inc.
目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。小さな勘違いから出会った2人は、徐々に惹かれあっていく。ささやかな幸せを感じていたある日、明香里は誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。それ以来、ずっと自分を責めてきたという明香里。しかし、彼女の告白を聞いた塁は、彼だけが知るあまりに残酷な運命の因果に気付いてしまっていた──。
2020年10月23日(金)全国ロードショー
【出演】
吉高由里子、横浜流星、やべきょうすけ、田山涼成、野間口徹、岡田義徳、奥野瑛太、般若、坂ノ上茜、森矢カンナ、町田啓太、風吹ジュン
(横浜流星さん衣装)
ジャケット¥66,000、Tシャツ¥14,500、パンツ¥26,000/全てラッド ミュージシャン(ラッド ミュージシャン 原宿)
撮影/MELON(TRON management) ヘアメイク/永瀬多壱(ヴァニテ/横浜流星さん) スタイリスト/有本祐輔(7回の裏/吉高由里子さん)、伊藤省吾(sitor/横浜流星さん) 取材・文/高橋夏実
Edited by VOCE編集部
公開日: