「アゼライン酸」基本のキ!
ヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界80ヵ国でニキビ用医薬品として承認されている、天然由来のアゼライン酸。効果や上手な取り入れ方について、皮膚科医に徹底取材!
教えてくれたのは…
皮膚科医・医学博士
小林智子先生
2015年より米国で皮膚科の臨床研究に従事し、帰国後は食事と健康に関しての情報を医学的立場から発信。
アゼライン酸は、大麦などの穀物に含まれる天然成分。妊婦さんも使用可能です
ニキビやニキビ跡、テカリなど、多くの肌悩みに効果が期待できます!
「毛穴の詰まりを取り除く、皮脂の分泌を抑える、アクネ菌を殺菌するなどの効果で赤ニキビや白ニキビを改善。さらに抗炎症作用でニキビの悪化を防いだり、メラニン生成を抑制してシミを改善したりとさまざまな効果があるアゼライン酸。ニキビ跡や肝斑などの色素沈着、酒さにも有効とわかっています。高濃度配合のものはクリニック専売となりますが、肌悩みに幅広く対応できる成分といえるでしょう」
◆知られていないのはナゼ?
小林先生
多くの効果が認められるアゼライン酸ですが、日本では厚生労働省から医薬品として認められていません。結果が出るのに少し時間がかかること、効果の高いディフェリンゲル等がすでに治療に使われていることなどが理由でしょうか。いまのところ、アゼライン酸は化粧品の含有成分の一つという位置づけなんです。
マスク肝斑のケアにもお役立ち!
\マスクの摩擦で悩む人が急増中!/
「色素沈着の中でも治療が難しいとされる肝斑にも効果を発揮。20%のアゼライン酸は2%のハイドロキノンより効果的だという報告もあります。炎症後のシミにも対応できる」
レチノールとの併せ使いも問題ナシ!
「ニキビ治療に使われるディフェリンは、レチノールと同じビタミンAの一種ですが、アゼライン酸と一緒に使っても問題ありません。同じくニキビ治療で処方される過酸化ベンゾイルとの併用も可能」
高濃度のアゼライン酸は皮膚科で処方してもらえます!
「20%という濃度のアゼライン酸製剤は、クリニックなどで手に入れることができます。ニキビ治療の場合はまずディフェリンやダラシンを使ってみて、状態に応じて処方されることが多いです」
乾燥・敏感肌の人は、まずは部分使いがおすすめ
\保湿クリームの重ね塗りなども有効!/
「天然由来で副作用も少ないアゼライン酸ですが、高濃度に配合されているものは刺激感や乾燥を認めることも。部分使いなど、皮膚科医の指導を守って使うのがベストです」
皮脂が気になるならアゼライン酸配合コスメに頼るのもアリ!
「国内でもアゼライン酸配合のコスメは発売されています。濃度は低いと思いますが、そのぶん取り入れやすい使用感なのでは」
※商品は3ページ目を参照
海外のアゼライン酸配合コスメを使うときは慎重に!
「海外にはアゼライン酸配合コスメは数多くありますが、濃度が表示されていないものも多いんです。使い方や肌質によってはトラブルになることも」
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ロート製薬もアゼライン酸に注目!
この記事に登場したコスメ(1件)