スイーツは食べなくても平気だけど、お酒と白いごはんがやめられない……と嘆く、オヤジ女子が急増中。ストレス発散の晩酌や飲み会が日課、白いごはんや焼き立てのパンが大好物。お酒&炭水化物はダイエットの大敵だとわかってはいても、ついつい今日も飲んで食べて後悔。それは意志が弱いのではなく、デブ脳が原因なんです。
脳の仕組みを味方にする生活や食事をすれば、お酒や炭水化物が原因で太ることがなくなるそう。痩せるお酒&炭水化物との付き合い方を、ダイエット外来の医師・工藤孝文先生に聞きました。
ランチのおかかおにぎりでストレスによるお酒の量が減る⁉
お酒を飲むとストレスが発散されたように思うのは、飲酒によって分泌される脳内物質・ドーパミンやセロトニンが幸せで楽しい気持ちにしてくれるから。脳がこの状態のとりこになり、ついストレスを感じるとお酒を飲むことが習慣になっているのです。
お酒には食欲増進作用があるので、飲んだ後にラーメンや甘いものを食べたくなります。そのためお酒を飲むと太りやすくなるわけです。
また、飲酒後に食欲が増すのはお酒を飲むと体が低血糖なることも原因。血中にアルコールが入ると、それを分解するためにインスリンが分泌され、糖質が肝臓に運ばれます。血中の糖の割合が低下することで、脳は「糖が足りない」と勘違いして、「もっと食べろ」と、食欲スイッチをオンしてしまうのです。お酒をたくさん飲めば飲むほど低血糖になり、食欲が増してしまいます。
お酒後の食欲増進を押さえるために有効なのが、お酒を飲む日のランチに『おかかおにぎり』を食べること。ハッピーホルモン・セロトニンの原料になるトリプトファンが豊富なかつおぶしを食べるとストレス軽減に役立ちます。鶏肉もトリプトファンが豊富なので、鶏そぼろおにぎりもおすすめです。たっぷりのおかか入りおにぎりランチで、ストレスによるお酒の量を減らしましょう。
飲み会前日のキムチでストレスを先に取り除く
次におすすめなのが、飲み会の前日にキムチを食べること。これはキムチに含まれる乳酸菌に副交感神経を活性化させてリラックスを促す成分GABA(ギャバ)を作る成分が豊富に含まれているから。また、ストレスを感じると体内では、コルチゾールというホルモンが分泌され、体を守ろうとします。このコルチゾールは筋肉を減らして、脂肪をため込む働きも。気持ちをリラックスさせ、コルチゾールが増えるのを防いでくれるGABAが、直接的にも間接的にもダイエットをサポートします。
そこで、飲み会前にGABAを作る乳酸菌が豊富なキムチを! 飲み会の前日にキムチを食べて脳内にGABAを増やしておけば、ストレスによる飲みすぎを防ぐことができます。
7時間以上睡眠でお酒によるムダな食欲ストップ!
アメリカ、コロンビア大学の調査では、睡眠時間が平均7~8時間の人に比べ、4時間以下の人の肥満率は73%も高いということがわかりました。睡眠不足になると、食欲を増すホルモン・グレニンが増加し、食欲を押さえるホルモン・レプチンの量が減るため、暴飲暴食に走りやすくなります。さらに睡眠不足のストレスで、コルチゾールが分泌されて過食スイッチが入るという悪循環に。
そこで飲み会の前日の夜は7時間以上しっかり眠ること。質のよい睡眠で飲んだ後のラーメンなど、ムダな食欲が抑えられて、適量のお酒で満足できるようになります。
食前ラブコメ&4コマ漫画で、糖質中毒から脱出!
白いごはんや麺類、パンなど、炭水化物大好き女子の救済策は食前の漫画。炭水化物は太るとわかっていてもやめられないのは、糖質をとると幸福感を得ることができる脳内の神経伝達物質・β-エンドルフィンの分泌量が増えるため。その効果は「脳内麻薬物質」と呼ばれるほど、中毒性のあるものなのです。特に、脂肪と糖質を一緒に摂るとβ-エンドルフィンの分泌量が増えて、依存性が高まるそう。まさに脂肪+糖質の組み合わせは、最も脂肪になりやすい栄養素。
ストレスがたまっていると、よけいに脳がβ- エンドルフィンの分泌を促すため、糖質を欲してしまうのです。このような炭水化物(糖)中毒から抜け出すのに役立つのが、なんと漫画! 食前に好きな漫画を読むと、その世界に没頭して幸せホルモン・セロトニンが分泌され、糖質依存が軽くなります。小説だと文字をたくさん読むことで脳が疲れてしまい逆にストレスになることも。お気楽な4コマ漫画やラブコメなど、軽く読んで楽しめる漫画を食前に読んで、炭水化物から脱出しましょう。
食事は一日12時間以内にすると代謝がアップする
炭水化物=糖質の量は減らしたくないけど、ダイエットには成功したい……という都合のよい希望を叶えるには、食事時間を一日12時間に収める方法を試してみてください。例えば午前7時に朝食、午前12時に昼食、午後3時におやつ、午後8時にお酒を飲みながら夕食を食べると、食事時間は午前7時~午後10時の計15時間になってしまいます。この間、消化器官はこまめに動いて、疲弊している状態です。
この食事時間を1日12時間におさめるのがダイエットのポイント。朝食が朝8時なら、夜8時以降に食べるのはNG。12時間、消化器官をしっかり休息させることで、糖質や脂質の代謝がよくなり、エネルギーが消費しやすい体に変わります。
監修者 工藤孝文先生
ダイエット外来、糖尿病内科医。福岡県みやま市の工藤内科にて診療を行うかたわら、メディア出演や講演会など幅広く活躍。著書に『THEデブ脳!』(枻出版)ほか多数。
Edited by 山本 美和
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