【第3回】PMSって、なぜ起こるの?
PMSは、女性ホルモンが正しく分泌されているから起きるもの。まずはその理解を
今回教えてくれたのは…
MET BEAUTY CLINIC院長
福山千代子先生
日本産科婦人科学会専門医。
生理のトラブルや更年期障害など、あらゆる世代の女性の悩みに、20年以上真摯に向き合っている。親身なカウンセリングで、多様化する女性の悩みに合わせ、ホルモン療法、漢方薬処方、点滴などさまざまな角度から治療法を提案。
MET BEAUTY CLINIC:https://www.met-beautyclinic.jp/
Q. PMSって、そもそも何ですか?
A. 生理前に体やメンタルに現れる不快な症状のことです
福山千代子先生
PMS(月経前症候群)は、生理が始まる3~10日ほど前、早ければ排卵直後くらいから、体やメンタルに現れるさまざまな不快な症状のことです。生理前になると症状が出て、生理が始まると改善するならPMSと考えられます。
症状は、胸の張りや痛み、下腹部痛、腰痛、頭痛、むくみ、便秘、ニキビ、肌荒れなどの体の不調のほか、イライラやうつっぽさ、不安感、落ち込み、無気力といったメンタルの不調などと、人によってさまざまです。
Q. PMSって、どうして起こるの?
A. 生理前に女性ホルモンが大きく変動することが関係しています
福山千代子先生
「PMSの原因には、2つの女性ホルモン、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の大きな変動が関係していると言われています。
生理後にはエストロゲンの分泌が高まり、それがピークになると排卵が起きます。するとそれを境に、今度はプロゲステロンの分泌が増加しますが、その後再びエストロゲンの分泌が戻り、生理とともに2つとも急激に減少します。このダイナミックな女性ホルモンの変化によって脳内の神経伝達物質のセロトニンが低下しイライラや落ち込みなどのメンタル症状が起こると言われています。またプロゲステロンには、妊娠に備えるホルモンで、体に水分や栄養をためこむ働きがあるので、生理前にその分泌が増えることで、胸の張りや、むくみ、便秘などが起こるのです。プロゲステロンには皮脂の分泌を増やす働きもあるので、ニキビや肌荒れも起きやすくなります。
PMSでも、特にメンタル症状が強く出る場合を、PMDD(月経前不快症候群)と言います。
Q. PMSって、性格も関係しているってホント?
A.神経質な人や、生真面目な人などはPMSの症状が出やすい傾向が
福山千代子先生
神経質な人や、生真面目な人、几帳面な人、何かあったとき自分を責めてしまう人などは、PMSになりやすいと言われています。また、ストレスもPMSを悪化させる要因になります。
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PMSと治療法やセルフケアとは?
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