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美のプロたちが大座談会。2019年ヒットコスメをおさらい!【2019年間ベストコスメ・スキンケア編】

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今年も目を見張るような進化を遂げたスキンケアのアイテムたち。今回、美容業界の最前線で活躍する美のプロたちが、2019年の注目コスメについて大いに語ります。

\語ってくれたのは……/

楢﨑裕美、松本千登世、吉田昌佐美

(左から)
■美容ライター 楢﨑裕美さん
■美容エディター 松本千登世さん
■美容ジャーナリスト 吉田昌佐美さん

松本:
年間ベストコスメのランキングを見て、まず注目したいのはオバジジェニフィックフローラドリップに代表される万能薬的コスメ。何かひとつの悩みというより、じわじわ全方位に効いて、いちばんの弱みから改善してくれるので、皆さんの肌ランクが確実に底上げされてきた今、さらに上を目指す意味でちょうどいいですよね。

吉田:
フローラドリップは、効果や機能を狙って処方をデザインするという発想も斬新。独自の計画発酵によって7800以上の成分が含まれていて、それらが“あなたの肌に合わせて効いていく”といい、スキンケアのひとつの未来形を示しているように思いました。オバジはピュアビタミンC25%配合、ジェニフィックは“美肌菌”ケアというように、ダイレクトに特徴を伝えられるキャラ立ちしたコスメが際立った印象もあります。

オバジC25セラム ネオ

オバジC25セラム ネオ 12ml ¥10000/ロート製薬
かつてない高濃度のビタミンCが毛穴やキメをパワフルに改善。

ジェニフィック アドバンスト N

ジェニフィック アドバンスト N 30ml ¥10000/ランコム
肌の常在菌バランスを整えることで、強い美肌を育成。

フローラドリップ

フローラドリップ 160ml ¥13000/アルビオン
7800にも及ぶ有用成分が各自の肌悩みにフィットし、健やかに整える。

楢﨑:
皮膚常在菌のバランスケアも“美肌菌”ケアということでイメージがつかみやすく、拡散にも繋がりましたよね。

松本:
本当に、“美肌菌”というキーワードはお見事で、2019年の美容版流行語大賞といえそう。そして、もうひとつ注目したいのは、シワ改善ケアの広がり。美白のように当たり前にできるような時代がとうとう来ましたね。

吉田:
なかなか日本では定着しないイメージがあったけど、2年前のポーラのリンクルショットを皮切りに薬用のシワ改善コスメが認められたことで増えてきていたところに、もともと表皮のターンオーバーケアとして優秀で、肌が明るくなるなど多機能な美肌成分ナイアシンアミドに、各社が得意技や新知見を合わせてきた。結果、“秋のナイアシンアミド祭り”に。中でもオルビス4000円台とお手頃で、シワケアと同時に肌のトーンアップも狙えるから、VOCE世代の日常使いにオススメ。

リンクルホワイトエッセンス

リンクルホワイトエッセンス〈医薬部外品〉 30g ¥4500/オルビス
シワ改善と美白を一度に。軽やかな質感も◎。

楢﨑:
シワケア=目元やほうれい線などの部分用として捉えがちだったけど、どこに出現するかわからないだけに、みずみずしいテクスチャーで気持ちよく全顔をケアできる点も新鮮。価格込みで企業努力を感じました!

松本:
昨年までは、感触のよさをウリにしていることが多かったけど、今年は声高に謳わなくなりましたよね。これは、心地いいのがもはや当たり前になったからでしょう。さらにクレ・ド・ポー ボーテAQ ミリオリティなどのスキンケアラインに充実感もありました。

ル・セラム

ル・セラム〈医薬部外品〉 50ml ¥25000/クレ・ド・ポー ボーテ
美しい細胞をどんどん生み出せる肌へ。洗顔後すぐに使用。

AQ ミリオリティ リペア エマルジョン n

AQ ミリオリティ リペア エマルジョン n 200ml ¥30000/コスメデコルテ
厳選成分を贅沢に配合。驚くほど柔肌に。

吉田:
クレ・ド・ポー ボーテは、肌には知性があるという研究からスタートし、幹細胞の新知見をプラスした起動美容液ル・セラムを核にバージョンアップ。AQ ミリオリティは、へたった細胞を底上げすべく、再生医療アプローチをさらに進化。いずれも得意分野の研究成果が盛り込まれていました。

松本:
幸せホルモンと美肌との関係を紐解いたB.A グランラグゼIIIの研究も素晴らしく、 なんとなく心の中で“これって肌状態に影響があるのかも?”と思っていたことが、今年は次々と解明された印象。以前、とある研究員の方が「私たちは、“おばあちゃんの知恵袋”的な話を科学的に証明して、それをコスメに反映してイイものをつくっていくのが仕事」と語っていたのを思い出しました。ナイアシンアミドやビタミンCといった耳慣れた成分も、効果を信じた研究者がていねいに研究を続けた結果、さらに力を増して、届くようになりましたしね。

B.A グランラグゼIII

B.A グランラグゼIII〈医薬部外品〉 50g ¥72000/ポーラ
好奇心を刺激し、美肌スパイラルへと導く脳科学コスメ。

吉田:
そう考えると、今年の顔は研究者といえるかも。私的にはアイケアも注目のカテゴリーで、中でもエピステームは目薬の研究を重ねてきたロート製薬だけあって、まぶたのマッスルアプローチが面白く、テクスチャーのとどまり感も絶妙。アラサーから本格的なアイケアが使えるみんなが羨ましい!

エピステーム アイパーフェクトショットa

エピステーム アイパーフェクトショットa 18g ¥11000/ロート製薬
まぶたの筋肉に働きかけ、たるみをケア。

松本:
価格が高いと思うかもしれないけど、優秀なプチプラが多くなっている以上、安くする努力をするのではなく、価格なりの効果や満足感は出しますよという方向になっている気がする。だから、とても適正な値付けだと思います。

吉田:
確かに原料のこだわりから、アプローチの方法、つけたときの心地よさまで、今年は全体的にアベレージが高い。だからこそ、きちんと何をしてくれるものか知らないともったいないし、知ることで、トレンドだけに左右されず、本当に自分に合うものが見つけられると思う。

楢﨑:
惜しくもランクインを逃しましたが、ソフィーナiPの角層の鱗屑を3日で改善するというのもとても印象的で、最近よく聞く、「結果が待てない」ニーズに対応しているな、と。

吉田:
去年の角層コンディションケアの流れから来てますよね。ジェニフィック然り、約10年ぶりの新規美白有効成分で表皮細胞のエネルギーを爆発的に高めて美白も美肌も叶えるホワイトショットも然り、と角層や表皮といった肌の上層部アプローチが多かった。それは化粧品としての真っ当な方法だし、“上”攻めは結果が早い。見た目が変わるという手ごたえも得られるうえ、心地よさも標準装備だから、“私、失敗しないんで”的な製品が多く、VOCE世代にとって、今年は目玉コスメが豊作だったと思います。

ホワイトショット LX

ホワイトショット LX〈医薬部外品〉 150ml ¥11000/ポーラ
肌力を高めてメラニンが不要な肌へ。多数の美肌効果も。

楢﨑:
洗いものでも、ルナソルの毛穴から肌印象まで即変えるチカラはすごかったですね。

松本:
ITRIMのゴマージュもテクスチャー、肌へのなじみ方、仕上がりのツルスベ感、と3連続でイイ! そういう、わかりやすい体感や効果は大事だなとあらためて思いました。

ルナソル スムージングジェルウォッシュ

ルナソル スムージングジェルウォッシュ 150g ¥3200/カネボウ化粧品
頑固な角栓や毛穴汚れをオフしてクリアな肌に。

エレメンタリー フェイシャルゴマージュ

エレメンタリー フェイシャルゴマージュ 100g ¥12000/ITRIM
洗い心地はちゅるん、洗い上がりはつるん!

吉田:
オーガニック系もITRIMのように、本当にこだわったブランドしか残れなくなってきていて、精油にこだわるTHREEは日本の原料を主力にして、新バランシングラインはCOSMOS認証を取得。より質のいいものへと進化しました。ザ パブリック オーガニックは精油の香気成分に着目したアイテムを手頃な価格で提供することで、爆発的なヒットに繋がりましたね。

バランシング SQ オイル R

バランシング SQ オイル R 30ml ¥10000/THREE
精油のチカラで心も肌もほぐし、上質な眠りと透明感を約束。

ザ パブリック オーガニック

ザ パブリック オーガニック 精油シャンプー スーパーポジティブ 500ml ¥1544/カラーズ
ザ パブリック オーガニック 精油トリートメント スーパーポジティブ 500ml ¥1544/カラーズ

幸せホルモンの分泌を促す精油の香りが絶品。

楢﨑:
VOCEのベスコスにおいて、今年はオーガニック部門をやめて他と同列の審査としたのも、かなり機能的になっているからこそ。

松本:
THREEに関していえば、忙しくて睡眠の時間が十分に取れないなら、質を高めましょうというコンセプトが、とても今どきで、私たちに寄り添ってくれている感じ。ザ パブリック オーガニックのピローミストなども続き、睡眠アプローチものが増えたのも嬉しい。

楢﨑:
忙しい時代といえば、誰もが揺らぎやすいからこそ、敏感肌コスメと健常肌コスメの境が曖昧になってきた傾向も。例えばジェニフィックは揺らぎにくい肌をつくるし、エスティローダーの夜用集中美容液は一晩で赤みを鎮めるレスキューケア。敏感肌ブランドのアヤナスからはシワ改善の攻めオイルが出ましたね。

アヤナス リンクルO/L コンセントレート

アヤナス リンクルO/L コンセントレート〈医薬部外品〉 30ml ¥6500/ディセンシア
摩擦レスでのびてシワ改善。

吉田:
日本のスキンケア市場は成熟しているけど、ダイバーシティ化が進む今、コスメもエイジレス、ジェンダーレス、悩みのジャンルレスな方向へと、さらなる成熟期に入ったのかもね。2020年発売のYSLのピュアショットはまさにその流れで、肌内部の絶対成分バランスを整えるというから年齢も悩みも不問。ディオールの新カプチュール トータルは幹細胞レベルからの肌の活力アップケア、と来年は深層ケアがトレンドになりそうで、また楽しみですね。

撮影/ヤノコージ(STIJL)、伊藤泰寛 取材・文/中川知春、穴沢玲子、楢﨑裕美 構成/鬼木朋子

年間ベストコスメを全てチェック!

Edited by 鬼木 朋子

公開日:

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