連載 VOCEフェムケアROOM

ストレスがたまりやすい5月は、「生理不順」になる人が増加!あなたの生理周期、乱れていませんか?

公開日:

ストレスがたまりやすい5月は、「生理不順」になる人が増加!あなたの生理周期、乱れていませんか?

「VOCEフェムケアROOM」は、生理にまつわる不調など、女性特有の悩みの原因や解決法を、専門家にQ&A方式で教えていただく連載。 今回は、新生活のスタートなど生活環境の変化を経て、長期休暇のGWを過ぎた今の時期に特に生じやすい、生理周期の乱れ=「生理不順」にまつわる疑問について、産婦人科医の福山千代子先生に教えていただきました。

【第2回】私の生理周期、正常ですか?

生理の正常な周期を知っておき、その範囲を外れていたら、早めに婦人科へ

生理の正常な周期を知っておき、その範囲を外れていたら、早めに婦人科へ
今回教えてくれたのは…
福山千代子先生

MET BEAUTY CLINIC院長

福山千代子先生

日本産科婦人科学会専門医。
生理のトラブルや更年期障害など、あらゆる世代の女性の悩みに、20年以上真摯に向き合っている。親身なカウンセリングで、多様化する女性の悩みに合わせ、ホルモン療法、漢方薬処方、点滴などさまざまな角度から治療法を提案。
MET BEAUTY CLINIC:https://www.met-beautyclinic.jp/

Q. 生理は、どれくらいの期間で来るのが正常で、どれくらい乱れると生理不順?

A. 正常な生理周期は25〜38日で、この範囲外なら生理不順です

福山千代子先生
福山千代子先生

生理周期とは、生理が始まった初日から、次の生理が始まる前までの期間のことを言い、25〜38日が正常とされています。これよりも遅れて39日以上生理が来ない場合を「稀発月経」と言い、24日より早く生理が来る場合を「頻発月経」と言います。また、3ヵ月以上生理が来ない場合は、「無月経」です。


正常な生理周期は25〜38日で、この範囲外なら生理不順です

Q. 生理不順の原因って?

A. ストレスや急激な体重の変化によるホルモンバランスの乱れ

福山千代子先生
福山千代子先生

生理不順は、ホルモンバランスが乱れることが大きな原因です。生理は、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)が正しく分泌されていれば基本的に生理は順調に訪れますが、何らかの理由でホルモンの分泌に障害が起きると生理不順になるのです。
ホルモンバランスが乱れる理由としては、まずひとつはストレス。ストレスがあると、“今は妊娠している場合ではない”と体が排卵を止めてしまうからです。
引っ越しや職場での異動など、環境が変わることが多い4月を過ぎてしばらく経つ5月頃は、1年でも特にストレスがたまりやすい時期なので、生理不順になる人が少なくありません。睡眠不足や、多忙な仕事などもストレスになるので要注意です。


ストレスや急激な体重の変化によるホルモンバランスの乱れ

そのほか、体重が急激に増えたり、減ったりすることもホルモンバランスの乱れを招き、生理不順の原因になります。特に食事制限をするダイエットをして体脂肪率が15%以下になると生理不順になりやすくなり、10%以下になると生理が止まる可能性が高くなります。

Q. 生理不順は放っておかないほうがいいの?

A. 不妊の原因になることもあるので、放置するのはNG

福山千代子先生
福山千代子先生

生理不順だと、妊娠したいと思って、子作りをするときに排卵のタイミングがつかみにくくなるのがデメリットです。
また、生理が止まったまま長く放置していると、自然に生理が戻りにくくなり、不妊を招きやすくなります。
さらに、生理が止まっているということはエストロゲンが正しく分泌されていないということでもありますが、エストロゲンには骨や血管を丈夫に保ったり、肌のうるおいを保ったりといった、女性の体を守るさまざまな働きがあるので、その恩恵が受けられなくなると、若いうちから閉経後のように、骨がもろくなったり、老化が進んでしまったりするという問題も起こります。“生理が来ないから楽だわ”などと放置せず、早めに婦人科を受診しましょう。


Q. 生理不順の治療法って?

A. ホルモン剤や漢方薬などで治療します

福山千代子先生
福山千代子先生

婦人科では、ホルモンの状態や子宮や卵巣の状態などを検査して、原因を調べたうえで、原因に応じた治療をします。また、そのときに妊娠を希望しているかどうかでも治療法が変わりますが、基本的にホルモン剤を用いて治療をします。
ホルモンバランスの乱れから排卵していない状態になっていて、妊娠を希望している場合には、排卵誘発剤を使って治療をします。
すぐに妊娠を希望していない場合には、プロゲステロンが正しく分泌されていない場合には、プロゲステロンを、プロゲステロンもエストロゲンも不足している場合には、両方を内服薬や注射で補う治療をしたり、低用量ピルを用いたりといった方法で治療をします。
基本的にはこういった治療をしばらく続けることで、生理が来るようにすると、その後は生理周期が整うケースが多いです。ただし、生理が来ないのを放置していた時間に比例して、治るのにかかる時間も長くなります。
また、比較的症状が軽い人や、ホルモン治療を希望しない人、体質的にホルモン治療が向かない人などには、漢方薬で治療をすることもあります。


【漫画でわかる女性のカラダ】生理、PMS、妊娠……
今更聞けない「女性の身体」の悩み!

次ページ
生理不順を改善するために、自分でできることはある?

こちらの記事もおすすめ

    You May Also Like...

    あなたにおすすめの記事

      Serial Stories

      連載・シリーズ